原宿・表参道の東京原宿クリニック 院長の篠原です。
日中はそれほどでもないのに、夜、横になったときに咳が止まらないことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そして、そのような方の多くは、市販の咳止めや、病院からもらった、鎮咳薬が効かないことが多いのです。
今回は、横になると咳が止まらない原因と、その対処法をお話したいと思います。
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Contents
横になると咳が止まらない理由
その理由は何個かあります。
理由1:自律神経が切り替わる
私たちが空気の通る道である、気道の太さというのは、実は自律神経によって支配されています。
自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれています。
交感神経は、ストレス時に働いて、闘ったり逃げたりするときに働き、体を調整します。
呼吸をしやすくするため、より多くの空気を取り入れるために、気道を拡張させます。
一方、副交感神経は、リラックス時に働き、体を回復させる役目があります。
交感神経のときとは逆に、気道に対しては、収縮させます。
日中、私達は、仕事や生活などのストレスに対応するので交感神経が優位になります。
すると、気道は広がります。
ところが、夜になると、眠りにつくために交感神経が副交感神経に切り替わります。
そのため、気道が狭くなります。
このときに、気道が狭くなるので、咳が出やすくなるわけです。
理由2:内因性のステロイドが少なくなる
人は、自分で、副腎という臓器からステロイドというホルモンを作っています。
これを内因性ステロイドといいます。
ステロイドは、炎症を止めるという作用があります。
内因性ステロイドは、午前中〜日中にかけて多く作られ、夜になると少なくなります。
つまり、夜になると、気道の炎症を止めるためのステロイドが少なくなり、炎症が起きやすくなることが考えられます。
炎症がおきると、咳が出やすくなります。
理由3:温度の変化
気道は、温度の変化に敏感で、変化するときに咳が出やすくなります。
夜は気温が低下するので、特に気道が過敏の方は、咳が出やすくなると考えられます。
横になると咳が止まらなくなる病気
もともと、気道がせまくなるような病気があった場合、上記のような自律神経の変化、炎症、気温の変化などに対して咳が出やすくなります。
そのような病気で最も多いのが、咳喘息や気管支喘息です。(アトピー咳嗽については、ここでは省略します)
ともに気道に炎症がおきて、そのせいで、気道が過敏になって咳や呼吸困難になってしまうものです。
このような状態を放おっておくと、通常進行してしまうか、治りにくくなってしまいます。
つまり、横になると咳が止まらない状態が4週間以上も続かないということであれば、病院で診てもらうことが大事になってきます。
また、近年注目を浴びている、慢性上咽頭炎という病気があります。
上咽頭というところに、炎症がおきることにより、咳や全身の体調不良が起きてしまいます。
その一つの治療法として、上咽頭に対する擦過療法というものもあります。
上咽頭擦過療法については、以下を御覧ください。
横になると咳が出るときの対処法
もちろん、病院にかかるということも大切ですが、自分でできる方法はどんなものがあるでしょうか。
方法1:布団や部屋をきれいにする
喘息は、アレルギーによって起きることがおおいです。
そのアレルギー源として、ダニやほこりが多いので、それをきれいにしておくことが大切になります。
方法2:加湿する
空気が乾燥してしまうことで、気道へ刺激をあたえてしまいます。
水分を飲んだり、加湿器を使ったりして、保湿をしてみましょう。
また、マスクをして、保湿するのも効果的です。
方法3:暖める
体と首を暖めましょう。
気道は、温度の変化に弱いので、なるべく暖めることを意識しましょう。
方法4:鼻うがい
咳喘息や、慢性咳の原因として、慢性上咽頭炎があるというお話をしましたが、その治療や予防に有効なのは、鼻うがいで、これは自分で行うことができます。
生理食塩水をスポイトなどの容器に入れて、仰向けに寝て、両方の鼻に2mlずつ入れて、しばらくしてから、飲み込むといいです。
朝起きた時と、寝る前にやるのが効果的です。
以下のような、市販のものを使うと便利です。
横になると咳が出る場合のセルフチェックテスト
咳喘息や、逆流性食道炎や、心不全といった可能性がどのくらいあるのか、セルフチェックテストを行ってみて下さい。ただし、これは診断にはなりませんので、可能性としてお考え下さい。
横になると咳が止まらない他の病気
咳喘息や喘息の他に、逆流性食道炎や、心不全といった可能性もあります。
長引く場合は、病院を受診しましょう。
当院では、咳の症状から咳の原因を鑑別していきます。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。