Q.
35歳、女です。
現在の症状と、今までの治療内容や症状も念のためにお送りいたします。長文になりすみません。
20代の頃から機能性低血糖症(日中と夜間)とメンタルの不調(不安障害、抑うつ、不眠など)、
膣カンジダ、食事後の異常なおなかの張りやガスだまり感、右胸の下の背中に近い部分の痛み、
便秘と下痢をしょっちゅうする、などの症状があります。
メニエール病(歯のかみ合わせ治療後、現在症状は出ていません)、
胆のう腺筋腫症、多嚢胞性卵巣症候群による無月経があります
(サプリと食事療法により、2020年ごろから、周期が不安定ですが自力で生理がき始めました。)
2020年春、分子栄養学の本やブログを参考に、自己流で食事療法とサプリの摂取をスタートしました。
2022年6月~12月、分子栄養学のクリニックにて治療しました。
治療の1クールが終了したので、現在クリニックには通っていません。
2022年11月、お菓子など爆食したりしてしまった時にお尻のカンジダと思われる症状が出たため、
自己流で、ハーブサプリなどでカンジダ除去をスタート。
日中の低血糖の頻度が半減したり、PMSとPMDDが半減したことから、
腸カンジダやリーキーガット、SIBOなどを疑い始めました。
【現在の症状と、現在やっている対策】
・特定の食べ物を食べると、おなかが張る、おならやゲップが出る、
お腹が張ったりガスだまりが発生すると、必ず右胸の下らへんに痛みも出ます。
→SIBOやIBSを疑い、低FODOを可能な限り心掛けてますが、高fodo食品を食べたときに
症状出たら、ハーブサプリやスパイスをとっています。
・甘いもの、小麦粉、乳製品の摂取、糖質過多になると以下の症状が出ます。
夜間低血糖がひどくなる。おりものが増える、膀胱炎気味になる。目が充血したり目の奥がズキズキしたりする。
唇が荒れる、喉に鋭い痛みが出るなど粘膜に不調が出る。
微熱が出る。おしりのカンジダみたいな症状が出る。夜中に鼻の片方が詰まる。
甘いものや炭水化物を四六時中渇望してしまう。
→低糖質、小麦と乳製品の食品、砂糖は食べないようにしています。(が、時々誘惑に負けて食べてしまいます)
・常にお腹が空いていて、食べてもすぐにお腹が空いてしまいます。
カンジダ除去を始めてから現在、この空腹感が無い日は増えました。
ですが食事の際の消化酵素サプリを飲まなかった日や、
炭水化物をいつもより多くとってしまった日は、空腹感が出ます。
現在、カンジダ除去をハーブサプリとダイオフ対策用のサプリ、ボーンブロスなどでやっていますが
ダイオフが出る日もあり、ブレインフォグ、微熱、寒気、吐き気、喉の痛み、便秘や下痢があります。
低血糖症に関しては、日中の低血糖はかなり減っています。
完治とは言えませんが、生活に支障がないレベルまで減りました。
夜間の低血糖は現在も毎晩あります。
最近はお腹のハリやガス、右胸の下の奥の痛みが酷く
(排便すると痛みが消えます。消化酵素サプリでも消えることがあります。)
食べ物のアレルギーや腸の不調にかかわる検査と、治療を検討しています。
お問い合わせなどありましたらお書き下さい:
・治療の流れですが、治療は決まった期間が決まっていたり、1クールのようなくくりでしょうか?
治療のざっくりした流れを教えていただけますでしょうか。
・サプリが必要となった場合、医療用サプリの処方になりますでしょうか?
その場合、予算の関係で処方されるサプリ全てが購入が難しい場合は、
いくつかだけ、市販のサプリなどを併用することは可能でしょうか?
A.
お問い合わせいただき、ありがとうございます。症状に関して詳しくお知らせいただきましたが、お腹のハリやガス、右胸の下の奥の痛みなどが続くのは非常に辛い状況かと思います。腸内環境や消化機能が影響している可能性が高く、分子栄養学的アプローチが有効ですので、適切な治療を行うことで改善が期待できると思います。
1. 症状の根本原因としての腸内環境の乱れ
お腹の張りやガス、消化不良、そして右胸の下の痛みなどは、腸内環境の乱れ(SIBO(小腸内細菌過剰増殖症)やIBS(過敏性腸症候群))が原因である可能性が高いです。これらの症状は、消化不良によるガスの蓄積や食物の未消化物が腸に負担をかけていることから生じていると考えられます。食後に痛みが消えることからも、消化機能が深く関与していると推測されます。
2. カンジダ感染とリーキーガット症候群
膣やお尻のカンジダ症状、食事後のガスや膨満感、リーキーガット症候群の可能性についても述べられています。カンジダ菌の過剰増殖は、腸内のバランスを崩し、腸壁の透過性を高めてしまうことがあり、これがリーキーガットを引き起こします。リーキーガットは、食物アレルギーや免疫系の乱れに関与し、全身的な症状を悪化させる可能性があります。
3. 低血糖症の改善
低血糖症の症状についても触れられていますが、特に夜間低血糖が残っている点に注意が必要です。低血糖症は、食事中の炭水化物や糖質の過剰摂取によってインスリン分泌が過剰になることで引き起こされることが多く、頻回食や低GI食品の摂取が効果的です。また、コルチゾールの分泌が不安定であることが多く、副腎疲労が関与している可能性もあります。血糖値の安定化に加え、睡眠前の軽いタンパク質や脂質を含む補食が役立つ場合があります。
4. 分子栄養学的なアプローチ
分子栄養学では、腸内環境や副腎機能、血糖値の安定化を図ることで、根本的な症状の改善を目指します。以下のサポートが推奨されます:
- 腸内環境の改善:プロバイオティクスやプレバイオティクス、グルタミンや亜鉛などを摂取し、腸壁を修復することでリーキーガットの症状を軽減することが期待されます。
- 消化酵素の補充:消化酵素サプリメントを食事時に摂取することで、食物の消化をサポートし、ガスや膨満感を軽減できます。
- カンジダ除去:ハーブサプリメントによるカンジダ除去のプロトコルは有効ですが、ダイオフ反応(カンジダが死滅する際に生じる毒素反応)が強い場合は、徐々に進めることが重要です。抗酸化作用のあるグルタチオンのサポートも検討すべきです。
5. 治療の流れ
治療期間は個々の症状や体調に応じて異なりますが、一般的には次のような流れとなります:
- 血糖値や腸内環境の改善:1~2か月
- カンジダ除去:2か月
- デトックス:2か月
詳しくは当院のサイトをご参照ください(治療の流れ)。
6. サプリメントの処方について
当院では、患者様のご予算に応じて、市販サプリメントの併用も可能です。iHerbで購入できるものや、医療用サプリメントなど、必要に応じてご提案いたします。ご相談いただければ、必要な栄養素を優先的にお選びいたします。
もし初めての治療に不安がある場合は、総合カウンセリングをおすすめしております。治療方針や費用面についてのご相談もお受けしておりますので、まずはお気軽にカウンセリングをご予約ください(カウンセリング予約)。
どうぞご検討ください。
篠原
1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。