高濃度ビタミンC点滴

高濃度ビタミンC点滴の副腎疲労・アレルギー・アンチエイジングへの有用性

こんにちは、原宿・表参道の東京原宿クリニックです。

今回は、ビタミンCについてお話したいと思います。

ビタミンCは、副腎が働くために必要な栄養素です。

ということは、ビタミンCを補充することで、副腎疲労に対して有利に働くと考えれます。

ところが、食べ物や口から摂るサプリメントでは、吸収されるビタミンC濃度には限界があります。

経口ではなく、点滴で行う、高濃度ビタミンC点滴は、吸収を気にせず、大量のビタミンCを補充できるので、より大きな効果が期待できます。

今回は、ビタミンCの吸収経路、摂取方法、高濃度ビタミンC点滴の文献的な有用性についてお話したいと思います。

ビタミンCと副腎疲労

人間はビタミンCを合成するGLOという酵素に突然変異があり、合成できなくなりました。

そのため、ビタミンCを摂取し続けていないと不足してしまいます。

壊血病というのは、歯茎、消化管粘膜などから出血してしまう病気ですが、これがビタミンC欠乏症です。

厚労省は、1日のビタミンC推奨量を100mg(いちご5個ぐらい)としていますが、これは壊血病を防止する量と考えたほうがいいです。

ビタミンCは多くの仕事をしていて、コラーゲンの合成、活性酸素除去、免疫向上、解毒のために必要です。

ストレスがかかったときには、ビタミンCが消費されることになるので、副腎疲労状態では、多くのビタミンCが必要になります。

ビタミンCは、体内に均一に分布しているわけではなく、脳、白血球、副腎に集まって分布しているので、それだけ副腎疲労にはビタミンCが多量に必要なのもうなづけます。

美肌に効かせるとなると、重要臓器が満たされてから皮膚に行き渡るので、結構大変です。

では、一度に多量にとったらいいのかというと、吸収率の問題があるのでそう簡単ではありません。

ビタミンCの吸収

人とモルモット、サル、コウモリはビタミンCを体内合成できないので、食事から取る必要があります。

それ以外の動物は体内で合成されていて、必要量は体重に比例すると言われています。

犬は0.5g、羊は14gと考えると、人はやはり、2-3gぐらいは毎日必要なのではないでしょうか。

副腎機能アップ、白内障予防、認知症予防、歯周病予防、がん予防ととても幅広いです。

ビタミンCは、水溶性であり、体が必要としている量だけ体にとどまって、いらない分はどんどん排出されてしまいます。

そして、飲んでも、全てが吸収されるわけではなく、1度に1000mg摂取すると、75%ぐらいまで吸収率がさがってしまいます。

2000mgになると、40%まで下がります。

1000mgを頻回(1時間ずつ)でとると、一番血中濃度が上がるということになります。

ライナス・ポーリング博士が、「ビタミンCが風邪に有効」と言い始めてから、大量ビタミンCはある程度効果が認められているので、風邪をひいた時には、1000mgを1時間ずつとるといいかもしれません。

ビタミンCと社会情勢

現在の社会情勢の中では、ビタミンCは今最も必要な栄養素の一つであると考えられます。

繰り返しになりますが、ビタミンCは白血球に多く必要とされているので、免疫機能の要であります。

そして、ビタミンCによりリンパ球が活性化し、ウイルス防御のためのインターフェロンを増やします。

また、ウイルスが肺胞まで侵入してくると、免疫との戦いになり、免疫細胞が活性酸素を作り出します。

活性酸素は戦うためにとても必要ですが、いつまでも活性酸素が残ると、自分自身の肺胞をこわしてしまい、それが急性呼吸不全(ARDS)の原因となります。

ビタミンCは抗酸化作用があるので、余った活性酸素を中和してくれる作用があります。

実際、新型コロナウイルスのICU入室の患者さんの血中ビタミンC濃度は低く、死亡との関連が示唆されました(PMID: 32964205)。

中国の研究では、ウイルス感染者のビタミンC濃度が低いことがわかり、常日頃からのビタミンC濃度をあげておく必要性が示唆されています。

まさに今必要な栄養素の一つというわけです。

高濃度ビタミンC点滴は、吸収率の問題を突破できる

経口ビタミンCは、ある程度以上飲んでも、腸からの吸収の問題で、血中濃度を上げるのに限界があるというお話でした。

その限界を突破することが出来る方法があります。

それが高濃度ビタミンC点滴(IVC)で、消化管をパスして直接血管に入れることができるので、血中濃度をかなり高めることができるようになります。

高濃度ビタミンC点滴は抗がん、アンチエイジングにも用いられますが、前回に引き続き、ウイルス感染対策にはどうでしょうか。

まず、感染予防としては、高濃度ビタミンC点滴がかなり血中濃度を上げることができるので、定期的に行うことで感染予防効果がのぞめます。

2020年のLANCETで、高濃度ビタミンC点滴が新型コロナウイルス患者の救命の一つの方法として考慮されうる、と論文にレビューされています(PMID: 32203709)。

本家中国の武漢大学附属中南病院では、新型コロナウイルス重症肺炎患者に1日24gのIVCで、酸素化改善、炎症改善したとの報告があります(PMID: 33420963)。

予防にも治療にも、高濃度ビタミンC点滴は有用かもしれません。

IVCとがん

がんについての高濃度ビタミンC点滴の効果は、議論中です。

1976年にノーベル賞受賞者のライナス・ポーリング博士が、がん患者に点滴と経口でのCで生存期間が約4倍伸びたと報告しました。

その後、メイヨークリニックが2度、ビタミンCががんに有効ではないと発表し、一時忘れられました(ビタミンCが点滴ではなく、経口でしたが)。

ビタミンCは経口ではどれだけ飲んでも、吸収の問題で血中濃度が上がり止まり、がんに有効なところまで届きません。

ところが、2005年を皮切りに高濃度ビタミンCの有効性の論文が出て、特に海外では多く用いられています。

高濃度ビタミンC点滴程の高濃度になると、がん細胞周囲でH202という過酸化水素が放出され、がんを死滅させる一方、正常細胞はカタラーゼという酵素により、ダメージはありません。

もちろん、全員に有効であるということでもありませんが、少なくとも抗がん剤の副作用を軽減させたり、ADLが向上するという作用はよくみられるようです。

高濃度ビタミンC点滴と疲労

疲労といえば、副腎です。

副腎を酷使すると、ビタミンCを大量に消費してしまいます。

その意味で、普段からビタミンCを意識したほうがいいと思います。

点滴で入れる、高濃度ビタミンCはどうでしょうか。

疲労は、ある意味、オーバーワークによって活性酸素酸素が大量に発生し、十分処理できなくなった場合に、細胞機能の低下が起きて、疲労感が生じるとも考えられています。https://bit.ly/3AtTM0Y 

高濃度ビタミンC点滴の一つの作用に、抗酸化作用があります。

オフィスワーカー141人をランダムに分けて、高濃度ビタミンC点滴群とプラセボ群に分けて投与すると、疲労スコアが投与2時間後に減少し、1日継続しました。

また、倦怠感は、血中ビタミンC濃度が低いグループにおいて、高濃度ビタミンC点滴により軽減しました(PMID 22264303)。

高濃度ビタミンC点滴とアレルギー

ビタミンCの抗酸化作用は、アレルギーにも有効です。

アレルギーでは、炎症細胞による膜結合型NADPHオキシダーゼが、活性酸素を誘導することが重要な役割をしていると考えられています。

アレルギーに関与するヒスタミンは、炎症や活性酸素がトリガーとなって作られて、その結果、肥満細胞の脱顆粒を引き起こします。

ということは、アレルギーにおいても、活性酸素を抑えるということがとても大事だということです。

ここで言う、アレルギーとは、呼吸器、皮膚のアレルギーを含みます。

アレルギー症状を持つ患者さんに、ビタミンC点滴を行ったところ、呼吸器症状も皮膚症状(かゆみなど)が93%の人が改善しました(PMID 29950123)。

高濃度ビタミンC点滴の抗酸化作用で活性酸素を改善し、ヒスタミン生産を下げたことが考えられました。

また、高濃度ビタミンC点滴はコラーゲン生成を補助します。

アトピーは、皮膚の防御が弱っている状況であり、高濃度ビタミンC点滴がそれを改善した可能性があります。

皮膚は五行でいう「金」であり、防御です。

ビタミンCは、防御を強化してくれるものと感じました。

高濃度ビタミンC点滴とアンチエイジング

高濃度ビタミンC点滴と言えば、アンチエイジング。

多く用いられているのがこの分野でしょう。

ビタミンCが、肌にいいということはよく知られています。

しかし、今までお話してきたように、肌にビタミンCが届くまでには、もっと大切な臓器が、まずビタミンCが足りてないといけません。

つまり、美容より、副腎疲労の方が体にとって大事なので、まずはビタミンCは副腎に使われることになります。

副腎が満たってから、皮膚にくるとなると、やはり高濃度ビタミンC点滴がより、美容にとってもいいというのは納得できると思います。

ビタミンCの肌のおける働きは、前回お話した、コラーゲン生成です。

コラーゲンの材料として、鉄、タンパク質、ビタミンCなどが大切なので、一緒に意識しましょう。

また、ビタミンCは、メラニン生成の抑制効果があるために、メラニンによって色の黒くなった肌が還元されて白くすることを助けます。

このようなマルチな働きによって、肌に有効ですし、またターンオーバー周期が約30日と言われているので、肌を目的にするとしたら、月1ぐらいがいいのではと考えます。

高濃度ビタミンCと痛み

帯状疱疹ってご存知ですか?

治療自体は抗ウイルス薬を1週間ぐらいのんで終了なのですが、本当に苦しいのはここからです。

とにかく、痛い・・・

ペインクリニックに行っている方も多いかと思います。

ビタミンCとの関係はどうでしょうか。

帯状疱疹後神経痛の患者さんでは健康な人と比較して、血中ビタミンC濃度が有意に低下していました。

そして、高濃度ビタミンCの点滴により、帯状疱疹後神経痛は劇的に減少しました(PMID: 17122283)。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは、整形外科的な創傷が治った後にも痛みが続くもので、ビタミンCが足りないとなりやすいようです。

そして、ビタミンC点滴により発生率が低下します(PMID 28410599)。

鎮痛の機序としては、ビタミンCの抗酸化や抗炎症効果が想定されています。

痛みが中々改善しない方の一つの方法かもしれませんね。

ただG6PD欠損症や、体内に水が貯まる病気、尿管結石の方などは IVCは行いにくいので注意です。

まとめ

ビタミンCは、副腎や脳、皮膚に対して多くの重要な作用を行っています。

経口から飲んでも吸収に上限がありますが、高濃度ビタミンC点滴では経口よりも10~20倍の量のビタミンCを補給することができます。

高濃度ビタミンC点滴は、疲労、アレルギー、アンチエイジングなどへの有用性の論文が多く発表されています。

高濃度ビタミンCは、ストレス社会に生きる私達にとって、有用と考えられました。

関連記事