原宿・表参道の東京原宿クリニック 院長 篠原です。
現代の食卓からは、ミネラルがだいぶ失われています。
ミネラルがなければ、エネルギーを作るための酵素が動きません。
そしてミネラル不足になる原因として、添加物の影響もあります。
今回は、現代ではどうしてミネラル不足になりやすいのか、気をつけるべき食品などについてお話したいと思います。
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Contents
現代ではミネラル不足に注意
現代の食卓からは、栄養素がとても失われています。
コンビニで3食食べると、カロリーは約2600Kcalと十分にとれるのですが、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラルが平均必要量の60%ぐらいしかとれないそうです。
このような食事を続けていると、健康被害につながります。
骨粗鬆症、貧血、疲れやすい、頭痛、成長障害などなどです。
原因1 水煮食品の増加
その原因の1つとして、水煮食品の増加があげられます。
スーパーでは水煮食品が一角を占めていますし、外食でも材料は水煮が多いようです。
水煮を購入し味付けすると簡単に料理が作れますが、水煮にすることにより、ビタミン・ミネラルがほとんど洗い流されてしまいます。
原因2 油の問題
見逃されていることとして、油の問題があります。
大手が売っているサラダ油には、ミネラルが入っていません。
ミネラルが入っていると、泡立つし、濁るし、臭うので、クレームの対象となるようです。
そうなると、ミネラル抜いて売るしかない。
油を分解・消化するために必要な、ミネラルが足りないことになるので、胸焼けがしたり健康を害することになります。
油が作られる工程として、
といったものがありますが、
②は、悪名高きトランス脂肪酸が多く含まれることになります。
③は、ヘキサンは人体に有害なため、加熱を繰り返し除去する結果、油が酸化してしまう可能性があります。
ということで、油を選ぶときには、①の圧搾法をなるべく選びましょう。
原因3 リン酸塩の使用
リン酸塩は、毒性が低い上に、摂取しても体内に吸収されにくいので広く使われています。
問題は、リン酸塩が、微量ミネラルをつかんでしまって、吸収されずにそのまま排泄されてしまうことです。
微量ミネラルは、酵素の働きを補助するのにも重要です。
リン酸塩は、「インジェクション技術」を用いて使われることが多いです。
ハムやソーセージにたくさんの注射器を刺して、砂糖、食品、化学調味料、発色剤とともにリン酸塩を注入し、2倍に膨れ上がった肉を固めて、ハムが作られるため、生肉よりも安いハムができあがります。
(参考文献:食べなきゃ危険!)
魚にもインジェクション処理で注射で調味料を入れて、とろサーモン、トロホッケ、天然魚を表示しています。
リン酸塩を使っているのに、リン酸塩入りの魚肉すり身を使うと表示が免除される、「キャリーオーバー制度」によって、消費者にわかりにくくなっているのも現実です。
ミネラル不足による思考低下
神経伝達物質である、セロトニン、メラトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、GABAは、食べたものである、タンパク質が大元になって、合成されます。
セロトニンやメラトニンは、トリプトファンが原料ですが、合成されるには、ビタミンB6、マグネシウム、リチウムなどが必要です。
ドーパミン、ノルアドレナリンは、フェニルアラニンが原料で、合成させるには、鉄やビタミンB6、ビタミンC、銅などが必要です。
GABAの合成にもビタミンB6が必要です。
このように、ミネラル不足であれば、脳が機能不全を起こすのは当然です。
なぜこのような脳機能を低下させるような食事に囲まれているのでしょうか。
私たちの、考える能力を低下させるなんて目的があったとしたら、大変ですね。
思考力の低下を増強してしまうもの
思考力が低下するのは、何も食事の栄養不足だけではありません。
私達は、年中、スマホをみるような生活になりました。
連日のニュースやワイドショーなども、思考力を奪っていきます。
テレビを全く見ないようにしたら、とても快適になることもあります。
仕事に追われる毎日で、考える力を失って、日々こなすだけ、という方も少なくありません。
東洋の陰陽五行の考え方では、「金」は、守る、ということを意味しています。
外は敵だらけ、と自分の体を守りすぎてると、「金」でエネルギーが止まり、アドレナリンが過剰になってしまうことになります。
このような時代には、今一度、自分が何をしたいのか、と目標を立てることが大事です。
情報という添加物に流されて、自分を見失わないように。
なるべく食事から避けたいもの
食品には、色々な添加物がつけくわえられています。
添加物を長期間とりすぎることで、体に悪影響を与えてしまいます。
なるべく摂取しないようにした方がいいものをあげます。
人工甘味料
ついつい甘いものをとると、太ってしまうので、シュガーレスを謳った人工甘味料を選択しがちになります。
人工甘味料は血糖値を上げないので、太らない、という理屈です。
本当に大丈夫なのか、という議論は、実は決着がついていません。
しかしながら、人工甘味料で糖尿病の発症や悪化リスクを上昇させることが報告されています。
その機序としては、人工甘味料が甘いので、脳が砂糖が入ってきたと錯覚して、でも血糖値が上がらないために、脳が混乱して、より大食いになってしまう、という説があります。
また、腸内細菌に作用して、太る腸内細菌に変化したという報告があります。
腸のバリア機能を破壊したという報告もあります。
どっちにしても、人工甘味料は使用しないほうが良さそうです。
アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ネオテーム、アドバンテームなどは危険です。
着色料・発色剤
赤色102号、黄色4号、赤色40号とかいう表示を見たことがありませんか?
これらは、合成着色料です。
実は、日本ではチェックが甘く、安全性の試験が行われにくいのです。
着色料のカラメルが作られる時に、副産物としてイミダゾール化合物が生成されることがあり、これが発がん性があると言われています。
次に、発色剤とは、そのものには色が無いけど、ほかの物質とくっつくと色が発生するものです。
発色剤を肉と一緒に加熱すると、タンパク質とむすびついて、きれいな色になります。
多くの発色剤で使われている、亜硝酸ナトリウムは、肉のアミンとくっつくと、ニトロソアミンという物質に変化します。
これが危険で、発がん性があるわけです。
安全性の試験がゆるいのと、複数の添加物同士が重なると、どうなるか、ということは未知であり、そのような認識のものと、選んでいく必要があります。
英語で合成着色料の黄色5号は、サンセットイエローといいますが、イギリスの食品には、
「サンセットイエローを食べると、キレる子どもになる可能性があります。」
という表示がされています。
合成着色料を摂取した子どもに、多動性行動がみられたという報告を受けてのことだそうです。
天然着色料として使用されている「コチニール色素」は、ハムのピンク色などによく使われていますが、急性の呼吸困難の症状をきたすことが報告されています。
参考文献:「食品の裏側2」
「天然」という言葉にだまされないようにしなくてはなりません。
そして、添加物の表示が免除される機構もあります。
例えば、
添加物を加工の途中で使用する場合
カット野菜は、次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸されますが、最後に洗い流されれば、表示の義務なし。
包装されていないものはOK
デパ地下で売られているものは、OK的な。
生産者側の意識としては、安く、日持ちし、色鮮やかなものでなければ売れないという状況で、仕方なく入れている状況なのです。
表示に騙されるな化学調味料と酵母エキス
化学調味料ってどんなイメージでしょうか。
化学ってついてるから、何となく悪いイメージですよね。
化学調味料の主成分はグルタミン酸です。
グルタミン酸はうまみ成分ですが、過剰に摂ると、脳神経細胞にカルシウムが入り、神経細胞の死につながります。
ですので、自閉症や発達障害の方、脳の異常の方にはなおさら、普通の人も過剰なグルタミン酸は避けた方が無難なわけです。
化学調味料の聞こえが悪いため、イメチェンのため、現在では「調味料」と書くようになっています。
さて、酵母エキスはどうでしょうか。
やはり主成分にはグルタミン酸が入っています。
化学調味料も酵母エキスもやっていることは同じなのに、酵母エキスは食品扱いのため、堂々と「化学調味料不使用」と書けるのです。
いくら、化学調味料不使用でも、酵母エキスが入っていたら、グルタミン酸を多く摂取することになります。
表示の技術が練られているというわけです。
何となく、旨味あるな、という場合には、結構入っているので、注意が必要です。
それは味覚破壊を引き起こす
なんの為に化学調味料や酵母エキスを入れるかというと、旨味=グルタミン酸です。
「水から入れ1~2分煮出すだけで、本格的なだしがとれます」
という場合は、酵母がだしの旨味を補うからできる技です。
つまり、味覚破壊なわけです。
味覚破壊に関与しているものとして、化学調味料・たんぱく加水分解物・酵母エキスがあります。
無添加といっても、強い旨味が味覚を狂わせて、これなしでは物足りなくなる仕組みです。
トランス脂肪酸
悪名高い、トランス脂肪酸についてのお話です。
脂質がなぜ大事かというと、細胞を覆っている細胞膜が、脂質でできているからで、細胞膜が変形すれば膜の機能が低下することになります。
心臓の筋肉細胞の膜がトランス脂肪酸になれば、不整脈の原因となります。
腸の粘膜細胞の膜がトランス脂肪酸になれば、どんどん有害物質をとりこんで、リーキーガット症候群の原因となります。
WHOはトランス脂肪酸の量を、総エネルギーの1%未満に留めるべきとの指針を出しています。
そして、諸外国では禁止されてきています。
日本では、食品安全委員会の調査で平均で約0.3%と推定して、安全と判断されているため、表示義務がないわけです。
全廃しようとするとまたストレスフルになるかと思うので、マーガリン、ショートニング、ピーナッツバター、クッキー、ケーキ、ドーナッツ、シリアルなどは、なるべく減らすという気持ちがいいかと思います。
トランス脂肪酸は、本当は液体であるはずの油に水素を添加して、不自然に固形になっていて、顕微鏡ではプラスチックと似ています。
東京大学などの8大学のグループの調査によると、WHOの目安を超えてトランス脂肪酸を摂取している人は、30~40代の女性で、30%を超えていたそうです。
そして、その原因となるものは、お菓子、ケーキが多かったようです。
また、ファーストフード、即席麺も多いようです。
(参考文献:食品の裏側2)
脂質は、細胞膜の原料となるので、脳細胞に取り込まれたら、頭がはたらかず、集中力が続かない原因となります。
やはり、意識してトランス脂肪酸は減らしていったほうが良さそうです。
異性化糖
異性化糖とは、トウモロコシのでんぷん(コーンスターチ)を精製して甘みを強くしたものです。
ぶどう糖果糖液糖とか果糖ブドウ糖液糖とか書いてあるものです。
ソフトドリンク、クッキー、ヨーグルト、パン、ケチャップ、ビールなど多くの加工食品に使われています。
さて、何が問題かと言うと、やはり色んな病気と関連があるからです。
糖尿病、肥満、心臓病、癌、骨粗鬆症、脂質異常症などです。
特に、ペットボトルに入っているものをごくっと飲むと、一気に血糖値が上がることになります。
血糖がある程度以上あがると、たんぱくと合体して、AGEs(最終糖化産物)になります。
いわゆる老化ですが、異性化糖は、砂糖の20倍以上もAGEsを産生してしまうことになります。
活性酸素が発生して、老化がすすみます。
液糖である異性化糖は、消化するために時間がかからないので、摂取すると、一気に血糖値が上がってしまうのが問題です。
そして、安価であるので、至るところに使われているし、清涼飲料水に入っていて一気に血糖値が上がってしまいます。
さらに、満足感が得られにくいようで、摂取しすぎてしまうというリスクもあります。
また、材料のコーンスターチは、遺伝子組み換えが問題になっています。
遺伝子組み換えが完全に安全かどうかは、議論があるところで、生産を違法としている国もあります。
パフォーマンス重視であるため、当然栄養素は少ないです。
そのことを考慮に入れて、食材を選んでいきましょう。
ミネラルを測定する
では、自分には、必要なミネラルが足りているのでしょうか。
また、有害なミネラルがどのくらい入っているのでしょうか。
それを簡便に測定できるのが、オリゴスキャンです。
まず、自分のミネラルバランスを見ておくのがとても大切ですね。
東京原宿クリニックでは、オリゴスキャンの検査を行っており、ご利用されてみてください。
まとめ
現代の食卓では、酵素を回すために必要な、ミネラルが不足しています。
不足しているだけでなく、どんどんと奪うための添加物も多く入っています。
自分のミネラルバランスを調べましょう。
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。