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分子栄養学

マイクロプラスチック問題と人体への影響|今すぐ始める効果的対策

表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。

近年、環境汚染としてだけでなく、健康問題としても注目されているのが「マイクロプラスチック」です。目に見えないほど小さなプラスチック片が、私たちの食べ物や飲み物に含まれ、空気中にも漂い、知らず知らずのうちに体内に蓄積していることが明らかになってきました。

今回は、このマイクロプラスチックについて、人体への影響と対策法をお話ししたいと思います。

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マイクロプラスチック:人体への影響と対策

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下(鉛筆の消しゴム程度の大きさ)の非常に小さなプラスチック片を指します。その多くは肉眼では確認できないほど微小です。さらに1マイクロメートル(0.001ミリ)より小さいものは「ナノプラスチック」と呼ばれ、細胞膜を通過する可能性もあるため、より高い健康リスクが懸念されています(論文)。

マイクロプラスチックの発生源は大きく一次源二次源に分類できます。

一次マイクロプラスチックは、初めから微小サイズに製造されたもので、洗顔料などに含まれていたマイクロビーズや工業用樹脂ペレットなどが該当します。現在では環境規制により多くの国でマイクロビーズの使用は禁止されていますが、過去に使用された製品から環境中に残存しています。

二次マイクロプラスチックは、大きなプラスチック製品が劣化・破砕して生じた微粒子です。例えば、ペットボトルやビニール包装が太陽光や波で細片化したもの、合成繊維の衣類を洗濯した際に出る繊維片、車のタイヤ摩耗粉などが含まれます。これらが日常生活での主なマイクロプラスチック汚染源となっています。

こうした粒子は下水や河川を経て海洋に流出するほか、大気中を長距離運搬されるため、地球上のあらゆる環境でマイクロプラスチックの存在が確認されています。残念ながら、人間はこの汚染された空気や水、食品を通じて日常的にマイクロプラスチックに曝露しており、もはや人体内部からもプラスチック粒子が検出される段階に来ています(ニュース)。

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックの人体への影響

最新の研究により、微小なプラスチック粒子が血流や臓器に入り込み、脳、肺、肝臓、腎臓、脾臓、胃、さらには胎盤など体内の様々な部位に蓄積し得ることが示されています。こうしたマイクロプラスチックの全身分布が明らかになるにつれ、その健康影響への懸念が高まっています。

マイクロプラスチックが人体に与える影響については、現在研究途上で不明な点も多いですが、動物実験や細胞実験の知見から、消化器系、免疫系、神経系、内分泌系など複数の生体システムへの悪影響が示唆されています。

マイクロプラスチックの人体への影響

1. 消化器系への影響

人が食品や水とともに摂取したマイクロプラスチックは、まず消化管に到達します。微細な粒子が腸粘膜を刺激し炎症を引き起こす可能性が指摘されています。実際、培養細胞を用いた研究では、ナノサイズのプラスチック粒子が腸の粘液層に強く付着し、腸上皮細胞の活力低下やアポトーシス(細胞死)を誘導することが観察されました(論文)。

また、マイクロプラスチック摂取により腸内細菌叢(マイクロバイオータ)のバランスが乱れたり、有益菌が減少する可能性も報告されています。腸内環境の乱れは消化・吸収の障害のみならず全身の免疫や代謝にも影響を及ぼすため懸念材料です。

近年の臨床研究では、炎症性腸疾患(IBD)患者の糞便中に含まれるマイクロプラスチック量は、健康対照者に比べ有意に多かったとの報告もあります(論文)。もっとも大半の摂取粒子は消化管を通過し糞便中に排泄されると考えられますが、一部の微小粒子(特に20µm以下)は腸粘膜から吸収されて血流に入り込み、体内組織へ蓄積する可能性があります。

2. 免疫系への影響

体内に侵入したマイクロプラスチックは、異物として免疫系によって捕捉・認識されます。マクロファージなどの免疫細胞がプラスチック粒子を貪食すると、その刺激によってサイトカインが放出され炎症反応が誘発されます(論文)。プラスチック粒子は生体内で分解されにくく蓄積しやすいため、慢性的な炎症亢進や免疫応答の攪乱が懸念されます。

研究では、マイクロプラスチックへの継続曝露により免疫細胞の過敏反応(アレルギー様反応)や自己免疫的な応答が引き起こされる可能性が示唆されています。実際、動物実験において長期間プラスチック粒子を摂取させた場合、慢性炎症や免疫調節異常が生じ、酸化ストレスの増大や免疫関連遺伝子の発現変化が確認されています(論文)。

ヒトへの直接的な影響データは限られますが、例えば肺に吸入されたプラスチック微粒子は肺組織で線維化や肉芽腫形成を誘導しうることが知られており、これは免疫系が異物を隔離しようとする反応の結果です。このように、マイクロプラスチックは生体に持続的な低度炎症状態をもたらし、免疫バランスを崩すリスクがあると考えられています。

マイクロプラスチックの身体への影響

3. 神経系への影響

マイクロプラスチックの中でもナノプラスチックサイズ(1µm以下)の粒子は血液脳関門を通過しうることが懸念されています。マウスを用いた研究では、微小なポリスチレン製ナノ粒子を経口投与した際に、一部が血流から脳組織内へ移行し、脳内免疫細胞であるミクログリアの活性化を引き起こしたとの報告があります(論文)。

これはナノプラスチックが脳に炎症反応(神経炎症)を誘発する可能性を示唆しており、長期的には神経細胞へのダメージや神経変性疾患への影響が懸念されます。また魚類の実験では、マイクロプラスチック曝露により脳内の酸化ストレス増大やアセチルコリンエステラーゼ活性の変化(神経伝達への影響)が確認され、行動異常や成長阻害が生じた例も報告されています。

ヒトにおいても、プラスチック粒子が脳や神経系に与える影響として、酸化ストレスによるニューロン障害、神経炎症の惹起、さらには認知機能への影響が懸念されていますが、現時点では明確な疫学的知見は乏しい状況です。

4. 内分泌系への影響

プラスチック由来の影響で特に懸念されるのがホルモン撹乱作用(内分泌かく乱)です。マイクロプラスチックそのものは高分子ポリマーですが、構成する素材や添加剤の中には内分泌攪乱物質(EDCs)が多数含まれます。

例えばプラスチック製品に広く使われてきたビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステル類は、体内でエストロゲン様作用を示す代表的な内分泌かく乱化学物質であり、プラスチックから環境中・食品中に溶出して人に摂取されるとホルモンバランスを乱すことが証明されています(論文)。

マイクロプラスチックはこれらの化学物質を吸着・運搬する「トロイの木馬」として働く可能性があり、体内に取り込まれた微小粒子から徐々に添加剤が放出され、局所的に高濃度曝露を引き起こす懸念があります。その結果、本来のホルモン受容体に化学物質が結合して擬似的なホルモン作用を及ぼす、あるいは正常な内分泌シグナルを阻害するといった作用が生じうるのです(論文)。

具体的な健康影響として指摘されているのは、生殖機能への悪影響です。微小プラスチック粒子はヒトの胎盤や母乳、精巣組織からも検出されており、これが不妊症や出生前後の発育への影響に関与する可能性があると懸念されます。

また女性においても、プラスチック由来の擬似エストロゲン曝露がエストロゲン優勢(高エストロゲン状態)を招き月経不順や子宮内膜症のリスクを高める可能性が指摘されています。内分泌攪乱物質への長期曝露は、ホルモン関連癌(乳癌、前立腺癌など)や甲状腺機能異常、糖尿病や肥満などの代謝異常とも関連づけられており(論文)、マイクロプラスチックを介した慢性的な低濃度曝露にも注意が必要です。

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セルフチェックテスト

マイクロプラスチック曝露度のセルフチェックリストを作成しました。下記のボタンをクリックすると、あなたの日常生活でのマイクロプラスチック曝露度をチェックできます。

セルフチェックを行いたい場合はクリックしてください。
マイクロプラスチック曝露度セルフチェック

マイクロプラスチック曝露度セルフチェック

1. ペットボトル入りの飲料水をどのくらいの頻度で飲みますか?

2. プラスチック容器で電子レンジ加熱することがありますか?

3. 合成繊維(ポリエステル、ナイロンなど)の衣類をどのくらい着用しますか?

4. 魚介類(特に貝類や小魚)をどのくらいの頻度で食べますか?

5. 交通量の多い道路や工場の近くに住んでいますか?

6. 水道水をろ過せずに飲んでいますか?

7. 加工食品(レトルト食品・コンビニ食品など)をどのくらい食べますか?

8. ツヤ出し・防水加工・ノンスティック加工のある製品をどのくらい使用していますか?

9. 掃除機かけをどのくらいの頻度で行いますか?

10. 食物繊維の多い食品(野菜・果物・全粒穀物など)をどのくらい摂取していますか?

結果を見るには全ての選択肢に答えてください

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分子栄養学的観点からの解毒・排出方法

マイクロプラスチック汚染に晒される現代において、人体への蓄積を最小化し影響を軽減するために、解毒(デトックス)と排出の促進が注目されています。分子栄養学や機能性医学の分野では、栄養素や生体機能を最適化することで体内の有害物質を解毒・排泄するアプローチが提唱されています。デトックスに関しましては、こちらもご参照ください。

1. 食事によるデトックス

高繊維食: 食物繊維は腸管内で種々の毒素を吸着し、便とともに排出させる作用を持つため、マイクロプラスチック対策としても有用と考えられます(論文)。可溶性・不溶性双方の繊維を豊富に含む野菜、海藻、全粒穀物、豆類などを積極的に摂取することで、腸内で微小粒子を絡め取り排泄を促す効果が期待されます。

また、繊維質は腸内の善玉菌のエサ(プレバイオティクス)となり腸内環境を改善するため、プラスチックによる腸内フローラ攪乱の緩和にも繋がります。タマネギ、バナナ、アスパラガスなど繊維質が豊富な食品を摂ることで腸内の「善玉菌」を増やし、有害物質からの防御力を高めることができます。

抗酸化物質の摂取: マイクロプラスチック曝露に伴って生じる酸化ストレス(活性酸素種の増加)は、細胞膜やDNAを傷つけ様々な疾患リスクを高めます。これに対抗するため、抗酸化作用の高い栄養素を十分に摂取することが重要です。

具体的には、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノール類、カロテノイドなどを豊富に含む食品(緑黄色野菜、ベリー類、緑茶など)を日常的に取り入れるとよいでしょう。これらの抗酸化成分は体内のフリーラジカルを中和し、プラスチック由来の有害影響から細胞を保護する働きがあると考えられます。

発酵食品の活用: キムチ、ザワークラウト(発酵キャベツ)などの発酵食品にはプロバイオティクス(乳酸菌など有益菌)が豊富に含まれます。これらを食事に取り入れることで腸内フローラを良好に保ち、腸粘膜のバリア機能を強化する効果が期待できます。

マイクロプラスチックは腸内細菌叢を乱す可能性があるため、発酵食品で有用菌を補給し腸内の防御力を高めることは、間接的にプラスチック影響の軽減に繋がります。

抗炎症作用のある食品: 慢性炎症を抑える食事も有用です。例えばオメガ3脂肪酸(EPA/DHA)は抗炎症作用を持ち、マイクロプラスチックによる炎症反応を緩和し得ます。亜麻仁やチアシード、クルミ、青魚(サバ・イワシ等)に含まれるオメガ3を摂取することで、体内の炎症性経路を抑制できます。

一方でオメガ6過多の食用油や加工食品、糖分過多の食事は炎症を助長し得るため、控えめにすることが望ましいでしょう。

食事によるデトックス

2. サプリメントの活用

グルタチオン (Glutathione): グルタチオンは体内でも合成される強力な抗酸化剤かつ解毒補助因子であり、「マスター抗酸化物質」とも称されます。肝臓での解毒反応(第II相反応)に関与し、重金属や有機汚染物質の排出を助けます。

マイクロプラスチックによる酸化ストレスや有害化学物質に対抗するため、グルタチオンを補給・増強することは理にかなっています。経口サプリメントでは吸収の良いリポソーム化グルタチオンなどが利用可能であり、有害物質を無毒化して水溶性に変換し、尿や胆汁へ排泄する役割を担います(デトックスの項を参照)。

なおグルタチオンの材料となるN-アセチルシステイン(NAC)やメチオニンなどのアミノ酸も、体内合成を助けるため有用な補助サプリと言えるでしょう。

吸着剤(バインダー): 体内(特に消化管内)でマイクロプラスチックやその吸着した毒素を絡め取り、吸収を防いで排泄させるサプリメントが検討されています。その代表が活性炭(アクティベーテッドチャコール)です。

活性炭は多孔質で表面積が大きく、様々な化学物質を吸着する性質があります。動物実験では、活性炭を投与することで腸管内のマイクロプラスチックを吸着し体内への移行を減らせる可能性が示唆されています(論文)。

実際に機能性医学の専門家らは、食事と離れたタイミングで活性炭を短期集中的に摂取するデトックス法を提案しています。ただし活性炭は栄養素も吸着してしまうため常用は避け、他の食品・サプリと時間をずらして服用することが重要です。

もう一つの注目素材がゼオライトです。ゼオライト(クリノプチロライトなど)は火山灰由来のミネラルからなる多孔質素材で、イオン交換能と吸着能を持ちます。サプリメント用に精製・粉砕されたゼオライトは腸内で重金属やアンモニア、一部の有機毒素を交換吸着し体外へ排出させる効果が報告されています(論文)。

この他、ベントナイト粘土ケイ酸塩も吸着剤として取り上げられることがあります。機能性医学の分野では、活性炭・ゼオライト・ベントナイトなどを組み合わせて体内デトックスを図るプログラムが提唱されています。

ビタミン・ミネラル補給: 解毒を円滑に進めるには各種補酵素となるビタミンB群、抗酸化に関与するビタミンC・E、そして肝臓の解毒酵素を助ける微量元素(セレン、亜鉛、銅、マンガン、鉄など)も不可欠です。不足があると解毒反応が滞り、逆に毒性が増す可能性もあるため、バランスの良いマルチビタミンミネラルの摂取や、必要に応じた血液検査による栄養評価が推奨されます。

マイクロプラスチックのサプリメントの活用

3. 腸内フローラの改善

先述の通り、マイクロプラスチックは腸内細菌叢(マイクロバイオーム)に悪影響を与える可能性があります。そこで、プロバイオティクス(有用菌)やプレバイオティクス(有用菌のエサとなる繊維質)の活用によって、健全な腸内フローラを維持・再構築することが有効な戦略となります。

プロバイオティクスの摂取: サプリメントや発酵食品から乳酸菌・ビフィズス菌などのプロバイオティクスを取り入れると、腸内バリア機能が強化され、有害物質の侵入を防ぎやすくなります。動物研究では、乳酸菌投与が腸粘膜のタイトジャンクション(細胞間結合)を増強し、毒素の透過を抑えたとの報告もあり、マイクロプラスチックに対しても同様のバリア強化効果が期待されます(論文)。

プレバイオティクスの摂取: 食物繊維やオリゴ糖(イヌリン、フラクトオリゴ糖など)はプレバイオティクスとして腸内の善玉菌を増やします。特に多糖類の一種であるアルギン酸(海藻由来)は、近年マイクロプラスチックを吸着する素材としても研究されています。

また、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)も大腸で短鎖脂肪酸を産生し腸粘膜を健康に保つため、プレバイオティクス源として活用できます。これらを含む食品(ごぼう、にんにく、バナナ、オーツ麦、豆類等)を継続的に摂ることで、腸内フローラの多様性と安定性を高め、結果的に有害物質へのレジリエンス(抵抗力)を強化できます。

腸内フローラの改善

腸粘膜の保護: 腸内環境を整える一環で、L-グルタミンや亜鉛カルノシンといった腸粘膜修復サプリの利用も考えられます。L-グルタミンは腸粘膜細胞の主要エネルギー源で、粘膜の再生を促すアミノ酸です。亜鉛は細胞増殖に必須でタイトジャンクション維持にも関与します。

これらの補給により腸のバリアが堅牢になれば、微小な異物の侵入を物理的に防ぐことにつながります。また、プロバイオティクスの一部(例えば酪酸産生菌)は腸粘膜の粘液分泌を増やし、異物が上皮細胞に直接触れにくくする効果も期待できます。

GIMAP検査は、腸内フローラを調べるために有用です。GIMAPをみることで、腸をどのように修正するべきかどうかの治療判断となります。GIMAP検査についてはこちら

4. 肝臓・腎臓機能のサポート

肝臓と腎臓は体内の主要な解毒・排泄臓器です。肝臓は異物を代謝・無毒化し、胆汁や血流へ流す働きがあり、腎臓は血液中の不要物を尿中へ排出するフィルターの役割を担います。マイクロプラスチックによる負荷を軽減するには、これら臓器の機能を最適に保つことが肝要です。

肝機能を高める栄養素: 肝臓の解毒酵素系(シトクロムP450系や抱合反応)は多くのビタミン・ミネラルを補因子として必要とするため、前述のような栄養の充足が第一です。加えて、スルフォラファンなど肝臓の解毒酵素を誘導するフィトケミカルを含む食品が注目されます。

ブロッコリースプラウトやクレソン、キャベツなどアブラナ科野菜(十字野菜)にはグルコシノレートが含まれ、体内でスルフォラファン等に変換されます。これらは第II相解毒(グルタチオン抱合など)を促進し、エストロゲン過剰の是正にも役立つことが報告されています。

また、肝臓の抗酸化防御を高めるMilk Thistle(シリマリン)やαリポ酸といったサプリメントも肝機能サポートに使われることがあります。シリマリンは肝細胞を保護し再生を促す作用があり、慢性肝炎等の代替療法としても用いられます。

腎機能のサポート: 腎臓からの排泄を促すには十分な水分摂取と適度な利尿が重要です。水分をしっかり取ることで尿量が確保され、血中の不要物質が希釈・排出されやすくなります。1日あたり2リットル程度を目安に綺麗な水を飲む習慣が推奨されます。

ハーブでは利尿作用のあるダンデライオン(西洋タンポポ)やネトル茶などが腎臓のデトックスに用いられることもあります。また、汗をかくことも腎臓の負担軽減につながります。汗腺から一部の毒素(重金属やBPAなど)が排泄されることが研究で示されており、入浴やサウナによる発汗は総合的なデトックス戦略の一部として有用です。

肝臓・腎臓機能のサポート
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実践的な対策

1. マイクロプラスチック曝露を減らす方法

マイクロプラスチック問題に対処する最も根本的な方法は、体内に取り込むプラスチックの量を減らす(曝露低減)ことです。日常生活で今すぐ実践できる具体的な対策を以下に挙げます。

  • 食品の保存・調理: 食品や飲料は可能な限りガラス瓶やステンレス容器、陶器など非プラスチック容器で保存する。特に熱い食品や油分の多い食品はプラスチックから化学物質が溶出しやすいため、プラスチック容器での電子レンジ加熱や熱湯のプラ製ケトル使用は避ける(論文)。
  • 飲料水の管理: 水道水には微量ながらプラスチック繊維や粒子が混入している可能性があるため、浄水器やフィルターでろ過してから飲用する。市販の浄水ポットや逆浸透膜フィルターはマイクロプラスチック低減に有効です。硬度の高い水を沸騰させると炭酸カルシウムの析出が微粒子を封入するため、沸騰後に濾紙で濾すと最大90%程度のマイクロプラスチックを除去できるという研究報告もあります(情報)。
  • 屋内環境: 屋内のハウスダストには衣類や家具由来のプラスチック微繊維が多く含まれます。日常的に掃除機(できればHEPAフィルター搭載)で清掃し、埃の蓄積を防ぐ。空気清浄機を使用して大気中の微粒子を減らすのも有効です。
  • 日用品の見直し: 歯磨き粉や洗顔料などスクラブ入りの製品(マイクロビーズ)は現在ほぼ規制され市場から姿を消したが、海外製品などで残存している場合は避ける。衣類はポリエステルやナイロンなど合成繊維の洗濯でマイクロファイバーが排水に流出するため、洗濯ネットの使用や適切な洗濯方法で繊維の出を抑える工夫をしましょう。
  • 調理器具・食器: フッ素樹脂加工のフライパンは高温でコーティングが剥がれると微粒子化する可能性があるため、コーティングが劣化してきたら買い替えるか、ステンレス・ホーロー・鉄鍋などコーティング無しの調理器具を使う。プラスチック製のまな板やボウルも摩耗で細片が混入しうるため、木製やガラス製への置き換えを検討しましょう。

以上のような身近な対策の積み重ねで、日々のプラスチック曝露量を減らすことが健康リスク低減の第一歩となります(論文)。特に飲料水と食品容器は主要な曝露源のひとつであるため注意が必要です。

2. 科学的根拠に基づく解毒プログラム

ここで、上述した対策を組み合わせて体系化したデトックス(解毒)プログラムの例をご紹介します。現時点で「マイクロプラスチックを完全に体外から除去する確立された方法」は存在しませんが、プログラム例をお示しします。

  1. 曝露源の特定と遮断: まず自分の生活でのプラスチック曝露源を洗い出し、可能な限り断つ(上記のような容器・水・日用品の見直し)。デトックス期間中は特にペットボトル飲料やプラスチック包装食品を避け、調理もシンプルにして余計な汚染を増やさないよう心がけましょう。
  2. 腸内クレンジングフェーズ(1〜2週間): 食物繊維を普段以上にしっかり摂り、毎日規則的な排便を促す。必要に応じてサイリウムハスクや難消化性デキストリンなどの繊維サプリを追加してもよいでしょう。並行して、週に数日程度活性炭やベントナイトクレイ、ゼオライトなどの腸管バインダーを就寝前や起床時(食事と2時間以上ずらすタイミング)に服用し、腸内の不要物を吸着させます。この期間は発酵食品やプロバイオティクスサプリで腸内フローラを整えることも重視します。
  3. 栄養リプレニッシュ&肝機能促進フェーズ(2〜4週間): 解毒反応を円滑にするビタミン・ミネラルを積極補給するフェーズ。高品質のマルチビタミンや緑黄色野菜ジュース、スムージーなどで必要栄養素を満たします。特にビタミンCは1日1~2g程度まで分割摂取し抗酸化力を高めましょう。並行してグルタチオン補給を行います。肝臓の解毒を助けるハーブとして、朝晩にミルクシスル(シリマリン)サプリを摂取し、肝負担の大きいアルコールや油っこい食事を控えます。
  4. 発汗&排泄促進フェーズ(随時並行): 全期間を通じて、週2〜3回は有酸素運動や半身浴・サウナでしっかり汗をかく習慣を取り入れましょう。汗からは一部の化学物質(BPAや重金属)が排泄され得るため、発汗後はすみやかにシャワーで皮膚表面を洗い流します。また1日2リットル以上の水を飲み、尿量を十分に確保して腎臓からの排泄を促します。
  5. 長期的フォロー: プログラム終了後も、完全にリセットされたとは考えず、「新たに入れない・溜めない」ライフスタイルを継続することが大切です。デトックスで用いた良い習慣(繊維摂取や水分補給、発汗習慣など)はそのまま日常に取り入れ、プラスチック曝露を抑えつつ抗酸化物質や栄養を十分摂る食生活を続けましょう。

重要なのは、最新の研究では有望な対策が示唆されつつも確立された方法はまだ少ないという点です。したがって極端な断食や怪しげな商品に頼るのではなく、上述したような基本的かつ複合的アプローチをバランス良く実行することが現実的かつ安全な解毒法と言えるでしょう。

そして何より、マイクロプラスチック問題の本質的解決には環境中への放出そのものを減らす社会的取り組みが不可欠であり、個人の努力と社会全体の動きの双方でこの課題に臨む必要があります。

マイクロプラスチック解毒プログラム

まとめ

マイクロプラスチックは現代社会に広く存在し、私たちの体内にも蓄積されつつあります。

その健康影響としては、消化器系の炎症や腸内細菌叢の乱れ、免疫系への負荷や神経系への影響、さらに内分泌攪乱作用による健康リスクが懸念されています。

これらのリスクを軽減するため、分子栄養学的アプローチとして以下の対策が有効と考えられます:

  • 食物繊維や抗酸化物質の積極的摂取
  • グルタチオンなどの解毒補助栄養素の補給
  • 腸内フローラの改善(プロバイオティクス・プレバイオティクス)
  • 肝臓・腎臓機能のサポート
  • 発汗や水分摂取による排泄促進

また最も重要なのは、マイクロプラスチックの体内への取り込みを減らす予防策です。ガラス容器の使用、浄水器の活用、プラスチック製品の使用制限などの生活習慣改善が有効です。

当院では、マイクロプラスチック問題に対する栄養療法や解毒プログラムとして、腸内環境の改善やデトックスの関連から栄養療法で実践しております(診察、検査、治療ともに保険適応ではありません)。ご興味の方は、こちらをご参照ください。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

体質改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。基本的に、主治医と相談しながら進めていただければと思います。

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