Web予約
メールでお問い合わせ

分子栄養学

ミトコンドリアを活性化する5ALAと食品

表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長 篠原です。

疲れていたり、体調不良の時に多いのは、エネルギーを作る工場であるミトコンドリアがうまく働いていない時です。

その場合、ミトコンドリアを働かせるために、ミトコンドリアの邪魔をする活性酸素を除去するなどの方法が有効です。

そんな中、5ALAは、ミトコンドリアを活性化や増殖させる物質として、注目されています。

今回は、5ALAがミトコンドリアを活性化する機序と応用、含まれている食品などをお話したいと思います。

公式LINEでは会員限定医療情報を配信しています。

公式LINEでは、体調不良などの症状の改善のヒントとなる情報を配信しています。また、随時お得なクーポンなども配布しております。是非公式LINEにご登録ください。

5ALAが注目されているわけ

最近、5ALAについての話題をよく耳にするようになりました。

どうして、話題になっているかということをみてみると、

・疲労が軽減

・睡眠の質が改善

・アスリートのパフォーマンスの向上

といったものが、報告されてきたからです。

特に、慢性疲労というものを改善しようとして、短絡的にカフェインなどを摂取して、さらに悪化させてしまうことは、よくあります。

研究では70人の被験者が、プラセボ群と5ALA群に分かれて、倦怠感のスケールをとると、5ALAを補給したグループで倦怠感が大幅に減少しました。

また、感情面では、怒りの感情が減りました(PMID 32994490)。

5ALAを摂取することで、まだ報告は少ないものの倦怠感を改善するなどの論文が出てきていることは、慢性的な症状に悩む方々へとても朗報なのではないかと思います。

5ALAとはミトコンドリアと密接に関連している

⁡ALAとは、私達の体を構成しているアミノ酸の一種です。

私達のエネルギーを作っているのは、ご存知のミトコンドリアです。

ミトコンドリアがうまく働かないと、エネルギー=ATPがうまく作られず、疲労をはじめ、いろいろな慢性疾患の原因になります。

ALAは、ミトコンドリアから作られて、ミトコンドリアの外に出てポルフィリンに変化して、また、ミトコンドリアに戻ってきて、プロトポルフィリンに変化します。

プロトポルフィリンに鉄がくっつくとヘムとなり、さらにグロビンとくっついてヘモグロビンとなって、酸素を運搬します。

また、ヘムは、ミトコンドリアの電子伝達系で働くのでATPを作るためにとても大切です。

ですので、ALAは、ミトコンドリアというエネルギーを作るところに、密接に関係しているとても重要な物質ということになります。

5ALAは17歳をピークに減少

5ALAのほとんどは、体内で作られています。

ミトコンドリアは成人で、毎日1~4g作られています。

ALAは水に溶けやすく、尿中には数mg排出されるので、合成されたALAのほとんどはすぐ代謝し、利用されていると考えられています。

それぐらい、体内で必要とされている、ということになります。

ところが、ミトコンドリアの潤滑油と呼ばれる5ALAは、17歳をピークにどんどんと減少してしまいます。

50歳になると、ピークの1/5程度に減少してしまうのです。

また、減少する原因として、

・不規則な生活
・睡眠不足
・喫煙
・運動不足

などが関連しています。

5ALAはミトコンドリアの潤滑油であるために減少してしまうと、疲労感が増す、老化などの症状がでてしまうことになります。

5ALAが含まれる食事⁡

5ALAは、人以外の生物でも合成されているので、私たちが摂取している食物からもALAを摂取しています。

ということは、減少してしまった5ALAを食事からとる、ということがまず考えられます。

食品100gあたりで多いのは、

日本酒 70-353μg
ワイン 110~173μg
黒酢 150μg
タコ 78.4μg
イカ 38.4μg
バナナ 31.6μg

があげられます(「機能性アミノ酸 5−アミノレブリン酸の科学と医学応用より」)。

ところが、すぐに代謝されて尿から失われる5ALAを補充するために食品からと考えると、

日本酒1L
タコ 2kg

⁡ぐらいを毎日摂取しないとならず、ちょっと現実的ではないです。

とすると、やはりサプリメントに頼ることが、現実的なのかもしれません。

内臓脂肪の危険性

人間では、脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪に蓄積します。

そのうち、内臓脂肪、糖尿病、高血圧、動脈硬化、副腎疲労などの原因となります。

内臓脂肪に溜まった脂肪組織からは、MCP-1という炎症性サイトカインを出すことになります。

MCP-1は、マクロファージを脂肪組織に呼び寄せ、TNFαなどの強力な炎症性サイトカインを作ります。

この結果、どんどんと慢性炎症を引き起こしてしまいます。

内臓脂肪についてのお話は、こちらを御覧ください。

ですので、体質改善のためには、いかに内臓脂肪を減らすかというところが課題となります。

また、さらに脂肪がたまると、異所性脂肪といって、例えば肝臓に脂肪が蓄積してしまうことにもなります。

5ALAにより、脂肪が燃焼する

東京大学の小倉教授らは、マウスに5ALAを投与すると電子伝達系で重要な酵素である、COX活性が上昇することを報告しました。

つまり、5ALAを投与することで、エネルギー代謝を活性化することを示唆しました。

エネルギー代謝が活性化すれば、抗加齢や肥満解消に有用ではないかと考えました。

この結果により、木戸教授らは、ラットを用いて、5ALAが肥満に対してどのように効くかを調べました。

その結果、5ALAを投与した群においては、内臓脂肪蓄積を抑制することを確認しました。

ラットの摂食量には影響を与えなかったので、エネルギー消費を増加させることによって、内臓脂肪蓄積を抑制したと考えられました。

そして、酸素消費量を検査することによって、この機序として、熱産生を増加させることによる、脂質代謝の促進が原因と考えられました。

UCP1という脱共役タンパクは、エネルギーを熱として発散する機能を持っています。

5ALAを投与すると、UCP1タンパク質が多く発現して、エネルギー代謝を亢進させていました。

肥満は、全世界的に問題であり、この問題に、5ALAは有用と考えられてきています。

眠くなる仕組みの鍵はメラトニンとセロトニン

私達が寝付くためには、メラトニンというホルモンが適切に分泌されないとなりません。

夜、暗くなるにつれて、メラトニンの分泌が徐々に増えて、そして、眠気を感じるようになります。

今の私達の生活では、夜、遅くまでスマホを見ていたり、テレビを見ていたりするため、なかなか、メラトニンが
生成されず、そのために不眠となっていることがあります。

また、メラトニンはセロトニンから生成されます。

ということは、セロトニンが十分に日中に増えていなければ、メラトニンが出ずに、なかなか眠れないということになります。

ちなみに、セロトニンは腸内環境が改善すると、良く出るようになります。

では、5ALAは睡眠に対してどうでしょうか?

5ALAは睡眠を改善させる

ヒトでの研究論文があります(International Journal ofClinical Medicine, 2013, 4)。

40才から70才までの40人の参加者を対象にした4ヶ月の試験です。

結果から言うと、5ALA 50mgを連日摂取したグループでは、睡眠が改善されました。

PIRS-20というスコアで睡眠を測りましたが(点数が低いほど、睡眠の質がいい)、その結果、5ALAを
服用した人たちは、服用している6週間は睡眠の質が良くなり、服用を中止すると元に戻りました。

どうして良くなったかというと、

①脳内のセロトニンレベルを上昇させた
②サーカディアンリズムを改善させた

⁡可能性が示唆されています。

裏付ける実験として、ネズミでは、5ALAの投与によって、脳内のセロトニンレベルが上昇したという実験があります。

もちろん、「睡眠に効果ある」、というためには、もっと試験をしないとなりませんが、睡眠に悩んでいる方は試してみてもいいかもしれませんね。

薄毛のメカニズム

男女問わず、頭の毛が薄くなることに対して、気にされる方は多いです。

薄毛は、一種の老化現象とも言えます。

髪の毛は、毛母細胞やメラトニンを作る細胞のミトコンドリア機能が弱まることによって、髪の毛がなかなか生えなくなるとも考えられています。

ミトコンドリア機能といえば、5ALAの出番です。

5ALAと鉄を一緒に皮膚に塗ることで、5ALAが毛包皮脂腺に取り込まれて、鉄と一緒にミトコンドリア機能を活性化して、ATPの産生を刺激して、その結果、育毛作用があるとも考えられています。

5ALAはミノキシジル外用液と同等

⁡ミノキシジル外用液は、男女問わず、薄毛に広く用いられています。

マウスの研究にはなりますが、5ALAと鉄を配合したものを塗ることで、ミノキシジルと同等の育毛効果が確認されています(PMID: 19126021)。

薄毛治療には、男性では、フィナステリドやデュタステリドなどの選択肢がありますが、女性では使えません。

5ALAと鉄のサプリメントは、男女問わず使用できるので、薄毛に悩んでいる方には朗報かもしれません。

5ALAと耐糖能異常

糖尿病とその予備軍は、日本人の約1/6いると言われています。

糖尿病は、血糖値が高くなる病気で、膵臓から出るインスリンが効きにくくなるために血糖を細胞の中に取り込むことができず、血糖が上昇してしまいます。

ところが、糖尿病が恐ろしいのは、最初はほとんど自覚症状がないということです。

徐々に合併症が生じてきて血管病変などによって、命が奪われてしまうことになります。

2型糖尿病では、この状態が続いているとどんどんと膵臓が疲弊してしまいます。

ですので、血糖コントロールということがとても大切になってくるというわけです。

5ALAと血糖値コントロール

今までのお話で、5ALAは、ミトコンドリア機能をアップするということがわかってきました。

血糖値がずっと上昇していると、5ALAの合成が低下して、その結果、ミトコンドリア機能が低下してしまいます。

ミトコンドリアはエネルギーを作るところなので、ミトコンドリア機能が低下することで、糖代謝が悪くなり、さらに血糖コントロールが悪化してしまいます。

マウスの実験では、老齢になると、耐糖能障害と、インスリン抵抗性を生じます。

ところが、5ALAを投与することで、耐糖能障害とインスリン抵抗性の両方が改善しました。

5ALAを投与することで、ミトコンドリア機能を部分的に改善をもたらしました(PMID: 29364890)。

このように、5ALAを投与することで、ミトコンドリア機能を向上させることで血糖コントロールに寄与する可能性があるということです。

5ALAと認知症

⁡認知症は、最初はほとんど症状があらわれませんが、徐々に、ゆっくりと進行していきます。

一番多いタイプである、アルツハイマー病では、40才頃からゆっくりとはじまって、60才頃に症状が出てきたときには、かなりの進行で見つかることが多いのです。

物忘れやうつ症状がどんどんと出てきてしまいます。

今のアルツハイマー病の原因は、アミロイド仮説で説明されています。

つまり、脳に「アミロイドβ」とよばれるタンパク質が蓄積されて、その結果、神経が破壊されてしまう、という説です。

このアミロイドβを減らすための薬が開発されてきましたが、病状が回復されるのがとても困難でした。

アミロイドβがなぜ脳に溜まっていくのか、ということに視点をあてて、治療を行う、ということもなされています。

アルツハイマー病は脳のミトコンドリア機能の低下という視点からの5ALA投与

⁡北海道大学の研究では、アルツハイマー病モデルのマウスでは神経のミトコンドリア機能の低下がみられました(PMID: 27329428)。

ミトコンドリア機能といえば、5ALAでした。

アルツハイマー病を発症するマウスに、5ALAを6ヶ月間投与したところ、神経細胞のミトコンドリア機能は向上しました。

そして、5ALAを投与されていなかったマウスに比べて、脳のアミロイドβは減少する傾向にありました。

このように、もちろん、人のように長い間にわたっての研究がなされているわけではないので、はっきりとは言えませんが、5ALAにより、脳のミトコンドリア機能の低下を防ぐことができる可能性が示唆されました。

パーキンソン病と5ALA

⁡日本人では、10万人に150人ほどといわれていて、高齢者になるほど患者さんが増加します。

⁡・振戦(ふるえ)
・動作緩慢
・筋固縮
・姿勢保持障害(転びやすい)
⁡といったことが主な症状です。

現在のところ、根本的な治療についてはわかってはいません。

この病気の原因と考えられているのは、脳の黒質というところのドパミン神経細胞が減ってしまうために、ドパミンが減少して、その結果、体が動きにくくなって、ふるえが起きてしまいます。

なぜ、ドパミン神経細胞が減少してしまうか、はっきりわかっていませんがドパミン神経細胞が活性酸素によって破壊されてしまうことが一つの要因とも考えられています。

ラットのパーキンソン病モデルに対する5ALAの効果

⁡ラットのパーキンソン病のモデルではドーパミン作動神経が変性し、パーキンソン病のようになります(PMID: 32807663)。

このラットでは、ドーパミン合成にかかわるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)が、どんどんと減っていきますが、5-ALAで治療することによって、THが減らなくなり、また回転挙動運動が大幅に減少しました。

5ALAによってできた、ヘムオキシゲナーゼ1が活性酸素を抑制したことが考えられました。

パーキンソン病への臨床効果

⁡島根大学医学部の研究では、パーキンソン病10人の患者さんを対象にして、5ALAと鉄を投与すると
6ヶ月後には、パーキンソン病の運動機能に改善がみられました。(5-アミノレブリン酸の科学と医学応用より)

このように動物実験や、ヒトの研究では、5ALAがパーキンソン病に有用な可能性が示唆され、機序として、脳の黒質細胞への酸化ストレスが、5ALAによって軽くなったか、黒色神経細胞のミトコンドリア機能が改善したことが考えられました。

まとめ

ミトコンドリアを活性化させることは、慢性疲労、内臓脂肪、血糖コントロール、睡眠などの生活習慣病の改善に深く関わっています。

5ALAは、ミトコンドリアを活性化することを介して、上記のような不調に有効と考えられます。

ミトコンドリア活性を邪魔するものを除去するものと同時に、5ALAを考えてみてもいいかもしれません。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

無料レポート新リリースしましたのでお受け取りください!

関連記事

新リリース

自然な形のアートメイク

最近の記事

  1. 甲状腺ホルモン(ホルモン補充療法)

  2. ホルモン補充療法(DHEA)

  3. 繰り返す慢性上咽頭炎が治らないときには腸内環境改善を考える

為替レート

CurrencyRate