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分子栄養学

低中性脂肪の症状と原因

表参道・原宿 東京原宿クリニック 院長 篠原です。

食事療法などの栄養療法を行っていても、なかなか疲労感などが改善しないことがありますよね。 
(><)

低血糖症や、副腎疲労といったものは、複雑に絡み合っているので、すぐ解決!という風にいかないことが多いです。

長引く疲労感の中で、結構多いのが、中性脂肪が低い(低中性脂肪の)方です。

医学の勉強をしていても、中性脂肪が高い場合は、動脈硬化の関係で問題になることがありますが、中性脂肪が低い場合は、ほとんどスルーです。

低中性脂肪は、一言で言うと、エネルギー不足ですから、改善させないと、なかなか症状がよくなりません。

では、低中性脂肪を改善するためには、食事を多く摂ればいいのでしょうか?

もっと、奥深いことが隠されていることがあるのです。

それでは、なかなか改善しないことが多いのが実情です。

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低中性脂肪の症状は?

中性脂肪の基準値は、30~149mg/dlとされていることが多いようです。

中性脂肪は、ざっくり体の中にエネルギーを貯蔵する役目をしています。

中性脂肪が低い、ということは、エネルギーの貯蔵が少ない、ということであって、だから疲れやすさと直結するわけです。

栄養療法的には、だいたい100mg/dlを目指したいところです。

そして、だいたい70mg/dlを切ってくると、低中性脂肪の症状が出てくる感じになります(経験則)。

低中性脂肪の症状はどのようなものがあるのでしょうか?

体はまず、糖をエネルギーに変えますが、糖が枯渇すると、中性脂肪を切り崩します。

ということは、低中性脂肪の症状はほとんど低血糖の症状と似ているわけです。

低血糖症は、血糖値が急降下したり、低いままであった場合に精神的・身体的にさまざまな症状を引き起こします。

  • 眠気
  • ブレインフォグ(脳に霧がかかったような感じになる)
  • イライラする
  • 焦る
  • 恐怖感
  • 不眠
  • 冷や汗をかく
  • うつ的衝動
  • 慢性疲労
  • 朝起きた時にすっきり起きれない
  • 物忘れ などです。

これらの症状があって、中性脂肪が低い場合は、この症状の原因となっている可能性があります。

低中性脂肪、低血糖、副腎疲労の関係

前述のように、低中性脂肪と低血糖は深い関係があります。

細胞がエネルギーを作る行程を思い出してみましょう。

糖質1分子から、エネルギーは38ATPできます。

低血糖では、この原料となる糖質が足りていないので、中性脂肪を崩さないとエネルギーができないわけです。

ですので、低血糖と低中性脂肪は同じ様な症状になります。

今度は、低血糖の原因を考えてみましょう。

血糖値を上げるためのホルモンのうち、とても重要なのは、コルチゾールです。

コルチゾールは、副腎から出ます。

ということは、副腎が疲労している状態では、低血糖になりやすく、エネルギーが足りないため、低中性脂肪にもなりやすいです。

低中性脂肪の原因

では、低中性脂肪の原因という観点からは、どのようなものがあるでしょうか。

西洋医学的には、甲状腺機能亢進症で脂質関係の低下が認められますが、今回はそれを省きます。

1.食事が少ない

十分な食事をとっていないと、そもそも原料となる中性脂肪が足りませんから、低中性脂肪になります。

厳密な糖質制限をされている方などにも見られます。

その場合は、十分な食事をとることで、中性脂肪はもどります。

2.中性脂肪の合成が少ない

中性脂肪は、肝臓で作られます。

肝臓機能が悪いと、中性脂肪が低くなります。

たとえば、脂肪肝などは、肝機能障害の原因になります。

腸管から吸収されたものは、ダイレクトに肝臓に流れます。

ですので、リーキーガット症候群のようなものがあれば、肝機能低下を招くので、腸内環境の改善はやはり必要です。

3.中性脂肪の消費が亢進する

中性脂肪は、ホルモン感受性リパーゼの働きで分解されます。

神経終末からノルアドレナリンが分泌されると、β3アドレナリン受容体が刺激されて、その結果cAMPが分泌され、脂肪分解酵素である、ホルモン感受性リパーゼが活性化されて、脂肪分解が起こります。

そうすると、ノルアドレナリンが分泌されるようなことが中性脂肪の消費につながります。

低血糖や、ミトコンドリア機能の低下は、ノルアドレナリンの分泌に繋がります。

また、脳の過活動は、多大なエネルギーを消耗します。

そうすると、低血糖になりやすく、中性脂肪の分解につながりやすくなります。

そのため、低血糖対策が大事になります。

具体的には、血糖が下がらないように頻回食にしたり(おにぎりなどで)、くず粉を入れたお出汁を頻回に摂取して、血糖値を安定させる必要があります。

低血糖については、こちらの記事も参考にしてください。

低中性脂肪の原因としての心理的ストレス

先ほど、中性脂肪の消費の亢進の理由として、脳の過活動を挙げました。

分子栄養学指導医 の小池雅美先生は、こうおっしゃっています。

中性脂肪の低下は、どこかで長い期間の無駄遣いをしている可能性があります。
それはたいてい人間関係で、幼少期での人間関係がうまくいっていないことが原因になることがあります。

幼少期のストレスでは、両親の離婚や親の病死などの非日常的な出来事よりも、日常での対人の葛藤のほうがよりストレスフルであり、ストレス反応と強く関連しているという指摘もあります(1)。

一時的なトラウマよりも、慢性的な日常的な出来事の方が、ストレッサーとして重要な意味をもつということです。

ストレスがかかると、扁桃体が興奮して、怒りや不安、不満などの感情がおこります。

扁桃体が興奮すると、HPA軸(視床下部ー下垂体ー副腎)と、自律神経が興奮します。

慢性的なストレスがおきれば、扁桃体が常に過活動になります。

自律神経(交感神経系)が興奮すると、ノルアドレナリンが増加して警戒反応が増すことになります(2)。

ノルアドレナリンが持続的に放出されれば、β3アドレナリン受容体が刺激されて、脂肪分解がおこり、中性脂肪が低下すると考えられるのです。

しかし、成人した大人にとって、幼少期のトラウマを思い出すということは、すごく難しいことです。

キネシオロジーを使うと、その人の抱えている根本的な原因を突き止めることができます。

そこで、実際に低中性脂肪の方の原因検索でキネシオロジーを用いて、探ってみました。

20台女性、肩こり

慢性的な肩こり、易疲労感を持っている、20台女性です。

まず、血液検査では、中性脂肪が53mg/dlと、低かったです。

特に糖質制限をしているわけではありませんでした。

何か、ストレスを抱えていますか?との問いに、「いいえ」とのことでした。

そこで、キネシオロジーで、肩こりの原因を探っていきました。

肩こりの原因として、主に以下のものに反応がありました。

①環境要因

  • A.家族の人間関係
  • B.家のWi-Fi環境

②栄養不足

ビタミン・ミネラル不足

  • ビタミンA, B, D, E, Mg, セレン不足
  • 胃酸、消化酵素、胆汁不足

体内の炎症

  • リーキーガット症候群
  • 上咽頭炎
  • SIBO(小腸内細菌増殖症)

お話を聞いてみると、便秘気味で、食事をとると、お腹が膨れるとのことでした。

また、舌の位置も割と下の方にあって、慢性上咽頭炎が疑われる所見でした。

栄養療法で考えると、体内の炎症(リーキーガット、上咽頭炎、SIBO)があって、それを打ち消すために、副腎が疲労し、低血糖におちいっているため、肩こりがするのでは、というストーリーがうかびます。

SIBOがありそうなので、低FODMAPにしてみて、また、あいうべ体操を指導しました。

さて、問題は、①の環境要因です。

①ーBのWi-Fi環境に関しては、現在多くの人にとってストレスになっているようです。

この方は、自分の部屋にあるWi-Fiを夜切ってもらったところ、よく眠れるようになったとのことでした。

そして、最大なストレス源は人間関係でした。

キネシオロジーでは、肩こりの最大の原因は人間関係と出ました。

どんな人間関係かと探っていくと、、

「母との関係」が出ました。

そして、その感情を探っていくと、子供の頃に、母に怒られる、腹をたてられる、ということに、大きなストレスを感じているようでした。

本人に聞いてみると、いつも、お母さんがキレていることが多くて、それが大変ストレスとのことでした。

お母さんがキレるタイミングを聞いてみると、夕食前とかに多いとのことでしたので、お母さんも低血糖におちいっている可能性が感じられました。

本人も、肩こりと、お母さんがキレる、ということが関連している可能性を言われて、びっくりしていました。

低中性脂肪と、お母さんとの関係というのが、やはり大きく関連しているようでした。

このように、キネシオロジーで系統立てて調べていくことによって、その人のストレスの根本原因を探ることができます。

それと同時に、その人のエネルギーを常に奪っているものを突き止めて、解消する、という作業は、副腎疲労を解決するためにはとても重要な作業だと考えられます。

当院における取り組み

当院では、低中性脂肪である場合、まずは低血糖の補正を食事で行います。

そして、低血糖の原因になっている可能性のある、副腎疲労について、対処を行っています。

ご希望の方は、栄養外来をご検討ください。

まとめ

低中性脂肪があるということは、エネルギーが常に枯渇していることを示していて、そのためとても疲れやすい原因になります。

低血糖をきたしている可能性があるので、まずは補食をして、低血糖を改善させる必要があります。

低中性脂肪は、その原因が時として、心理的側面に深く根ざしていることもあります。

開院記念により通常5,000円のところ期間限定で無料相談会を行っています。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

参考文献

(1)幼少期の心理的ストレスとレジリエンス 小花和 Wright 尚子:日本生理人類学会誌 Vol.7, No1, p25, 2002

(2)ストレスによる不安のメカニズム 塩入俊樹:女性心身医学 Vol.16, No3, p236, 2002

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