原宿・表参道の東京原宿クリニック 院長の篠原です。
風邪をひいて、熱が出て、咳が出るという状況は、ある意味わかりやすいです。
風邪が治ってくるにつれて、咳も改善してくることが多いからです。
ところが、熱もないのに、咳が止まらないといった状況が長く続いている場合、それは、危険な状況が隠れている場合もありますので、呼吸器内科の受診をおすすめいたします。
今回は、そのような状況の時に考えるべき原因と対処法をお話したいと思います。
Contents
熱はないのに咳が止まらない時に考える病気
①感染後咳嗽
ウイルスや細菌などにかかった後に、治りにくい咳です。
感染しても、熱が出る場合と出ない場合があり、後者の場合は、感染症とわかりにくい時もあります。
気道に感染すると、気道の粘膜が障害を受けるために、刺激を受けやすい状況となっており、そのため咳が続くというわけです。
人にもよりますが、4週間〜8週間ほど長引く方もいらっしゃいます。
この場合、咳に対しては咳止めを服用し、咳が改善してくるのを待ちます。
感染後咳嗽の場合、慢性上咽頭炎といって、上咽頭に持続的な炎症がみられることがあります。
その場合、慢性上咽頭炎を改善する、というアプローチが、咳を改善するために有効だったりします。
ご自分で出来ることとしては、生理食塩水などで鼻うがいをすることで、慢性上咽頭炎の改善に繋がります。
以下のようなキットを用いると、より簡便になります。
また、より根本的に改善したい場合は、Bスポット療法なども有効な治療になります。
②咳喘息
咳喘息は、気管支喘息の一種で、咳を主体とした気管支喘息のことを言います。
喘息は、空気の通り道である気道に炎症が起こり、そのため気道が狭くなって咳が発現してしまう病気です。
この場合、薬局や、通常の咳止めでは改善しません。
気道の炎症を止めるための吸入薬を主軸に用いての治療が必要となってきます。
①の感染後咳嗽と区別が難しいことがあります。
なぜなら、咳喘息も、感染の後に出てくることが多いからです。
そして、怖いのは、咳喘息を放おっておくと、ヒューヒューゼーゼーする、気管支喘息に以降する可能性があるということです。
早期発見、早期治療が重要となってきます。
ところが、この場合においても、前出のような、慢性上咽頭炎への対処が有効の場合があり、鼻うがいや、Bスポットなども有効です。
③慢性気管支炎・COPD
こちらは、主に「タバコ病」です。
タバコによる有害物質を長期に吸っていると、気道に炎症が生じてしまいます。
痰を伴ったり、息切れをしたりします。
この場合、原因となるタバコを早く中止し、進行を止める、ということが最も大切になります。
そして、症状緩和のため、吸入薬を用いたりします。
④肺がん
最も見逃したくないのが、肺がんです。
熱はないのに、咳が出ます。
進行してくると、痛みや、血痰などの症状がみられます。
ただ、初期の場合は、なかなか症状が出ず、見つけにくいということもあります。
ここでも、タバコはリスクとなります。
早期にCT検査などを行い、早期発見につとめましょう。
対処法
咳が出て、まだ間もない場合、明らかに喉が痛かったりというような、感染症状があれば、様子をみたり、薬局での咳止めで様子をみてもいいと思います。
しかし、咳が長引いたり(>4週間以上)、全く風邪症状がなかった場合などは、その影に病気が隠れている場合があります。
その場合、呼吸器内科への受診をおすすめいたします。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。