高濃度ビタミンC点滴に危険はないんでしょうか。
表参道・原宿の東京原宿クリニック 篠原です。
高濃度ビタミンC点滴には、基本的には重篤な副作用はありません。
しかしながら、気をつけるべき点がありますので、そちらについてお話します。
気をつけるべきところをおさえることで、安心してうけることが可能になります。
Contents
受けてはいけない人
まずは、高濃度ビタミンC点滴を受けることによって、かえって体調を崩してしまう可能性があるので、受けてはいけない人のことについてお伝えします。
①G6PD欠損症
G6PDとはグルコース-6-リン酸脱水素酵素のことで、この酵素の活性が低下していると、酸化を防御する還元型グルタチオンが不十分となり、主として血管の中で溶血をきたしてしまいます。普通の生活ではとくに症状がないですが、感染や薬剤などを摂取後に溶血をおこしてしまうことがあります。
高濃度ビタミンCが作る、活性酸素によって、溶血をすることがありますので、高濃度、特に25g以上のビタミンC点滴をする場合には、G6PD酵素活性を検査して確認しておく必要があります。
②心不全
高濃度ビタミンC点滴は、濃度が高いために、心臓に負担がかかって、心不全が悪化する可能性があります。
③腎不全
高度の腎不全や透析をしている患者さんは、高濃度ビタミンC点滴を行うことでシュウ酸の生成が増えてしまい、さらに腎機能が低下してしまう可能性があります。
④胸水や腹水が大量に貯留している場合
高濃度ビタミンC点滴の水分負荷によって、体内に貯留している胸水や腹水がさらに増えてしまい、悪化してしまう可能性があります。
点滴を受けている間に起こる副作用
基本的に重篤な副作用はありませんが、受けている最中に以下のことが起こる可能性があります。
①口渇(喉が渇く)
高濃度ビタミンC点滴には利尿作用があるために、脱水や喉が渇く可能性があります。
あらかじめ、水分を持ってきて、喉がかわいたときに飲めるようにしておいたほうがいいです。
当院では、水分(ミネラルウオーター)を用意しています。
②点滴の痛み
高濃度ビタミンC点滴は点滴であるために刺入部に痛みがありますが、それに加えて、血管痛が強くなることがあります。
その場合、点滴速度を遅くすることや、マグネシウムを増量することで対処できますので、痛みが強いようなら言って下さい。
③低カルシウム血症(筋肉のけいれん)
高濃度ビタミンC点滴は、カルシウムをキレートして、カルシウム濃度が低下することにより、筋肉がけいれんすることがあります。そのときには、カルシウムを追加することで改善します。
④低血糖(めまい、ふらつきなど)
ビタミンCの構造が、ブドウ糖と似ており、高濃度ビタミンC点滴によりビタミンCが体内に入ると、インスリンがブドウ糖と勘違いして、インスリンが分泌されることにより、血糖値が下がることがあります。
そのため、点滴を受ける前には、食事を食べておくことが必要になります。
⑤高血糖(血糖測定器上のみせかけ)
前述の様に、ビタミンCとブドウ糖の構造が似ているために、血糖測定器を用いると高血糖と表示されることがあります。
その値をみて、インスリン製剤を打つと危険ですので、少なくとも点滴してから12時間は血糖測定を控えて下さい。
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