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分子栄養学

治りづらいときには、心理的逆転を考えよう

原宿・表参道の東京原宿クリニック 院長 篠原です。
慢性疲労や、アトピーなど自分としては早く改善させたいと思って、一生懸命努力をしているのに、治療が効かず、一進一退であったりすることはありませんか?
改善を焦ってしまうと、さらにストレスになってしまうことありますよね。


そのような時には、意識(顕在意識)では、「治りたい」と思っているのに、潜在意識では「治りたくない」というような、脳の混乱状態が起きている可能性があります。
そのような、脳の混乱状態を「心理的逆転」と言います。


治療を行う前や、行っている最中に「心理的逆転」が入り込んでしまっているのかどうかをチェックして、「心理的逆転」が有るのなら修正を行わないと、治療が進まないことがあります。
せっかく治療をしているのに、体がその治療を受け付けていないということになれば、とてももったいないことですね。
今回は、心理的逆転が生じていた例などを取り上げながら、対処法などを解説したいと思います。

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心理的逆転とは

心理的逆転とは、心理学博士のロジャー・キャラハン博士が作った言葉です。
博士は、TFT(思考場療法)というものを開発し、経絡の場所をタッピングすることにより、トラウマなどの心理的問題を解消する方法を考え出しました(1)。

大半の患者さんは、TFTにより高所恐怖症や、不安などの症状が一瞬で改善するのですが、一定の方はTFTでも改善が今ひとつであることもありました。
改善しない方達に共通していたものは、体内部のエネルギーの流れが反対になったり、ブロックされていたのです。

そのような状況では、治療に対して否定的な行動をとったり、自分を非難したり、自己破壊的な行動をとってしまいます。
例えば、意識では痩せたいと思っていても、なぜか自暴自棄的に食べまくってしまうこともあるでしょう。


この様な時に、心理的逆転を起こしている可能性があることがわかりました。
心理的逆転は、特殊な人に起こるわけではなく、誰にでも起こる可能性があります。
心理的な問題だけでなく、例えば、「がん」のような身体的な病気においても、90%以上の方に心理的逆転が見られたとのことでした。


体の内部のエネルギーが逆方向になってしまっているので、病気がより治りにくいのは当然と言えます。

心理的逆転が起こるわけ

心理的逆転がおこっているかどうかは、本人にはほとんど自覚はありません。
本人は、つらい症状を顕在意識では”治したい”と思っているわけです。
例えば、子供の頃、厳しい家庭に育っていて、風邪をひいて体調が悪くなると、親が「体調が悪いことをいいことに、勉強をさぼるなんて、とんでもない」と言われて育ったとします。


そうすると、本人の潜在意識の中では、「病気をすると人に冷たくされるから、病気をしてもサボってはいけない」ということがしみついて、いわば信念のようになっているわけです。
大人になって、何らかの大きな病気をした時に、動けなくなり身の回りや家事ができなくなったとします。


その時に、普段はあまり連絡をとっていない友人や夫が、いつもは優しくしてくれないのに、この時とばかり家事を代わりにやってくれたり、「元気になるまで休んでいていいよ」と言ってくれて、優しくしてくれたりします。


本人は、表面上(顕在意識)では「早く病気を治したい」と思っているのに、潜在意識では、「病気の状態であると、実は周りがとても優しくしてくれて、さらに自分の存在を認めてくれている」と思いはじめます。


元々は、病気になると冷たくされるからサボってはいけないという信念であったのに、今度は病気になったら周りが優しくしてくれる、という逆の状態になり、そのことに混乱を覚えてしまうということになります。
潜在意識は、病気が治ってしまうと、周囲が優しくしてくれなくなって、自分の存在価値がなくなってしまうと危機感をもってしまうことにもなります。


この様な状態では、果たして病気を良くしていいのか、良くしないほうがいいのか、脳が混乱してしまいます。
知らぬうちに、混乱状態によって心理的逆転が起きていて、病気が改善しないということになります。
心理的逆転は、過去のトラウマが原因となり、それがこじれて起こることが多いため、心理的逆転の修正を行いつつ、トラウマの開放を行わないと、すぐに戻ってしまうことが多いのです。


ここでは二人の例を見てみましょう。

私の場合

さて、私の場合ですが、栄養療法でかなり改善したのですが、日中のだるい、という症状が、根雪の様に取れにくかったのです。
他のキネシオロジストに探ってもらったところ、顕在意識では健康になりたいと願っているのに、潜在意識では、健康になりたくない、と思っているという反応が出ました。

原因をみていくと、25才時の母親との関係が、現在の心理的逆転を引き起こしているということがわかりました。
言われて気づいたのが、25才当時、自分は研修医だったのですが、あまりに過重労働であったため命の危険を感じて、研修医を辞めたい、と思いつめていた時期でした。
そのつらい状況を母親に説明したら、取り合ってくれず、辞めるのは許さないとけんもほろろでした。


その時はとてもショックで、このまま仕事を続けたら確実に命を縮めると思って思いつめて相談したのに、外聞を気にして取り合ってくれなかったというトラウマになったのです。
現在の「だるい」という症状は、体調が万全になれば過重労働をさせられるのではないかという恐怖が、潜在意識が体調万全になることにストップをかけていたようでした。
もちろん、その様な過去の事など忘れていましたし、過去のことと今の心理的逆転が関連している、ということも気づきませんでした。
その事に気づくということと、心理的逆転を解除することで、改善に向かっています。

40代女性の場合

転載を許可頂きましたので、載せさせていただきます。
1年前から体がだるい、眠くて仕方ないということで、来院されました。

この方は、栄養療法を実践していているにも関わらず、なかなか体調が改善しない、とのことです。
心理的逆転をチェックしてみると、「有り」とのことでした。
つまり、潜在意識では「だるい」という症状を改善したくない、と思っているようなのです。


どのような感情が心理的逆転を起こしているのかを探っていくと、「ねたみ」という感情がひっかかりました。
彼女に、「ねたみ」という感情について、何か気づいたことがありますか?、と聞いたところ、どうも、金銭的に成功している人を見ると、「妬んで」しまう、ということでした。
成功者を見ると「妬んでしまう」ということと、体が「だるい」という関連はどうなのだろうか?と考えていきました。


仮説として、体が「だるい」ことによって、仕事ができなくなるという言い訳ができて、仕事ができないため、自分は成功できないのだから仕方ないのだ、という言い訳ができるのではないか、と考えました。


彼女に聞いてみると、まさにそうかも知れない、ということだったので、筋反射をとると、どうもビンゴのようでした。
心理的逆転を起こしているメカニズムに気づいて、そのことを修正することにしました。
このように、感情と心理的逆転が意図せず自分の症状を治りにくくしている可能性があるのです。
次に、心理的逆転を解除する方法を見てみましょう。

心理的逆転を解除する方法

自分で行う場合と、他の人にやってもらう場合を考えてみましょう。

自分で行う場合

心理的逆転が自分にあるかどうかは、気づかないことが多いです。
しかし、治療を一生懸命やっているのに良くならない、どうも自虐的行為を行ってしまっているということがあれば、心理的逆転が起きている可能性があるのです。
心理的逆転の概念を開発した、ロジャー・キャラハン博士によれば、簡単なものであれば、数分で一時的に解除できる、と言っています(1)

心理的逆転の修正の手順

(1)心理的逆転スポットを見つける。手首と小指の付け根の中間にあたる。空手チョップをするときに、ここで受ける場所である。


(2)心理的逆転スポットを、もう片方の手の2本指で軽く15回ほどタッピングする。

これだけであるが、心理的逆転を修正するには強力です。
嫌な気分になった場合に、特に副作用があるものでもないので、積極的に使ってみると良いと思います。
これでうまくいかない場合については、さらにに詳しく書いてあるので参考にして下さい。

修正の後に、感情の開放を行う

心理的逆転を修正するだけだと、効果は一時的で、またもとに戻ってしまうことが多いのです。
心理的逆転の原因となった、過去のトラウマを開放することで、再度心理的逆転を起こりにくくします。
ESRはタッチフォーヘルスで用いられる感情ストレスの開放の手技で、とても単純ですが効果的です(2)


私たちがストレスに陥っている時には、「闘争か逃げるか」という選択肢しか浮かばなくなってしまいますが、ESRを行うことで、落ち着いて、第3の選択肢について考えることができるようになります。

手順としては、ストレスを考えながら、片手または両手で額(目の上5cmにある前頭結節)を触れるというものです。
時間的には、もういいかな、と思うまで、約3分ぐらいでよろしいかと思います。


ストレスに悩んでいると、脳の前頭葉の動きが弱くなり、いっぱいいっぱいの状態になってしまいます。
ESRで感情の開放を行うと、前頭葉の働きが活発になり、その結果新たな可能性を考えることができるようになります。
この時に、まれに感情の開放が強く起きることがるので、安全な場所で行うようにして下さい。
もう少し強力に感情開放を行うには、眼球運動を取り入れたりするといいと思いますが、指導者のもとで行ったほうが良いと思います。

他の人にやってもらう場合

自分でやる場合は、どうしても制限があります。

うまくいっているかの確認が難しいということと、自分でやる場合は、一時的なものにとどまることがあるからです。

心理的逆転があるかどうか、優秀なカウンセラーであればカウンセリングで見つけ出してもらうことができて、対話により修正することも可能です。
また、アプライド・キネシオロジーを使うことで、心理的逆転があるかどうかは、筋反射で調べることができます。


キネシオロジーでは、心理的逆転を起こした過去のトラウマや感情を探り、修正をしていきます。
自分で行うよりも他人にやってもらう方が、自分の思いもよらない体験が結びついているということに気づくことができるかもしれません。
修正は、主には心理的逆転を修正するポイントをタッピングしながら、眼球運動をすることで行います。
または、脳に瞬時に効くアロマを用いて行うこともできます。


修正できたかどうかも、筋反射で確認することができます。


当院キネシオロジー外来では、特に長く悩んでいる症状がある場合には、心理的逆転の有無を確かめて修正するようにしています。

キネシオロジー外来については、こちら ↓↓↓

長く悩まれているような症状に心理的逆転が多く含まれていることを感じています。

まとめ

特に、慢性的な症状で悩み、いろいろと頑張ってきているのに良くならない場合、その背景に心理的逆転が隠れている場合があります。
心理的逆転状態であると、体と心が一緒になって病気を治そうという協力体制になっていません。
その状況であると、なかなか治療が奏功しません。
自分がそうなっていないかをチェックしつつ、こまめな修正を行っていくことが大事であると考えられます。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な治療法はひとりひとり異なります。
基本的に、主治医に相談しながら進めていただければと思います。

参考文献

(1)TFT(思考場)療法入門 ロジャー・J・キャラハン
(2)完全版タッチフォーヘルス  ジョン・シー&マシュー・シー

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