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分子栄養学

百草丸は危険なのか?~一般的なリスクと副腎疲労への影響~

表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。

胃腸の不調を改善するために古くから用いられてきた百草丸は、当院も多くの方にすすめておりますが、その安全性について疑問を持たれる方もいらっしゃいます。今回は、百草丸の一般的な効果やリスク、そして副腎疲労との関係についてお話ししたいと思います。

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百草丸とは

百草丸は、胃腸の不調を改善するための伝統的な生薬製剤です。主に健胃・整腸・粘膜修復の効果を持ち、長野県製薬が製造する「御岳百草丸」や日野製薬の「日野百草丸」などが代表的な製品として知られています。

いくつかの生薬を主成分としており、これらの成分が組み合わさることで、胃腸の機能を高め、整腸や消炎作用を発揮します。近年では、これらの生薬成分が持つストレス緩和作用や自律神経調整作用にも注目が集まっています。

百草丸の成分

百草丸は、以下のような生薬を主成分としています。それぞれの生薬が持つ特性が組み合わさり、胃腸の不調を改善します。

オウバク(黄柏):主成分であるオウバクエキスは、ミカン科のキハダの樹皮から抽出されます。苦味健胃薬として胃腸の機能を高め、整腸や消炎作用もあります。
ゲンノショウコ(現之証拠):止瀉(下痢止め)や整腸作用を持つ生薬で、腸の炎症を抑えます。
ビャクジュツ(白朮):胃腸の弱い人の消化機能を整え、腹部膨満感や下痢に効果的です。
センブリ(当薬):強い苦味を持つ生薬で、胃液分泌を促進し、消化不良を改善します。
コウボク(厚朴):胃の痛みを鎮め、消化管の働きを助けます。
エンゴサク(延胡索):粘膜修復作用があり、胃粘膜の保護や修復を促します。

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百草丸の一般的なリスクと注意点

百草丸は自然由来の生薬製剤であることから、比較的安全性が高いと考えられています。しかし、いくつかの注意すべき点があります。

まず、副作用の可能性について説明いたします。自然由来の成分とはいえ、百草丸にも副作用のリスクがあります。主な副作用として、胃部不快感や吐き気、下痢、便秘などの消化器系の不調が報告されています。また、発疹や発赤、かゆみなどのアレルギー反応が現れることもあります。これらの症状が出現した場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談することが重要です。

次に、他の薬との飲み合わせの問題があります。百草丸は他の薬との相互作用に注意が必要です。特に類似の胃腸薬や漢方薬との併用は、成分が重複することで効果が強まりすぎたり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。

さらに、過剰摂取のリスクについても触れておく必要があります。百草丸は1回の服用量が成人で20粒と多めに設定されていますが、これは決して安全性が高いということではありません。用法・用量を守らずに過剰に摂取すると、胃腸への過度な刺激による不快感や下痢、生薬成分の過剰摂取による体調不良などのリスクが高まります。

副腎疲労について

ここで、百草丸が良く使われる場面でもある、副腎疲労について簡単に説明させていただきます。副腎疲労は、慢性的なストレスや過労によって副腎が疲弊し、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が乱れる状態を指します。副腎疲労について、詳しくはこちらをご参照ください。

副腎疲労は一般的に三つの段階で進行します。最初の「警告期」では、ストレスに対して過剰にコルチゾールが分泌され、不安や緊張が強く、不眠になりやすい状態となります。次の「抵抗期」では、コルチゾールの分泌が一見安定しているように見えますが、実は副腎に大きな負担がかかっている状態です。最後の「疲弊期」では、副腎が疲れ果て、コルチゾールの分泌が著しく低下します。

副腎疲労では、様々な症状が現れます。慢性的な疲労感やだるさ、めまい、低血圧などの全身症状に加え、不安感やイライラ、集中力低下などの精神的な症状も現れます。また、胃腸の不調や消化不良、食欲不振なども common な症状です。さらに、寝つきが悪い、熟睡できない、朝起きられないといった睡眠の問題も多く見られます。

副腎疲労に対する百草丸

百草丸には、副腎疲労に対して一定の役割が期待できる面があります。主成分のオウバクやコウボクには、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を調整する作用があるとされています。また、胃腸の働きを整える作用は、副腎疲労に伴う消化器症状の改善に役立つ可能性があります。

特に、胃腸の不調が強い方の場合、百草丸の整腸作用や粘膜修復作用が症状の緩和に寄与することがあります。また、ストレス緩和作用を持つ生薬成分は、自律神経の乱れを整える効果も期待できます。

副腎疲労時の百草丸使用におけるデメリット

しかしながら、副腎疲労がある方が百草丸を使用する際には、特に注意が必要な点がいくつかあります。

まず、コルチゾール分泌への影響について説明いたします。副腎疲労の「疲弊期」に入っている場合、すでにコルチゾールの分泌が低下している状態にあります。このような状態で百草丸を使用すると、さらにコルチゾールが抑制され、疲労感や倦怠感が増す可能性があります。また、コルチゾールは血糖値の調整にも重要な役割を果たしているため、その分泌が過度に抑制されると低血糖のリスクも高まります。低血糖についてはこちらもご参照ください。つまり、かなり疲労が強い場合には、さらに悪化させてしまう可能性があるということになります。

次に、胃腸への影響について考える必要があります。副腎疲労の症状として胃腸が弱っている場合、百草丸の使用には特に注意が必要です。百草丸に含まれる苦味成分は胃酸分泌を促進する作用があり、これが胃酸過多や胃の不快感を引き起こす可能性があります。また、副腎疲労に伴う過敏性腸症候群などの症状がある場合、百草丸の整腸作用が逆に刺激となって、下痢や腹痛が悪化することもあります。

長期使用による影響も考慮する必要があります。百草丸を長期間使用することで、生薬成分への耐性が形成されたり、副腎機能がさらに低下したりする可能性があります。1ヶ月服用してみても改善しないようなら一度中止も考えてもいいでしょう。

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副腎疲労改善のための総合的アプローチ

副腎疲労の改善には、総合的なアプローチが必要です。十分な睡眠時間の確保や規則正しい生活リズムの維持、適度な運動習慣の確立など、生活習慣の見直しが重要です。また、バランスの良い食事を心がけ、特にビタミンB群や良質なタンパク質を十分に摂取することも大切です。

運動療法としては、ゆっくりとした有酸素運動やストレッチング、呼吸法の練習なども効果的です。これらの基本的な対策を着実に行いながら、必要に応じて百草丸を補助的に使用することをお勧めします。より百草丸を効果的に使うためには、唾液コルチゾール検査を行い、ピンポイントにコルチゾールが過剰になっているポイントに使用することが望ましいです。

安全に使用するために

百草丸を安全に使用するためには、まず、用法・用量を必ず守り、説明書に記載された服用量を超えないようにしましょう。保存方法にも気を配り、湿気の多い場所や直射日光を避け、涼しい場所に保管することが大切です。

また、1か月以上服用しても症状が改善しない場合は、服用を中止して医師に相談することをお勧めします。特に副腎疲労がある方は、漫然と服用を続けることは避けましょう。

まとめ

百草丸は、適切に使用すれば比較的安全性の高い薬です。しかし、副作用のリスクや他の薬との相互作用、過剰摂取のリスクなど、注意すべき点もあります。特に副腎疲労がある方は、コルチゾール分泌への影響や胃腸への過剰な刺激に注意が必要です。

副腎疲労の改善には、生活習慣の見直しや適切な運動、栄養管理など、総合的なアプローチが必要です。百草丸は補助的な役割として使用し、根本的な原因への対処を怠らないようにしましょう。

何か不安な点がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。また、体調の変化には十分注意を払い、異常を感じた場合は直ちに使用を中止することが重要です。

当院では、副腎疲労については栄養外来で診療をしています。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

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