「しっかり寝ているはずなのに、なんだか疲れがとれない」 「サプリメントを飲んでいるのに、効果を実感しにくい」 「季節の変わり目や環境の変化で、すぐに体調を崩してしまう」
このような「なんとなくの不調」に、実はビタミンDの欠乏が関係しているかもしれません。
ビタミンDは、骨の健康に不可欠な栄養素として知られていますが、その役割は骨だけにとどまりません。近年の研究では、免疫機能の調整、がんや認知症の予防、アレルギー症状の緩和、精神的な安定など、私たちの心身の健康を根幹から支える極めて重要な役割を担っていることが明らかになっています。
しかし、多くの日本人がこの重要なビタミンDが不足しているのが現状です。
当院では、一般的な対症療法とは一線を画し、不調の「根本原因」を探求する機能性医学の観点から、ビタミンDの重要性に着目。経口サプリメントでは効果を実感しにくい方へ、より確実で効率的な選択肢として「ビタミンD注射」による補充療法をご提案しています。
この記事では、なぜビタミンDがこれほどまでに重要なのか、そしてなぜ「注射」が有効な選択肢となるのかを、機能性医学の知見を交えて詳しく解説します。
【最重要】なぜサプリではなく「注射」なのか?吸収率の鍵は「腸」にある
「ビタミンDなら、サプリメントで摂れば十分なのでは?」 そう思われる方も多いかもしれません。しかし、そこに大きな落とし穴があります。
どれだけ高品質なサプリメントを摂取しても、その栄養素を吸収する「腸」の状態が整っていなければ、体内に取り込まれず、効果は限定的になってしまいます。
機能性医学では、腸は単なる消化器官ではなく、全身の健康を司る免疫システムの中枢と考えます。しかし、ストレス、偏った食事、食品添加物などにより腸内環境が悪化すると、腸の粘膜のバリア機能が低下し、本来ブロックすべき未消化物や有害物質が体内へ漏れ出してしまう「リーキーガット(腸管壁浸漏症候群)」という状態を引き起こすことがあります。
リーキーガットの状態では、栄養素の吸収効率が著しく低下します。
海外の研究(※)でも、ビタミンDの欠乏が腸管バリア機能の低下を招き、リーキーガットを悪化させる可能性が示唆されています。つまり、「ビタミンD不足」と「腸内環境の悪化」は、互いに影響し合う負のスパイラルに陥りやすいのです。 (※参考: “Vitamin D and the Host-Gut Microbiome: A Brief Overview“)
ビタミンD注射は、この消化管の吸収プロセスを介さず、有効成分を直接血中に届けます。
腸内環境に問題を抱えている方や、サプリメントの効果を実感しにくい方にとって、注射による補充は、体内のビタミンD濃度を確実かつ迅速に引き上げるための最も合理的なアプローチと言えるのです。
ビタミンDがもたらす広範な健康効果【症状別チェックリスト】
ビタミンDは、体内の様々な細胞にある「ビタミンD受容体(VDR)」に結合することで、遺伝子レベルで多彩な働きを発揮します。あなたの気になる症状が、実はビタミンD不足に起因しているかもしれません。
□ 免疫機能の最適化(風邪、アレルギー、自己免疫疾患) ビタミンDは、体内に侵入したウイルスや細菌と戦う「自然免疫」を強化する一方、免疫システムが暴走して正常な細胞を攻撃するのを防ぐ「過剰な炎症反応の抑制」という、二つの重要な役割を担います。これにより、風邪やインフルエンザの予防、アトピーや花粉症などのアレルギー症状の緩和、さらには自己免疫疾患のリスク低減にも繋がることが、大規模臨床試験(VITAL試験)などで示されています。
□ がんリスクの低減 複数の研究で、血中のビタミンD濃度が高いグループは、低いグループに比べて大腸がんや乳がんなどの特定のがんの発生リスクが低いことが報告されています。ビタミンDには、がん細胞の増殖を抑制し、細胞死(アポトーシス)を誘導する働きがあると考えられています。
□ 認知症予防と脳機能のサポート ビタミンDは、脳の神経細胞を保護し、認知機能を維持する上でも重要な役割を果たします。血中ビタミンD濃度の低下が、将来的な認知症のリスクを高めるという研究結果も出ています。
□ 精神的な安定と気分の向上 「セロトニン」など、気分の安定に関わる脳内の神経伝達物質の生成にビタミンDが関与しています。原因のわからない気分の落ち込みや、季節性のうつ症状(冬季うつ)の背景に、ビタミンD不足が隠れているケースは少なくありません。
□ 妊活・不妊治療のサポート ビタミンDは、男女双方の生殖機能にとっても重要です。女性では子宮内膜の環境を整え、着床をサポートする働きが、男性では精子の質を高める働きが期待されています。
□ 骨粗しょう症の予防と丈夫な骨の維持 ビタミンDの最もよく知られた働きです。腸管からのカルシウム吸収を促進し、骨の強度を維持します。
診察の流れ
血中濃度測定による現状把握 効果的で安全な補充療法を行うためには、まずご自身の現在のビタミンD濃度を知ることをおすすめします。「なんとなく」で投与するのではなく、採血によって血中の「25(OH)ビタミンD」の値を正確に測定します。ただし、他院で既に検査されている場合や、明らかにビタミンD不足で、血液検査をご希望されない方は、血液検査を省くこともあります。
初回診察・カウンセリング 現在のお悩みや体調について詳しくお伺いします。ビタミンD注射の必要性や効果について、ご説明いたします。
ビタミンD注射の実施 臀部の筋肉に注射します。接種は数分で完了します。臀部に打つ理由は、腕だと稀に接種部位が腫れることがあるからです。
料金
- 血中25(OH)ビタミンD濃度測定:5,500円:ビタミンD濃度測定のみ行いたいという方はこちらをご参照ください。
- 高濃度ビタミンD注射(30万単位)(1回):6,500円
※本治療は、病気の治療を目的としないため、健康保険適用外の自由診療となります。
ビタミンD注射を打つことができない方
・ビタミンD過剰症
・高カルシウム血症
・腎機能障害
・原発性甲状腺機能亢進症
ビタミンD注射を予約する
次の予約ボタンを押していただき、その他の自由診療⇒ビタミンD注射をご選択ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 注射の痛みはどのくらいですか? A. 臀部の筋肉への注射となります。インフルエンザワクチンなどと同様の一般的な筋肉注射の痛みで、接種はすぐに終わります。ただし、その後に稀に人によっては注射部位が腫れることがあります。
Q. 注射の頻度はどのくらいですか? A. 血中濃度や目的によって個人差がありますが、当院ではまず6ヶ月に1回のペースで開始し、血中濃度をモニタリングしながら至適濃度を維持するための最適な間隔を調整していくことを推奨しています。
Q. 効果はいつから実感できますか? A. 個人差がありますが、早い方では数週間後から「寝起きがスッキリした」「疲れにくくなった」といった変化を感じ始めます。免疫力の向上や骨の健康といった内面的な変化は、継続することで着実に現れてきます。
Q. 副作用やリスクはありますか? A. 医師の管理のもと、適切な血中濃度測定に基づいて投与量を決定するため、副作用の心配はほとんどありません。高カルシウム血症や便通異常、骨の痛みなどが起こる可能性も理論上あります。
Q. 経口サプリメントと併用しても良いですか? A. 注射をしている場合は、経口サプリメントを併用すると、過剰になる可能性がありますので控えていただいております。
執筆者 篠原 岳:1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医、消化器内科医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。
