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分子栄養学

老化速度を見える化『エピクロックテスト』でアンチエイジング

表参道・原宿の東京原宿クリニック、院長の篠原です。
最近、「自分の体は実年齢より若いのだろうか、それとも老けているのだろうか?」と気になったことはありませんか? 年齢はただの数字と言いますが、生物学的年齢(体の内側の本当の年齢)を知ることで、健康管理やアンチエイジングに役立つ時代になっています。今回はDNAレベルで体内年齢を測定できる話題の検査「エピクロックテスト」について、その概要から科学的根拠、生活習慣の改善への活用法まで解説します。健康意識の高い方やアンチエイジングに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

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エピクロックテストの概要


1. エピクロックテストとは?

エピクロックテストとは、一言でいうと細胞レベル(DNAレベル)で真の体内年齢を測定する検査です​。私たちの暦年齢(実際の年齢)はカレンダー上の年数ですが、生物学的年齢(エピジェネティック年齢)は「体がどれくらい老化しているか」を示す別の指標になります​。エピクロックテストでは、この生物学的年齢をDNAの変化から割り出します。具体的には、細胞のDNAに付く化学的な印であるDNAメチル化のパターンを解析し、その人の体内年齢を推定します​。DNAメチル化は加齢に伴い変化するため、その変化を手がかりに体の老化度合いや健康状態を評価できるのです。

では、なぜ生物学的年齢を知ることが重要なのでしょうか?
それは、生物学的年齢が私たちの見た目の若々しさや健康寿命、さらには加齢に伴う疾患リスクを反映しているからです​。暦年齢が同じでも、生物学的年齢が若ければ実際より若々しく健康である可能性が高く、逆に生物学的年齢が高ければ将来病気になるリスクが高いかもしれません​。エピクロックテストはこうした体の真の老化度合いを「見える化」する次世代の検査として、世界的にも注目され始めています​。

健康管理やアンチエイジング、予防医学の観点から、自分の体内年齢を把握することは非常に有意義と言えるでしょう。

生物学的年齢の重要性
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2. エピクロックテストの科学的根拠

エピジェネティクス(Epigenetics)とは、DNAの配列そのものは変えずに遺伝子の働きを調節する仕組みのことです。なかでもDNAメチル化は代表的なエピジェネティックな変化で、遺伝子に付加されたメチル基がスイッチのオン・オフのように遺伝子の働きを制御します​。このためDNAメチル化は「DNAスイッチ」と呼ばれることもあります​。加齢や生活環境の影響でエピジェネティクスの状態は変化し、細胞の老化とも密接に関係していることが分かっています​。エピクロックテストは、このDNAメチル化の状態を網羅的に解析することで生物学的年齢を評価する科学的手法です。

エピクロックテストの背後には、近年急速に発展したエピジェネティック・クロック(Epigenetic Clock)研究の成果があります。世界中の研究者がDNAメチル化パターンと年齢の関係を調べた結果、特定の部位のメチル化から年齢を高い精度で予測できることが明らかになりました。例えばカリフォルニア大学のホーバス博士らによる初期研究以来、複数のエピジェネティック時計モデルが開発され、誤差数年程度で実年齢を予測できると報告されています。さらに、これら生物学的年齢の指標が高いほど心血管疾患や認知機能低下などのリスクが高まるという関連も報告され、医学的な信頼性が高まっています。エピクロックテストはこうした多数の学術論文で検証されたアルゴリズムに基づいており、解析には最先端のDNAメチル化解析技術が用いられています​。

特に日本国内では、日本人集団のデータをもとに独自の年齢推定モデルが開発されており、生物学的年齢をより高精度に評価できる体制が整っています​。

検査結果として得られるのは単に生物学的年齢の数字だけではありません。「エイジギャップ」(あなたの暦年齢との差)や「老化スピード」(1年間で何歳分の老化が進んでいるか)といった指標も提供されます​。さらに、生物学的老化の原因となり得る20項目以上の健康指標(生活習慣に関するスコアや血中タンパク質のレベルなど)も分析されます​。これによって「なぜ自分の体内年齢が実年齢より高い(または低い)のか」という原因にまでアプローチできるため、エピクロックテストは科学的根拠に裏付けられた包括的な健康診断ツールと言えるでしょう。

生物学的年齢の評価

3. 検査を受けるメリット

エピクロックテストを受けることで得られるメリットは大きく分けて以下のようなものがあります。

  • 自分の生物学的年齢を知ることの意義: 単に「若い・老けている」の感覚ではなく、数値化された体内年齢を知ることで、現在の健康状態を客観的に把握できます。例えば「実年齢より5歳若い」という結果であれば自信につながりますし、逆に「実年齢より高い」という結果であれば生活習慣を見直す動機になるでしょう。
  • 将来の健康リスク評価: 生物学的年齢は将来の健康リスクを考える上で有用な指標です。実年齢に比べて生物学的年齢が高い場合、加齢に伴う疾病リスク(心臓病や糖尿病、認知症など)が高まっている可能性があります​。早めにこのサインに気付くことで、病気の予防につながる対策を講じることができます。
  • 生活習慣改善の指標として活用: エピクロックテストは生活習慣の影響を数値で確認できる点も大きなメリットです。エピジェネティックな年齢は後天的な要因で変化するため、半年ごとなど定期的に検査を受ければ、自分の取り組み(運動や食事改善など)が実際に老化スピードを抑制できているかをチェックできます​。言い換えれば、生活習慣の改善効果を“見える化”できるのです。これは継続的な健康管理やアンチエイジングのモチベーション維持にも役立ちます。
  • パーソナライズされた健康プランの作成: 検査結果から自分の弱点や強みが把握できるため、効率よく健康寿命を延ばすための戦略を立てられます。例えば結果レポートにより「睡眠不足が老化を促進している可能性が高い」などと示唆された場合、睡眠改善に重点を置いた対策を講じることができます。こうした個別データに基づくアドバイスは汎用的な健康法よりも効果的と言えるでしょう。
エピクロックテストの利点のサイクル

このようにエピクロックテストは「知る→対策する→効果を測る」という健康管理サイクルを回す上で強力なツールとなります。自分の体の状態を知り、将来に備えて今何をすべきか考えるきっかけとして、ぜひ活用を検討してみてください。

4. エピクロックテストと生活習慣の関係

生物学的年齢は日々の生活習慣の積み重ねによって良くも悪くも変化します。普段の食事内容、運動の有無、睡眠の質、ストレスの度合いなど、私たちの生活環境がエピジェネティクスに影響を与えることが分かってきました​。これは環境因子によって遺伝子発現パターンに差が生じ、老化の進行度にズレが生まれるためです。実際、健康的な生活を続けていると体に良い遺伝子群が活性化し、不健康な生活が続くと老化や病気に関与する遺伝子群が活性化しやすくなることが報告されています​。言い換えれば、日々の選択が将来の自分の体年齢を左右するのです。

では、生物学的年齢を若く保つためには具体的にどのような生活習慣を心がければ良いのでしょうか?ポイントは大きく分けて「食事」「運動」「睡眠」「ストレス管理」の4つです。それぞれの改善ポイントを見てみましょう。

  • 食事: 抗酸化作用や抗炎症作用のある食品を積極的に摂りましょう。緑黄色野菜や果物、ナッツ、オリーブオイル、魚などに含まれるビタミン類やポリフェノール、オメガ3脂肪酸は細胞の老化ダメージを抑える助けになります。逆に過剰な糖分や加工食品の摂取は体内で炎症や酸化ストレスを引き起こし、生物学的年齢を押し上げる要因となりえます。適度なカロリー制限やバランスの良い食事は、エピジェネティックな老化を遅らせる可能性があります。
  • 運動: 定期的な運動習慣は若さを保つ上で欠かせません。週に数回の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)や筋力トレーニングを組み合わせることで、代謝機能の改善や炎症マーカーの低減が期待できます。運動はエピジェネティクスにも良い影響を与え、運動習慣のある人はない人に比べて生物学的年齢が若く保たれる傾向が報告されています。まずは無理のない範囲で体を動かし、習慣化することが重要です。
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  • 睡眠: 良質な睡眠は体の修復とリセットの時間です。睡眠不足や不規則な睡眠はホルモンバランスの乱れやストレス増加を招き、老化を早める可能性があります。一日7~8時間の睡眠を目標に、就寝前の強い光(スマホやPC)を避けリラックスして眠りにつく習慣を付けましょう。十分な睡眠はDNAのダメージ修復やエピジェネティックな調節にも寄与し、結果的に生物学的年齢を若く保つことにつながります。
  • ストレス管理: 慢性的なストレスは体内で炎症反応を高め、老化を促進する大きな要因です。心身のストレスを上手にコントロールすることでエピジェネティックな変化も良い方向に導ける可能性があります。毎日の中でリラックスできる時間を確保し、瞑想や深呼吸、ヨガ、趣味の時間など自分に合った方法でストレス解消を図りましょう。また、人との交流や笑いもストレス軽減に効果的です。ストレスをため込まない生活は、生物学的年齢の上昇を防ぐ重要な鍵となります。
エピクロックテストを改善させる生活習慣の柱

以上のような生活習慣の改善は、生物学的年齢を引き下げる(=老化速度を緩やかにする)ことに直結します。実際にエピクロックテストを活用すれば、こうした改善の前後で体内年齢がどう変化したかを確認することができます​。毎日の積み重ねが将来の自分を作ると意識しながら、できることから少しずつ取り組んでみてください。

5. 検査の流れとお申し込み方法

東京原宿クリニックでエピクロックテストを受ける場合の一般的な流れをご説明します。

  1. 事前相談・ご予約: こちらの検査についての質問などのお問い合わせがある場合は、「お問い合わせフォーム」よりお願いします。検査をご希望の場合はWEB予約でお願いいたします。
  2. 来院・問診と検査実施: ご予約の日時に来院いただき、医師による検査の説明の後、エピクロックテスト用の採血を行います(約2mLの血液を採取します​)。採血自体の所要時間は数分で、痛みは採血針のチクっとした刺激程度です。
  3. 結果の分析・報告: 採取した検体は専門の解析機関でDNAメチル化解析を行い、生物学的年齢や各種指標が算出されます。結果が出るまでに6〜8週間ほどお時間をいただきます(検査内容や混雑状況により前後します)。結果レポートが届き次第、メールでご連絡し来院日時を調整します。来院時に医師から検査結果の説明を行います。生物学的年齢やエイジギャップ・老化スピード、各健康指標についてご説明し、それを踏まえた今後の改善アクションプランをご提案いたします​。ご不明点は遠慮なくご質問ください。
  4. フォローアップ(アクションプラン実践と再評価): プランに基づき、日々の生活改善や必要な治療・サプリメント摂取を開始します。提案されたアクションプランは無理のない範囲で少しずつ取り入れていきましょう。6ヶ月後〜1年後を目安に再度エピクロックテストを受けていただくことをおすすめしています​。それまでの取り組みが生物学的年齢にどう反映されたかを確認し、さらに次の目標設定を行うことで、継続的なアンチエイジング効果を高めます。
エピクロックテストの実施

レポート例

価格

エピクロックテスト
(検査結果説明付き)
88,000円(税込)

ご予約

当院は、完全予約制となっています。ご予約はこちらから。

テストの結果、さらにアンチエイジングを加速させたい場合は、以降もご参照ください。

6.エピクロックテストの結果によりさらにアンチエイジングを早めたい場合

東京原宿クリニックでは、アンチエイジングに有効なこととして、上記の生活習慣改善に加え、以下の項目を重要視しています。血糖値の安定化、足りない栄養素の補充、腸内環境の改善、デトックスなどの有用性が示されています。そのような項目をさらに最適化されたい場合、エピクロックテストの結果が返って来た後に、ご希望により適した検査を追加し、さらに最適化をしていきます。もちろん、追加検査などをご希望されない場合は、追加の検査は必要ありません。以下には、アンチエイジングに関する項目についてお話いたします。

1. 血糖値の安定化:インスリン抵抗性とエピジェネティクス

血糖コントロール(血糖値を安定に保つこと)は老化スピードを左右する重要な要素です。近年、肥満やインスリン抵抗性(高インスリン状態)がエピジェネティック年齢の加速と関連することが明らかになってきました。つまり、血糖値の乱高下や慢性的な高血糖は、遺伝子の老化時計を進めてしまう恐れがあるのです。フィンランドの双子コホートを用いた研究では、BMI(体格指数)やインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)が高い人ほど、DNAメチル化にもとづく生物学的年齢が実年齢より加速していることが報告されました​。一卵性双生児で片方だけ太っている場合、太っている方がやせている方よりエピジェネティック年齢が平均5.2か月分高かったという結果もあります​(論文)。さらに、インスリン抵抗性を示すHOMA-IRの上昇量に応じて、生物学的年齢が加速する(HOMA-IRが高いと約0.45歳分老化が進む)という解析もなされています​。著者らは「肥満やインスリン抵抗性が老化を加速させ、その一因としてエピジェネティックな変化が関与している可能性が高い」と指摘しています​。

これは裏を返せば、血糖値を安定させインスリン感受性を改善する生活習慣(例えば低GI食品中心の食事や適度な運動、減量)が、エピジェネティック年齢の上昇を食い止める一助になる可能性があります。

インスリン抵抗性の上昇と生物学的年齢の関係

ポイント: 急激に血糖を上げるような砂糖たっぷりの菓子・清涼飲料の過剰摂取を控えましょう。食物繊維や良質なたんぱく質を組み合わせて食べると血糖値の急上昇を防げます。また、空腹時血糖やHbA1cが高めの方は早めに生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関で指導を受けてください。血糖コントロールの改善はエピジェネティックな老化ブレーキにも繋がります​

推奨される検査:血糖値の推移をみるために、フリースタイルリブレはとても活用できます。自分で自分の血糖値をみることができるので、意識的に血糖値の急上昇を防ぐことができます。

また、インスリン抵抗性に関わる栄養素として、亜鉛やクロムがあります。オリゴスキャン検査により体内のレベルを推定することができます。

2. 栄養素の補充:ビタミンD・オメガ3・ポリフェノールの影響

食事から摂るのが理想とはいえ、現代の食生活では不足しがちな必須栄養素もあります。中でもビタミンDとオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)はアンチエイジング効果が注目されており、不足時にはサプリメントでの補充が推奨される場合があります。これらの栄養素がエピジェネティックに及ぼす影響についても興味深いデータが蓄積しています。

まずビタミンDです。ビタミンDは骨の健康だけでなく免疫調節や炎症抑制にも関与するホルモン様ビタミンですが、近年ビタミンD不足がエピジェネティック年齢の上昇と関連する可能性が示唆されました。ベルリン老年研究(BASE-II)の解析によると、ビタミンD欠乏状態にあった高齢者がビタミンDサプリメントを開始し血中濃度を改善したところ、開始しなかった人に比べてエピジェネティック年齢の加速が抑えられたのです​(論文)。研究者は「ビタミンDサプリ摂取はビタミンD欠乏者のエピジェネティック老化を緩和する可能性がある」と結論づけています​。

次にオメガ3脂肪酸です。魚油に含まれるEPAやDHAは抗炎症作用を持ち、心血管疾患リスク低減などに役立つことで知られますが、エピジェネティックな老化にも効果を発揮する可能性があります。ヨーロッパで行われたDO-HEALTHという大規模臨床試験では、70歳以上の高齢者777名を対象に3年間、ビタミンD(2000IU/日)・オメガ3(1g/日)・簡易自宅トレーニングの組み合わせ効果を調べました​(論文)。そのデータ解析の結果、オメガ3脂肪酸1日1gを摂取した群では、摂取していない群に比べエピジェネティック時計による生物学的老化が有意に遅いことが判明しました​。さらにビタミンD・オメガ3・運動の3つ全てを組み合わせた場合に、特定の老化指標で最も顕著なアンチエイジング効果が認められました​。また、ポリフェノール(レスベラトロール、ケルセチンなど)やその他のビタミン・ミネラルもエピジェネティック制御に関与します。たとえばビタミンCやビタミンEの摂取が特定のDNAメチル化に影響を与えるという報告や​(論文)、緑茶由来のカテキンが炎症関連遺伝子のメチル化を変化させるという知見もあります​(論文)。総合的に、必要な栄養素を不足させないことが遺伝子の健全な働きを守り、老化スピードを抑えることに繋がると考えられます。

ポイント: 食事だけで補いきれない栄養素はサプリメントの活用も検討しましょう。特にビタミンDは血中濃度を測定し、不足していれば医師の指導のもと適切量を補充すると安心です。魚をあまり食べない方はオメガ3製剤を取り入れても良いでしょう。ポリフェノール豊富なプロポリスや緑茶エキス、マルチビタミン剤なども状況に応じて活用し、体内のエピジェネティックな環境を整えることが大切です​。

推奨される検査:ビタミンDの不足は、血液検査でわかります。これからの世の中、ビタミンD血中濃度は上げておくことが推奨されます。

生物学的年齢と栄養素の関係

3. 腸内環境の改善:腸内細菌とエピジェネティクスの関係

「腸内環境は全身の健康を映す鏡」とも言われますが、そのメカニズムの一端にエピジェネティクスが関与しています。腸内細菌が発酵により産生する短鎖脂肪酸(酪酸など)は、腸から吸収され全身を巡り、私たちの細胞の遺伝子発現に影響を与えます。例えば酪酸にはヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害する作用があり、結果としてヒストンのアセチル化を増やし遺伝子発現を調節します​(論文)。こうした作用により腸内細菌叢は宿主(人)のエピジェネティックなプログラミングを左右し得ることが示されています​。

さらに、腸内環境の乱れ(ディスバイオシス)とエピジェネティック老化との関連を調べた研究もあります。ある解析では、運動習慣のある中高年者を対象に腸内細菌の多様性(エントロピー)とエピジェネティック年齢の関係を評価しました。その結果、腸内細菌叢の多様性が極端に高い(混乱した)場合にエピジェネティック年齢の加速と健康状態の悪化が関連した一方で、抗炎症作用を持つ特定の有用菌が豊富な人ではエピジェネティック老化が遅く、体力レベルも高い傾向が見られました​。つまり「腸内フローラの構成如何で老化の進み方が変わりうる」ことを示唆する興味深い所見です。腸内環境を整えることは、こうした有益物質の産生を促し有害物質を減らすことで、遺伝子の良好なスイッチングに貢献します。

ポイント: 腸内環境改善の基本は食物繊維発酵食品です。野菜・海藻・豆類などをしっかり摂り、ヨーグルトや味噌・納豆などの発酵食品を日々の食事に取り入れましょう。必要に応じてプロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)のサプリメントを使うのも有効です。

推奨される検査:当院では腸内フローラ検査に関しては、ご希望の方にはGIMAP検査を行うことが多いです。GIMAP検査で自分の腸内フローラを把握し、多様性を整えていくことを提案しています。腸を整えることは全身の炎症レベルを下げ、ひいてはエピジェネティック老化の抑制に繋がります​。

腸内フローラと生物学的年齢の関係

4. デトックス:有害金属・毒素の排出と老化への影響

最後にデトックス(解毒)の観点です。現代社会では大気汚染物質、食品添加物、重金属(鉛・水銀・カドミウムなど)といった様々な環境要因に晒されています。これらの有害物質の蓄積は酸化ストレスや慢性炎症を引き起こし、エピジェネティックな機構に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

特に重金属曝露と老化については、近年大規模な疫学研究で明確なデータが示されました。米国NHANESの50歳以上の成人2201名を分析した研究によれば、血中の鉛やカドミウム濃度が高い人ほど複数のエピジェネティック時計で測定した生物学的年齢が実年齢より加速していることが判明しました​(論文)。具体的には、鉛・カドミウム濃度の上位25%群でエピジェネティック年齢加速が顕著で、統計的にも有意な関連が得られています​。また、喫煙や大気汚染などの化学物質曝露もDNAメチル化パターンの乱れと老化促進に直結します​。これら有害物質は遺伝子に直接ダメージを与えるだけでなく、エピジェネティックな調節異常を通じて長期的な悪影響を及ぼします。

したがって、有害金属や毒素を体内に溜め込まない工夫がアンチエイジングには欠かせません。具体的には、必要に応じてキレーション療法(体内の重金属を排出する点滴療法)を受けたり、肝機能を高めるサプリ(グルタチオンやハーブ等)の活用、良質な水分補給・発汗習慣で体内の毒素排出を促すといった方法があります。もちろん禁煙は必須ですし、工場地帯でのジョギングを避ける、農薬の少ない食品を選ぶなど生活環境にも注意を払いましょう。こうしたデトックス的アプローチは、結果的にエピジェネティックな老化リスクを減らすことに繋がります。

ポイント: 身の回りの化学物質に目を向け、可能な範囲で曝露を減らす工夫をしましょう。水銀を含む大きな魚の過剰摂取は避ける、古い住宅にお住まいなら鉛塗料や水道管に注意するなども有効です。サプリメントでは抗酸化作用の強いビタミンCやNAC(N-アセチルシステイン)などが解毒をサポートします。当院では毛髪ミネラル検査や尿中の重金属検査、オリゴスキャン検査なども行っており、結果に応じてキレーション点滴など専門的なデトックス治療をご提供できます。体内の“毒抜き”を図ることは、安全運転で言うところのブレーキをきちんと整備するようなもの——老化のスピードコントロールに寄与すると言えるでしょう​。

デトックスと生物学的年齢

まとめ:エピクロックテストを活用したパーソナライズド健康提案

このように、エピジェネティック検査の結果を出発点として、「科学的エビデンス+オーダーメイド」の健康プランを提案するため、各種の栄養療法・点滴療法を組み合わせ、患者様一人ひとりの老化リスクプロファイルに沿った総合的なサポートを行います。もちろん、エピクロックテストのみを行い、生活習慣を改善させることのみのご提案も可能です。

当院ではエピクロックテストをはじめ各種最新の検査と、分子栄養学に基づく個別カウンセリングで、あなたの体の現在地と目標への道筋を示します。ただ長生きするのではなく、「元気に若々しく歳を重ねる」ためのお手伝いさせていただきます。

「最近なんとなく老け込んできたかも」「将来の病気リスクを減らしたい」と感じたら、エピクロックテストを考慮に入れてみてください。できることから一緒に取り組んでみませんか?科学的根拠に裏付けされたアプローチで、納得しながら楽しく続けられるアンチエイジングプランを提案いたします。

健康プランのご提案

価格

エピクロックテスト
(検査結果説明付き)
88,000円(税込)

ご予約

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最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

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