表参道・原宿の東京原宿クリニック院長の篠原です。
今回は、副腎疲労改善や健康に欠かせない「概日リズム」についてお話します。
「概日リズム」とは、約24時間周期で変動する体のリズムのこと。睡眠、ホルモン分泌、体温調節など、多くの重要な機能に影響を与えています。
このリズムが乱れると、様々な体調不良を引き起こす可能性があります。今回は、「概日リズム」の乱れがもたらす影響と、その改善策について、さらに副腎疲労との関連性について詳しく解説していきます。
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Contents
概日リズムとは? – 体内時計の神秘
「概日リズム」は、私たちの体内に存在する「体内時計」によって制御されています。この体内時計は、脳の視交叉上核という部分にあり、主に光の刺激によって調整されています。
朝、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、日中は活動ホルモンであるコルチゾールが分泌され、夜になると睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されます。
このリズムによって、私たちは日中は活動的に、夜はリラックスして眠ることができるのです。
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体内時計のメカニズム
視交叉上核は、網膜から光の情報を受け取り、体内時計を調整する役割を担っています。視交叉上核は、体内時計の「親時計」とも呼ばれ、全身の細胞に存在する「子時計」のリズムを同期させています。
子時計は、それぞれの臓器や組織で固有のリズムを持っていますが、親時計からの指令によって、全体として調和のとれた概日リズムが形成されます。

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概日リズムの乱れが引き起こす様々な問題 – 現代社会の落とし穴
現代社会では、夜更かしや夜勤、スマホの使いすぎなど、「概日リズム」を乱すような生活習慣が蔓延しています。
「概日リズム」が乱れると、次のような問題が起こる可能性があります。
- 睡眠障害:夜なかなか寝付けなくなったり、朝起きるのがつらくなったり、睡眠の質が低下することで日中の眠気や集中力不足を引き起こします。
- ホルモンバランスの乱れ:コルチゾールやメラトニンの分泌異常が起こり、日中の活動性や夜の睡眠の質が低下します。また、その他のホルモンバランスにも影響を及ぼし、自律神経の乱れや月経不順などを引き起こす可能性があります。
- 免疫力低下:免疫細胞の活動が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。また、アレルギー症状が悪化したり、自己免疫疾患のリスクが高まる可能性も指摘されています。
- 精神的な不調:うつ病や不安症などのリスクが高まります。
- 代謝の低下:肥満や糖尿病などのリスクが高まります。
- 消化器系の問題:便秘や下痢などの症状が起こりやすくなります。
- 心臓血管系の疾患:高血圧や心疾患のリスクが高まる可能性があります。
- がんのリスク増加:いくつかの研究で、「概日リズム」の乱れとがんの発症リスクとの関連性が示唆されています。

社会的時差ボケ
現代社会における「概日リズム」の乱れの原因の一つに、「社会的時差ボケ」があります。これは、週末に遅くまで寝ていたり、夜更かしをして平日との生活リズムにズレが生じることで、体が時差ボケのような状態になることを指します。
社会的時差ボケは、睡眠不足や疲労感、集中力低下、消化不良、イライラ感などを引き起こす可能性があります。
概日リズムとホルモンの関係 – コルチゾールとメラトニン
「概日リズム」は、ホルモンの分泌と密接に関係しています。特に、コルチゾールとメラトニンは、「概日リズム」と深く関わっています。
- コルチゾール:副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスに対処する働きがあります。コルチゾールの分泌量は、朝に高く、夜に低くなるというリズムがあります。このリズムが乱れると、ストレスを感じやすくなったり、疲労感が抜けにくくなったりします。
- メラトニン:脳の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠を促す働きがあります。メラトニンの分泌量は、夜に高く、朝に低くなるというリズムがあります。このリズムが乱れると、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。
その他のホルモンへの影響
「概日リズム」の乱れは、コルチゾールやメラトニンだけでなく、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなどの分泌にも影響を与える可能性があります。
成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を抑制し、疲労回復や成長を妨げることがあります。
甲状腺ホルモンは、代謝を調節するホルモンですが、「概日リズム」の乱れによって分泌が不安定になると、体重増加や倦怠感などの症状が現れることがあります。
性ホルモンの分泌異常は、月経不順や不妊、更年期障害などの原因となることがあります。

概日リズムを整えるための具体的な方法 – 生活習慣改善のヒント
「概日リズム」の乱れを改善し、健康的な生活を送るためには、以下の点に注意することが大切です。
- 光の活用:朝起きたらすぐに太陽の光を浴びるようにしましょう。光を浴びることで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が抑制され、体が活動モードに切り替わります。また、夜は明るい光を避け、寝室を暗くして眠るようにしましょう。特に、寝る前にスマホやパソコンなどのブルーライトを浴びることは、メラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させるため、避けましょう。
- 規則正しい生活:毎日同じ時間に寝起きし、食事の時間もできるだけ規則正しくしましょう。週末も平日と同じような時間に寝起きすることで、体内時計のリズムを安定させることができます。
- 食事内容の見直し:バランスの取れた食事を心がけ、特に朝食は必ず食べるようにしましょう。朝食を食べることで、体内時計がリセットされ、コルチゾールの分泌が促進されます。また、夜遅くに食事をすると、消化活動が睡眠を妨げる可能性があるため、夕食は寝る3時間前までに済ませるようにしましょう。
- 適度な運動:軽い運動を習慣的に行いましょう。運動は、ストレス解消や睡眠の質向上に効果的です。ただし、激しい運動は避け、寝る前に運動するのは控えましょう。
- ストレスの管理:ストレスをため込まないように、リラックスできる時間をつくりましょう。ヨガ、瞑想、音楽鑑賞など、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけましょう。
- カフェインとアルコール:カフェインやアルコールは、睡眠の質を低下させる可能性があります。特に夜は摂取を控えましょう。
- 睡眠環境:寝室の温度や湿度、寝具などを快適な状態に保ちましょう。
- 昼寝:昼寝をする場合は、30分以内にしましょう。あまり長く昼寝をすると、夜の睡眠に影響が出ることがあります。

栄養面からのサポート
「概日リズム」を整えるためには、栄養バランスの良い食事を摂ることも重要です。
- トリプトファン:メラトニンの原料となるアミノ酸です。肉、魚、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。
- ビタミンB群:神経伝達物質の合成に関与し、ストレスを軽減する効果があります。豚肉、レバー、卵、牛乳などに多く含まれています。
- マグネシウム:神経の興奮を抑え、リラックス効果を高めるミネラルです。海藻類、ナッツ類、大豆製品などに多く含まれています。マグネシウム不足につきましてはこちらをご参照ください。
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副腎疲労について – 概日リズムとの関連性
副腎疲労は、慢性的なストレスによって副腎がコルチゾールを十分に産生できなくなる状態です。疲労感、倦怠感、意欲の低下、睡眠障害、集中力不足、イライラ感などの症状が現れます。
副腎疲労は、「概日リズム」の乱れとも密接に関係しています。コルチゾールの分泌リズムが乱れると、副腎に負担がかかり、副腎疲労を引き起こしやすくなります。副腎疲労につきましては、こちらもご参照ください。
副腎疲労の症状
- 朝起きるのがつらい
- 日中、疲労感や倦怠感が強い
- 集中力や記憶力が低下している
- ストレスを感じやすい
- 甘いものや塩辛いものが無性に食べたくなる
- アルコールやカフェインに依存しやすい
- 性欲の減退
- めまい
- 消化不良
- アレルギー症状が悪化する

副腎疲労の改善策
副腎疲労を改善するためには、ストレスを減らす、睡眠時間を確保する、栄養バランスの良い食事を摂る、適度な運動をする、リラクゼーションを取り入れるなどの生活習慣の改善が重要です。
- ストレスの軽減:ストレスの原因を特定し、可能な限り解消するよう努めましょう。リラックスできる時間をつくり、ストレスをため込まないようにしましょう。
- 睡眠の質向上:質の高い睡眠を十分に取るようにしましょう。睡眠不足は、副腎に大きな負担をかけます。
- 栄養バランス:副腎の働きをサポートする栄養素を積極的に摂取しましょう。ビタミンC、ビタミンB群、マグネシウムなどがおすすめです。
- 適度な運動:軽い運動は、ストレス解消や血行促進に効果的です。激しい運動は、かえって副腎に負担をかけるため、避けましょう。
- リラクゼーション:ヨガ、瞑想、アロマテラピーなど、リラックスできる方法を取り入れましょう。
当院では、副腎疲労の検査や治療も行っています。副腎疲労が疑われる方は、お気軽にご相談ください。総合カウンセリングでは、ご相談を受け付けております。
まとめ
「概日リズム」を整えることは、心身の健康を維持するために非常に重要です。ご紹介した方法を参考に、生活習慣を見直してみて下さい。
当院では、「概日リズム」の乱れや副腎疲労などでお悩みの方へ、栄養療法や生活習慣指導などのサポートを行っています。お気軽にご相談ください。栄養外来はこちらから。
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。