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分子栄養学

副腎疲労の改善にはエネルギー漏れ対策を

表参道・原宿の東京原宿クリニックの篠原です。

副腎疲労は多くの疾患や体調不良のおおもとになる状態です。

ですので、副腎疲労を改善させることが、体調回復にとても重要になります。

副腎疲労の改善の基本は、食事改善を始めとした栄養療法です。

ところが、栄養療法を行っても、ある程度は改善するのだけど、あるところで上がり止まりだったりすることがあります。

そのような時に何を思うかというと、とても不安になってしまいます。

そして、不安という気持ちがさらに副腎疲労を悪化させてしまうわけです。

その時に大事なのは、「道筋」を立てることです。

自分がこの方向性で行けば大丈夫、とわかることで、不安が解消されていきます。

そのためには、エネルギー漏れを防ぐことが重要になります。

今回は、エネルギー漏れを引き起こす、エネルギー泥棒を見つけて、「道筋」をどう立てるかということについてお話をしたいと思います。

ちょっと長くなってしまいましたが、最後に実際の症例があります。

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なぜ今、エネルギー泥棒を見つけなければならないのか

もちろん、副腎は臓器ですから、副腎を元気にするような栄養素をとることで、体調を改善させることができます。

ただ、これだけだと不十分なことがあります。

なぜでしょうか?

実は、副腎は、栄養不足以外にも多くのストレスに関わっているからです。

つまり、栄養以外のストレスを放置しておくと、副腎をいくら栄養で元気にしても、エネルギー泥棒がある限り、ざるのようになって、注いだエネルギーが全部漏れてしまうわけです。

その結果、すぐ副腎が疲労してしまうことになります。

それを対処するためには、エネルギー泥棒を見つけて、ざるの穴を塞いで、エネルギーの漏れをなくすことが今すぐ必要なわけです。

日本に副腎疲労の概念を広めた一人として、ジェームズ・ウィルソン博士がいます。

博士は、副腎にかかるストレスについて、エネルギー泥棒を見つけることの大事さを述べています(1)。

医者も知らない アドレナル・ファティーグ ジェームズ・ウィルソン著

また、色々なストレスは積み重なるので、例えば、栄養不足のストレスがあったとしても、それ以外のストレスと組み合わさると、さらに副腎を悪化させることがあります。

そして、問題なのは、自分がストレスにさらされていることを自覚していない人が多い、と博士は言っています。

もちろん、副腎に与えるストレスの中で一番多いのは栄養不足でありますが、ストレスは相互作用をするので、栄養以外のストレスも洗い出し、エネルギー泥棒を特定しておくことも大事です。

エネルギー泥棒を見つけることは、どんな良いことがあるのか?

副腎疲労を改善させようとして頑張っていても、思うようにいかない時、不安になりますよね。

不安になる気持ちというのは、またそれ自体が副腎を疲労させてしまいます。

多くの方は、次に何をしていいのかわからない時に、とても不安になってしまいます。

このような時に、自分のエネルギー泥棒が判明したらどうなるでしょうか?

自分が今何をすべきかが明確になれば、それだけで不安が消失し、前向きになれるわけです。

このことは、なかなか良くならない副腎疲労に対して頑張っている方への朗報となるかも知れません。

エネルギー泥棒が判明しただけで、たとえそれがまだ退治できていないとしても、進むべき道がわかることで、不安が解消して前向きになることができるわけです。

前向きになれば、不安が副腎にストレスを与えることがなくなるので、判明した時点で副腎疲労も改善の方向に向かいます。

どのようにエネルギー泥棒を見つけたらいいのか?

エネルギー泥棒を探すためには、ジェームズ・ウイルソン博士は、このように言っています。

紙を一枚用意し、”エネルギー泥棒”と見出しをつけ、日常生活においてエネルギーを奪うすべての事柄、すべての人のリストを作ろう。

この場合、何が原因で疲労するかという観点から書き出してみることがコツです。

ただし、自分で気づいていないストレスがエネルギー泥棒になっている可能性もあります。

その場合は、優秀なカウンセラーに見つけてもらうことがとても有用です。

また、キネシオロジーでは、筋反射を利用して、その人に与えているストレスを見つけ出すことができます。

このことを利用して、私は、副腎疲労の改善が上がり止まっている方のエネルギー泥棒を見つけています。

そして、どのような順番で対処すべきなのか、という優先順位をつけることを考えます。

そうすることで、患者さんは、何がエネルギー泥棒であるのかがわかり、不安を解消することができるようになります。

多くの副腎疲労の方の特徴

副腎疲労をかかえている患者さんの多くは、まずはじめに、言われたことに対して、完璧にこなそうとしてしまいます。

食事もとても厳格にしようとする方が多いです。

もちろん、そのことはとても大事なのですが、あまりに完璧にこなそうと思うと、それがまた、副腎疲労の原因となってしまいます(ジェームズ・ウイルソン博士)。

ある程度行って改善が止まってしまっているようなら、栄養以外にも目を向けるべきです。

なぜなら、先程も述べたように、ストレスは積み重なり、相互作用するために、栄養のストレスとそれ以外のストレスが関連して苦しめている可能性があるからです。

ですので、自分のストレスにならないくらいに厳格な食事は程々にして、栄養以外のストレスも探すことが大事です。

キネシオロジーはエネルギー泥棒を探すのに有用

キネシオロジーは、そのような、エネルギー泥棒を見つけるにはとてもいいツールです。

なぜなら、筋反射を利用して、その人が何に対してストレスを感じているかを見つけることができるからです。

例えば多いのが、自分が小さい頃の、母親との関係性がトラウマになっていて、エネルギー泥棒になっている場合です。

その時に、その当時の母親を想像してもらい、キネシオロジーを行うと、明らかに母親と言った時点で、ストレス反応が出ます。

言葉や話し方から探っていく方法とは違い、より明確であるのが特徴です。

インターネットを使った、遠隔キネシオロジー

ただ、この自粛時代に、実際にお会いしてのキネシオロジーを行うことは、幾分困難になっているのも事実です。

遠隔キネシオロジーを用いると、ZOOMなどのインターネットシステムを利用して、自宅にいながらキネシオロジーを受けることができます。

自粛時代にエネルギー泥棒を見つけるためには、遠隔キネシオロジーを利用するのが、ひとつの手軽な方法と考えます。

遠隔キネシオロジーには、受け手の意識が必要

(アプライド)キネシオロジーはもちろん、現代医学で認められたものではありません。

しかも、遠隔で行うとなると、さらに疑う方も多いでしょう。

このような施術を受けるためには、どうしても受ける側の意識というものがとても大事になってきます。

最初から、疑ってかかっている限りにおいては、全く有効ではありません。

栄養療法でも他の治療法でもそうですが、自分から改善しようと思っていない限り効果は薄いので、自分にあった方法を探した方がいいです。

では、遠隔キネシオロジーがどうして作用するのでしょうか。

ここでは、量子力学を用いて、遠隔キネシオロジーが作用する理由を考えてみたいと思います。

近年、量子力学は、物質だけではなく、意識の分野まで入り込んできてきます。

以下の量子力学の項目は、難解な概念になるかと思いますし、単純化したために不正確な記述もあるかと思うので、飛ばしていただいても結構です。

その後に、遠隔キネシオロジーを使ったエネルギー泥棒探しの例をお示しします。

量子力学と遠隔キネシオロジー

量子力学とは

量子力学とは、分子や原子、電子など極小の物理現象を記述する学問です。

私達が普段見ている、飛行機や自動車などの大きいものは、ニュートンの作った古典力学で結果を予言できます。

一方、コンピュータのようなハイテクと呼ばれるものは、量子論の産物です。

量子力学がニュートン力学にはない特徴として、極小の物質は、「波」の性質を持っているということです。

つまり、電子などの極小の物質は、粒でもあるが波でもあるということです。

現代医療と量子力学

現代医療では、体を物体として取り扱うので、主にニュートン力学が応用されています。

また、細胞内の代謝などを理解するためには、生化学を使用しています。

分子栄養学は、細胞の働きを高める学問であるため、まさに生化学をフルに応用した学問と言えます。

これらは、人間を粒のかたまりとして考えている学問と思っていいでしょう。

ただ、現代医療でも、量子力学を用いている分野があります。

それは、レントゲンだったり、MRIだったりするわけで、量子力学を真っ向から否定しているわけではありません。

つまり、私達の体は、粒の集まりとしての体をニュートン力学や生化学によって示されるのと同時に、波としての状態を量子力学によっても記述されると言えるでしょう。

量子の性質

量子の一つに電子があります。

電子には不思議な性質があります。

電子は私達が見ていないときには波になっているけれど、私達が見たとたんに波が消えて、粒になるという性質です。

私達の意識をもって観察することではじめて、電子は位置と運動量が決まります。

逆に言うと、極小の世界では、観察すると、その行為自体で位置が変わってきてしまうので、量子の正確な位置を決めることができません。

このことを、不確定性原理と言います。

不確定性原理は、以下の式で表されます。
(電子の位置をx, 運動量をpとした時)

Δx × Δp ≧ h/4π(h=プランク定数)

離れたところにある粒子同士で情報が一瞬で伝わる

相対性理論を唱えた、アインシュタインは、量子論に納得できませんでした。

そこで、思考実験をしてみました。

アインシュタインは、回転していない1個の粒子が壊れて、回転している2個の粒子が発生するという状況を考えました。

この時、壊れてできる2つの粒子のうちの1個について、どんな向きに回転しているのかを観測してみます。

すると、粒子の進行方向に対して、右回りの回転になっている確率が50%、左回りの回転になっている確率が50%であることが確認されています。

先程言いましたように、量子力学では、極小の物質の位置や運動量について、「私達が観測する前には、ただ一つの状態に決まっていない」と考えます。

同じように、粒子の回転の向きについても、私達が観測するまでは決まっていないと量子論は考えます。

また、回転の向きに関しては、互いに打ち消し合うようになる法則が働いています(スピンの量が保存されている)。

つまり、壊れてできた、一方が右回りの回転になれば、もう一方は左向きの回転になるという風に必ず逆になります。

では、ここで、1つの粒子が壊れて、2つに分かれて、そのまま、2つの距離が1光年(光の速度で1年かかる)離れたとしましょう。

その時に、片方の粒子Aを観測したらどうなるか。

量子論によると、観測する前には、一つの状態に決まっていないが、観測した途端に、片方の粒子Aの回転の方向が決まります。

そして、「スピンの量が保存されている」ことによって、その瞬間に、もう片方の粒子Bの回転の方向が決まります。

つまり、1光年も離れた距離にある2つの粒子AとBが、粒子Aを観測したという情報が瞬時に粒子Bに伝わる、ということです。

アインシュタインの特殊相対性理論によれば、光の速度を超えるものはない、とのことですから、アインシュタインはこれはおかしいと主張し、「不気味な遠隔作用」と言いました。

ところが、1982年にフランスの物理学者アスペが、この不気味な遠隔作用が実際に存在することを実験で確認しました。

つまり、離れたところにある粒子間で、情報が一瞬で、時間ゼロで伝わるという遠隔作用が示されたのです。

遠隔作用は、大きいものには成り立つのか?

このような遠隔作用は、極小の粒子しか成り立たないのでしょうか。

電子より大きい、原子で成り立つことが示されました。

また、人間の嗅覚が匂いを探る際に、量子的なエネルギーに基づいて認識していることがわかりました(2)。

2004年には、シアトルのバスタ大学とワシントン大学では、感情的に親しい人との間のつながりについて、脳波を用いて研究しました。

その結果、パートナーの1人がある映像を見せられると、どんなに離れていても、もう1人も直ちに同じ脳波状態を示すことがわかりました(3)。

このように、電子レベルよりも大きなものについても、遠隔作用が成り立つことがわかってきています。

相補性原理

相容れないはずの2つの事物が互いに補い合って、一つの事物や世界を形成しているという考え方を相補性原理といいます。

量子力学で多大な功績を残したボーアは、この世は対立しながら補い合う不可分の構成要素によって成り立つと考えました。

そして、古代中国の太極図を好んで用いました。

この図を借りて考えれば、人間は粒子の集まりでもあり、波の性質も持つ、という相容れない2つの性質が補い合って出来ているとも考えられるかも知れません。

また、それを記述する学問については、一方では、ニュートン力学を応用した現代医学・分子栄養学、もう一方では、量子力学によって、相補的に、1人の人間を表していると考えられないでしょうか。

遠隔キネシオロジーと量子力学

話が飛びましたが、量子力学の考えを用いれば、人間のような大きいものにおいても遠隔作用があることが次第にわかってきました。

そして、その遠隔作用は距離に関係なく、時間ゼロで伝わります。

インターネットを応用して、遠方にいる者達がの情報が一瞬で伝わり、キネシオロジーで筋反射をとれるとは考えられないでしょうか。

イライラをどうにかしたい40代女性

遠隔キネシオロジーにより、副腎疲労の原因検索を行ってみました。

イライラをどうにかしたい、副腎疲労の女性です。

まず、自分自身が本当にイライラを治したいと思っているかを、チェックしてみたところ、心理的逆転が発見されました。

心理的逆転に関しては、こちら

つまり、その女性自身が本当はイライラを治したいと思っていないということだったです。

そのような心理的逆転を生じたことを過去にさかのぼったところ、20台の頃に抱いた、母への復讐心でした。

お聞きしてみると、その女性のお母さんも、その当時、とてもイライラしていていたということだったので、それが本人へ移ってしまったようでした。

本人も忘れていましたが、このことを気づいて、そこに意識を向けると、心理的逆転は解除されていました。

その後、イライラを起こしている原因を遠隔キネシオロジーで探ったところ、優先順位から、

  1. 心理的ストレス
  2. 栄養不足
  3. 感染

とわかりました。

1.心理的ストレスは、30台後半で、東京から地元に戻った頃に、辛い病気にかかったことが現在のイライラに関与しているという反応が出ました。

2.栄養不足によるストレスでは、ビタミンB不足、ビタミンD不足、マグネシウム不足、亜鉛不足が反応ありました。

3.感染によるストレスでは、カンジダ感染の反応がありました。

イライラを分子栄養学的に考えると、亜鉛不足から銅過剰になり、ドーパミン→ノルアドレナリンへの変換が促進されて、イライラしている可能性、また、カンジダ感染によるブレインフォグや、低血糖の可能性などが考えられます。

遠隔キネシオロジーでは、そのような、栄養不足は確かに把握しつつ、さらに、心理的ストレスの重要性がわかりました。

つまり、この女性にとって、まずは心理的逆転、栄養不足、過去のトラウマによる心理的ストレスが、副腎疲労のエネルギー泥棒と判明しました。

栄養不足については、分子栄養学により気をつけても、心理的要素が、エネルギー漏れの”ざる”のようになっていたのでした。

まずは、そこを塞ぐ必要があったのです。

まとめ

副腎疲労を回復させるためには、エネルギー泥棒を探す必要があります。

エネルギー泥棒を探すためには、筋反射を利用したキネシオロジーが有効です。

量子力学的観点から、自宅にいながらでも可能になってきており、自粛時代にも適していると思われます。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメント・薬はひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

参考文献

(1)医者も知らない アドレナル・ファティーグ ジェームズ・L・ウィルソン 著

(2)Gane,S. et, al. Molecular vibration sensing component in human olfaction. PLoS one, 8(1), 2013

(3)Standish,L. et al. Electroencephalographic evidence of correlated eventre-lated signals between the brains of spatially and sensory isolated human subjects. Journal of Alternative and Complementary Medicine, 10(2), 2004

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