分子栄養学

遅延型フードアレルギー検査の選び方|C3dを見るFIT検査

こんにちは、東京原宿クリニック 院長 篠原岳です。

「食物アレルギー検査を受けたら、いろいろな食品に反応が出ました」

「でも、IgG検査は意味がないとも聞きました。結局、何を信じればよいのでしょうか」

「IgG検査、C3d、FIT132、FIT176という名前を見ましたが、何が違うのでしょうか」

診察室でも、このような相談を受けることがあります。

食物と体調の関係は、非常に難しいテーマです。

食後すぐに蕁麻疹、咳、喉の違和感、呼吸苦、腹痛、嘔吐などが出る即時型食物アレルギーであれば、比較的わかりやすいことがあります。一方で、慢性的な疲労感、頭痛、ブレインフォグ、お腹の張り、皮膚症状、関節痛のような症状は、食事との関係があっても時間差があり、本人にも見えにくいことがあります。

そこで使われることがあるのが、いわゆる遅延型フードアレルギー検査、食物過敏検査です。

その中でも、KBMO DiagnosticsのFIT検査は、IgGに加えて補体C3dや腸管バリアパネルを組み合わせて見る点が特徴です。国内では、FIT176+GBP、FIT132+GBPといったパネルが案内されています。

ただし、患者さんが最初から「FIT検査」と検索することは、まだ多くないと思います。多くの場合は、「遅延型フードアレルギー検査」「IgG検査 意味ない」「食物過敏検査」「リーキーガット 検査」といった言葉から情報を探しているはずです。

この記事では、遅延型フードアレルギー検査をどう考えるか、一般的なIgG検査とFIT検査は何が違うのか、FIT176・FIT132をどう選ぶのか、そして当院ではこの検査をどのように機能性医学的に使うのかを整理します。

もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

また、公式LINEでは腸内環境の改善や体調管理に関する情報を随時お届けしています。お得なクーポンも配布していますので、ぜひご登録ください。

この記事の結論

FIT検査は、即時型食物アレルギーを診断する検査ではありません。

一方で、一般的なIgG検査と異なり、IgGに加えて補体C3dを同時に見ることで、食物への反応が単なる摂取歴なのか、補体活性化を伴う炎症性の反応に近いのかを考える材料になります。

また、FIT176やFIT132では、食品反応だけでなく、Zonulin、Occludin、LPS、Candidaなどを含む腸管バリアパネルを組み合わせて見るため、食事、腸管バリア、慢性炎症の関係を機能性医学的に整理しやすくなります。

ただし、結果を「禁止食品リスト」として使うものではありません。症状ログ、食事歴、便通、腸内環境、除去・再導入の反応と合わせて、食事介入の優先順位を決める材料として読むことが大切です。

まず確認:FIT検査は即時型食物アレルギーを診断する検査ではありません

即時型食物アレルギー診断とFIT検査の違い

最初に、最も大事な点から確認します。

FIT検査は、一般的な即時型食物アレルギーを診断する検査ではありません。

即時型食物アレルギーでは、主にIgE抗体が関与します。原因食品を食べて数分から数時間以内に、蕁麻疹、喉の違和感、咳、喘鳴、腹痛、嘔吐、血圧低下、アナフィラキシーなどが起こるタイプです。

この場合は、病歴、症状の再現性、特異的IgE検査、皮膚プリックテスト、必要に応じた食物経口負荷試験などを組み合わせて、専門的に評価します。

一方、FIT検査は、IgG1-4、補体C3d、パネルによっては腸管バリアマーカーを中心に、食物や添加物に対する免疫反応を見ようとする検査です。

反応が出たからといって、「その食品に即時型アレルギーがある」「食べると危険」と判断するものではありません。

過去にアナフィラキシー、呼吸困難、全身蕁麻疹、血圧低下などを起こした食品については、FIT検査の結果が陰性でも自己判断で食べてはいけません。ここは必ず分けて考える必要があります。

以前の記事でも、IgG検査を「犯人探し」にしないことの重要性を解説しています。

遅延型フードアレルギー検査は“意味ない”のか?リーキーガットを評価し不調の根本原因を探る最新アプローチ

従来型の食物アレルギーIgG検査については、検査ページでも概要をまとめています。

遅延型フードアレルギー検査(食物アレルギーIgG検査)

FIT検査とは?IgGだけでなくC3dを見る食物反応検査

FIT検査で見るIgG C3d 腸管バリア 症状ログの関係

FITは、Food Inflammation Testの略です。

KBMO Diagnosticsでは、FIT検査を、食物過敏、炎症、腸管バリアの状態をひとつの流れで評価するための検査として説明しています。

特徴は、単なるIgG単独検査ではなく、IgGと補体C3dを同時に見ることです。さらに、FIT176やFIT132ではGut Barrier Panel、つまり腸管バリアパネルが組み合わさります。

FIT検査で見ようとしているものを整理すると、次のようになります。

見るもの意味
IgG1-4食品に対する免疫反応・曝露の情報
C3d補体活性化を伴う反応の可能性
IgA1-2腸粘膜免疫の文脈を考える材料
腸管バリアパネルリーキーガット、カンジダ、ゾヌリン、オクルディン、LPSなどの文脈

一般的なIgG検査は、「その食品に対するIgGが高いか」を見る検査です。

一方でFIT検査は、「IgGだけでなく、C3dや腸管バリアの情報も合わせて、食事と腸と免疫の関係を読む」検査と考えると理解しやすいと思います。

FIT176・FIT132の違いと選び方

FIT176とFIT132の違いと選び方

FITには複数のパネルがあります。

国内で案内されている代表的なものは、FIT176+GBPとFIT132+GBPです。

パネル主な内容特徴向いているケース
FIT176176種類の食品・着色料・添加物を評価。国内ではFIT176+GBPとして食品175項目+GBP8項目の案内が確認できます最も広いパネル。添加物、香辛料、ナッツ、魚介、穀類、果物、野菜などを広く見る食事内容が多様、反応食品が多そう、慢性症状が長く複雑、最初から広く整理したい
FIT132132種類の食品・着色料・添加物を評価。国内ではFIT132+GBPとして食品131項目+GBP8項目の案内が確認できます標準的で使いやすいパネル。日本人にも馴染みのある主要食品を広く見る多くの方にとってバランスがよい。慢性不調と食事・腸管バリアの関係を整理したい

国内のアンブロシア社ページでは、2026年6月時点で、FIT176+GBPパネルとFIT132+GBPパネルの掲載が確認できます。

具体的にどのような食品を見るのかも、検査選びでは大切です。

FIT132は、日常的に食べる主要食品を広く押さえる標準パネルです。FIT176は、FIT132の主要カテゴリに加えて、穀類、果物、野菜、スパイス、魚介、ナッツ、添加物、甘味料・オイル類などがさらに細かく広がるイメージです。

2026年6月時点で公開されている検査項目を、読者が選びやすいように整理すると、次のようになります。

食品カテゴリFIT132で見られる主な範囲FIT176で広がる主な項目
乳製品カゼイン、ヤギ乳、牛乳、ホエイ羊乳が追加
卵白、卵黄同系統
穀類大麦、雑穀、オート麦、白米、ライ麦、小麦グルテン、全粒小麦アマランサス、蕎麦、タカキビ、スペルト小麦、タピオカ、小麦グリジアンなどが追加
果物リンゴ、アボカド、バナナ、ブルーベリー、メロン類、柑橘類、桃、梨、パイナップル、イチゴ、スイカなどアサイー、アンズ、イチジク、キウイ、ゴジベリー、マンゴー、ラカンカ、パパイヤなどが追加
添加物アスパルテーム、安息香酸、BHA、MSG、ポリソルベート80、赤色3号、赤色40号、サッカリン、黄色5号食酢が追加され、添加物は10種類に
野菜アーティチョーク、アスパラガス、ビーツ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ヒヨコ豆、トウモロコシ、キュウリ、レタス、タマネギ、グリーンピース、ピーマン、サツマイモ、ジャガイモ、ほうれん草、トマト、ズッキーニなどルッコラ、芽キャベツ、ナス、ケール、ペポカボチャなどが追加
微生物・イーストカンジダ、製パン用イースト、醸造用イースト同系統
豆・嗜好品ココア、コーヒー、キドニー豆、白インゲン豆、うずら豆、レンズ豆、大豆黒インゲン豆、サヤインゲンが追加
スパイスバジル、シナモン、ニンニク、ショウガ、ホップ、マスタード、オレガノ、パプリカ、黒コショウ、唐辛子、ペパーミント、ローズマリー、ターメリック、バニラコリアンダー、クローブ、クミン、パセリが追加
タラ、カレイ、オヒョウ、サケ、シーバス、フエダイ、メカジキ、マス、マグロカタクチイワシ、サバ、イワシが追加
肉・家禽牛肉、ベーコン、ラム肉、豚肉、鶏肉、鴨肉、七面鳥肉鹿肉が追加
抽出物・その他アガベ、キャノーラオイル、マッシュルーム、スピルリナ、サトウキビ、紅茶、赤ワインココナッツオイル、CBD、ハチミツ、メープルシロップ、ステビアなどが追加
種子ディルシード、フラックスシード、キノア、ゴマ、ヒマワリ種子チアシード、ヘンプシードが追加
シェルフィッシュハマグリ/アサリ、カニ、ロブスター、ホタテ貝、エビカキ、イカが追加
ナッツアーモンド、カシューナッツ、ココナッツ、セイヨウグルミ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、ペカンブラジルナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、松の実が追加

つまり、FIT132は「まず主要な食品との関係を広く見たい」方に向いています。

一方で、FIT176は、スパイス、添加物、ナッツ、魚介、果物、甘味料・オイル類なども含めて、もう少し細かく食事との関係を見たい方に向いています。

ただし、検査項目は改定されることがあります。実際に検査を選ぶ際には、最新の検査項目と費用を確認したうえで、症状や食事歴に合うものを選ぶことが大切です。

ここで大切なのは、項目数が多いほど常に良い、というわけではないことです。

項目数が多い検査は情報量が増えます。一方で、反応項目が増えるほど、患者さんは不安になりやすく、除去食が広がりすぎるリスクもあります。

ですから、FIT176とFIT132の選び方は、「どちらが一番強い検査か」ではなく、「何を知りたいのか」「結果をどう使うのか」で考える必要があります。

FIT176が向いている人

FIT176は、FITシリーズの中でも広い範囲を見たいときに使いやすいパネルです。

国内で案内されているFIT176+GBPパネルでは、日本人にも馴染みのある食品175項目に対するIgG抗体・C3dを調べる検査に、腸管バリアパネルがセットされています。添加物、香辛料、CBDなども含まれる点が特徴として紹介されています。

次のような方では、FIT176を検討することがあります。

  • 食事内容が多様で、反応食品を広く整理したい
  • 慢性疲労、ブレインフォグ、皮膚症状、頭痛、関節痛、腹部膨満などが長く続いている
  • すでに小麦、乳製品、卵などを避けているが、何を戻してよいかわからない
  • 食品だけでなく、添加物や香辛料も含めて見たい
  • 腸管バリアパネルと合わせて、腸と免疫の状態を立体的に見たい

ただし、広いパネルほど「赤い項目」が増えやすくなります。

FIT176は、食べられないものを増やすための検査ではありません。むしろ、何を一時的に減らし、何を残し、何を戻していくかを整理するための検査です。

FIT132が向いている人

FIT132は、標準的なパネルとして使いやすい検査です。

国内で案内されているFIT132+GBPパネルでは、日本人にも馴染みのある食品131項目に対するIgG抗体・C3dを調べる検査に、腸管バリアパネルがセットされています。

FIT132は、次のような方に向いています。

  • 初めてFIT検査を受ける
  • 代表的な食品を広く見たい
  • 腸管バリアパネルも同時に確認したい
  • FIT176ほど広い項目数までは必要ない
  • 食事介入の優先順位を整理したい

当院で患者さんに説明する場合、FIT132は「広すぎず、狭すぎず、腸管バリアも一緒に見られる標準的な選択肢」として考えやすい検査です。

もちろん、症状が複雑で、食事内容も幅広く、添加物や香辛料まで含めて見たい場合は、FIT176の方が合うこともあります。

もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

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C3dとは何か:一般的なIgG検査との違い

C3dは、補体系と呼ばれる免疫システムに関わるマーカーです。

補体系は、体内に入ってきた異物や免疫複合体に反応し、炎症反応や異物処理に関わる仕組みです。食物抗原と抗体が結びついて免疫複合体を作り、そこに補体系が反応すると、C3という補体成分が分解され、その過程でC3dのような断片が関わります。

少し単純化して言うと、IgG単独検査は「その食品に対する免疫の足跡」を見ている検査です。

一方でC3dを加えると、その足跡の周囲で「補体という炎症システムが動いた可能性」も見ようとします。

ですから、FIT検査は単に「その食品を食べたことがあるか」だけではなく、「その食品への反応が、補体活性化を伴う炎症性の反応に近いのか」を評価しようとする検査、と考えると理解しやすいと思います。

ただし、ここでも注意が必要です。

C3dがあるからといって、「その食品が症状の原因」と確定できるわけではありません。また、「通常のIgG検査より診断精度が確立している」と断言するには、まだ十分な大規模研究があるとは言えません。

言い換えると、FIT検査は、IgG単独検査よりも情報量が多く、食事介入の優先順位づけに役立つ可能性がある検査です。

IgG検査はなぜ「意味ない」と言われるのか

IgG検査が意味ないと言われる理由とFIT検査での読み方

IgG食物検査について調べると、「意味がない」「学会が推奨していない」という情報を見かけると思います。

これは、まったく理由のない批判ではありません。

米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)などは、IgG検査を食物アレルギーや食物不耐症の診断に使うことを推奨していません。理由は、食物に対するIgGが、病的な反応ではなく、単にその食品を食べたことがあること、あるいは免疫がその食品に慣れていることを反映する場合があるからです。

たとえば、毎朝卵を食べている人で卵IgGが高い。毎日ヨーグルトを食べている人で乳製品IgGが高い。

これだけで「卵が悪い」「乳製品が悪い」とは言えません。

IgG検査の結果をそのまま「禁止食品リスト」として使うと、食事がどんどん狭くなります。小麦、卵、乳製品、大豆、ナッツ、魚、米まで除去してしまえば、タンパク質、鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンB群などが不足しやすくなります。

つまり、IgG検査の最大の問題は、検査そのものというよりも、「IgG陽性=原因食品=全部やめる」と短絡的に使われやすい点にあります。

IgG・C3dを使った食事介入の研究ではどこまで分かっているか

IgGやC3dを使った食事介入については、いくつかの研究があります。

たとえば過敏性腸症候群(IBS)では、IgG抗体を参考にした除去食で症状改善を示したランダム化比較試験が報告されています。また、IgG/C3d反応を参考にした除去食で体調改善が示唆された小規模な後ろ向き研究もあります。

ただし、ここで大切なのは、これらの研究が「IgGやC3dで食物アレルギーを診断できる」と示したものではないという点です。

IBSなど一部の領域で食事介入の参考になる可能性はありますが、慢性疲労、皮膚症状、ブレインフォグ、自己免疫症状などすべての慢性不調にそのまま当てはめることはできません。

そのため当院では、FIT検査を診断の決定打ではなく、症状ログ、食事歴、便通、腸内環境、除去・再導入の反応と合わせて読む検査として位置づけています。

FIT検査を機能性医学的に使う理由

機能性医学でFIT検査を食事 腸管バリア 炎症 症状の流れで読む

機能性医学では、症状を単独で見るのではなく、背景にあるシステムの乱れを見ます。

たとえば、慢性疲労、ブレインフォグ、肌荒れ、お腹の張り、片頭痛、関節痛がある場合、「どの食品が犯人か」だけを考えると視野が狭くなります。

本当に見たいのは、次のような流れです。

食事の偏り、消化力低下、ストレス、睡眠不足、薬剤、腸内環境の乱れ
→ 腸管バリアや粘膜免疫への負担
→ 未消化タンパクや微生物由来成分への反応が増える可能性
→ IgG、C3d、Zonulin、Occludin、LPSなどのパターンとして見える
→ 症状・食事歴・便通・睡眠・検査結果を合わせて、介入の順番を決める

つまりFIT検査は、「あなたはこの食品にアレルギーです」と断定するための検査ではありません。

むしろ、現在の腸管バリア、食事との相性、炎症反応の出やすさを整理し、どこから整えるかを決めるための地図です。

リーキーガット(腸漏れ)症候群とは?症状・原因から検査・治療まで徹底解説

腸管バリアパネルで見るリーキーガットの文脈

FIT176やFIT132の重要な点は、食品反応だけでなく、腸管バリアパネルがセットになっていることです。

腸管バリアは、腸の中と体内を隔てる大切な防御壁です。腸の上皮細胞同士は、タイトジャンクションという構造でつながっています。このバリアが乱れると、本来は腸の中に留まるべき未消化タンパク、細菌由来成分、LPSなどが免疫系に触れやすくなり、全身の炎症反応と関わる可能性があります。

FIT176やFIT132に含まれる腸管バリアパネルでは、Candida、Zonulin、Occludin、LPSなどを見ます。

マーカー機能性医学的な見方
Candidaカンジダ・イースト関連の反応や腸内環境の乱れを考える材料
Zonulinタイトジャンクションの開閉、腸管透過性の参考情報
Occludinタイトジャンクション構造の障害を考える材料
LPSグラム陰性菌由来成分と腸管バリア・炎症の文脈

もちろん、これらも単独で「リーキーガット確定」と決めるものではありません。

しかし、食品反応と腸管バリアマーカーを同時に見ることで、「食品そのものが悪いのか」「腸管バリアが乱れているために多くの食品に反応しやすくなっているのか」を考えやすくなります。

ここが、FIT検査を単なる食物アレルギー検査ではなく、腸と免疫を一緒に見る検査として使う理由です。

遅延型フードアレルギー検査・FIT検査が役立ちやすい人

FIT検査は、すべての人に必要な検査ではありません。

たとえば、明らかな即時型アレルギーが疑われる方は、まずアレルギー専門の評価が必要です。乳糖不耐症、セリアック病、薬剤性の症状なども、別の評価が必要です。

一方で、次のような方では、FIT検査が整理の助けになることがあります。

  • 病院の一般的な検査では異常がないが、食後に不調が出やすい
  • 慢性的なお腹の張り、便秘、下痢、ガスが続いている
  • ブレインフォグ、慢性疲労、頭痛、片頭痛がある
  • 湿疹、蕁麻疹、ニキビ、アトピーなど皮膚症状が繰り返す
  • 自己免疫疾患や関節痛があり、食事との関係を疑っている
  • 小麦、乳製品、卵などを何となく避けているが、何をどう戻せばよいかわからない
  • すでに除去食をしていて、食べられるものが狭くなっている

ただし、検査を受ける前から多くの食品を長期間除去している場合、その食品の反応が低く出る可能性があります。

検査前の食事については、自己判断で急に戻すのではなく、過去の反応歴、アナフィラキシー歴、体調を踏まえて医師と相談する必要があります。

FIT検査の費用と自由診療について

FIT検査は、健康保険が使えない自由診療の検査です。

国内のアンブロシア社公式ページでは、2026年6月時点でFIT176+GBPパネル、FIT132+GBPパネルの価格が案内されています。ただし、価格、検査項目、国内での取り扱い、検体量、レポート仕様は改定されることがあります。

また、当院で診察、結果説明、検査レポート、栄養療法を組み合わせる場合には、検査費用とは別に、診察料やレポート料などがかかる場合があります。

実際に受ける場合は、予約時に最新の費用と検査内容をご確認ください。

FIT検査結果の読み方:赤い食品を全部やめる検査ではありません

FIT検査結果で赤い食品を全部やめない読み方

FIT検査で高反応食品が出ると、不安になると思います。

しかし、結果をそのまま「禁止食品一覧」にしてはいけません。

当院では、次のような順番で読みます。

1. まず即時型アレルギーと危険な反応を分ける

過去に食後すぐの蕁麻疹、呼吸苦、喉の閉塞感、血圧低下、アナフィラキシーがあった食品は、FIT検査とは別枠で扱います。

FIT検査の結果がどうであっても、安全確認なしに再摂取しないことが大切です。

2. 強反応食品を中心に見る

低反応の食品まで全部拾うと、食事制限が広がりすぎます。

まずは、反応が強い食品、日常的に多く食べている食品、症状日記と一致する食品を中心に見ます。

3. 食事歴と照らし合わせる

毎日食べているものが高く出ることはあります。

それが「食べすぎのサイン」なのか、「症状の引き金」なのか、「単なる摂取歴」なのかは、食事歴と症状ログを見ないと判断できません。

4. 腸管バリアのパターンを見る

食品反応が多い場合、食べ物がすべて悪いというより、腸管バリアや粘膜免疫の負担が大きい可能性を考えます。

この場合は、食品除去だけでなく、SIBO、腸カンジダ、ピロリ菌、消化酵素不足、胆汁酸、便中炎症、ストレス、睡眠、血糖の乱れなども確認します。

GIMAP腸内環境検査
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5. 除去は短期・少数・再導入前提にする

除去食は、永久追放ではありません。

目的は、体への負担を一時的に減らし、腸の炎症や免疫負荷を落ち着かせ、再び食べられる範囲を広げることです。

基本は、強反応かつ症状と一致する食品を少数に絞り、期間を決めて除去します。その後、体調が安定したら、1食品ずつ再導入して反応を確認します。

「検査で赤かったから一生禁止」ではなく、「今の体がその食品を処理しづらい状態かもしれない。では、腸と消化を整えながら、どう戻すか」を考えるのが機能性医学的な使い方です。

FIT検査で見落としたくない注意点

C3dを含むFIT検査は、IgG単独検査よりも情報量が多い検査です。

ただし、情報量が多い検査ほど、読み方を間違えると不安も増えます。

重要なのは、次の5点です。

  • C3d陽性でも、食物アレルギーの確定診断ではない
  • 陰性でも、即時型アレルギーやアナフィラキシーの安全性を保証しない
  • 陽性食品すべてを長期間除去しない
  • 小児、妊婦、低体重、摂食不安がある方では特に慎重に扱う
  • 検査結果だけでなく、食事歴・症状日記・除去再負荷で検証する

検査は、強い道具です。だからこそ、使い方が大切です。

FIT検査を受けた後の機能性医学的アプローチ

検査結果が出た後は、食品を削るだけでは終わりません。

むしろ、ここからが本番です。

当院では、腸と免疫の回復を、5Rの考え方で整理します。

Remove:負担を一時的に減らす

強反応食品、症状と一致する食品、精製糖、アルコール、超加工食品などを、必要に応じて短期間整理します。

ただし、除去はできるだけ少数に絞ります。食べられるものを減らしすぎると、回復の材料まで不足してしまうからです。

Replace:消化を助ける

胃酸、消化酵素、胆汁の流れ、タンパク質摂取量を確認します。

食物反応が多い方では、食品が悪いのではなく、消化しきれない状態が背景にあることがあります。よく噛む、食事量を整える、タンパク質を急に増やしすぎない、といった基本も大切です。

Reinoculate:腸内環境を育てる

プロバイオティクスやプレバイオティクスは役立つ場合があります。

ただし、SIBOや強い膨満感がある方では、乳酸菌や食物繊維で悪化することもあります。順番を間違えないことが重要です。

SIBO詳細ガイド

Repair:腸粘膜を支える

L-グルタミン、亜鉛、ビタミンA、ビタミンD、オメガ3脂肪酸、コラーゲン、ボーンブロスなどは、腸粘膜を支える材料として検討されます。

ただし、サプリは誰にでも同じ量で入れればよいものではありません。便秘、神経過敏、腎機能、薬剤、既往歴によって調整が必要です。

Rebalance:睡眠・ストレス・血糖を整える

腸は、ストレスと血糖の影響を強く受けます。

夜間低血糖、睡眠不足、強いストレス、過剰なカフェインが続くと、腸の回復は進みにくくなります。朝の日光、補食、カフェイン量の整理、睡眠リズム、軽い運動も、腸と免疫を整える大切な治療の一部です。

まとめ

FIT検査は、一般的なIgG単独の食物検査と違い、IgGに加えて補体C3dを同時に見る検査です。

FIT176とFIT132は、見る食品・添加物の範囲が異なります。

FIT176は広い範囲を見たい方、FIT132は標準的に腸管バリアも含めて整理したい方に向いています。

FIT検査の価値は、食品を怖がるためではなく、食事、腸管バリア、炎症、慢性不調の関係を整理することにあります。

陽性食品がすべて症状の原因とは限りませんし、陰性だから即時型アレルギーが否定できるわけでもありません。

FIT検査は、食事歴、症状日記、腸管バリア、便検査、有機酸検査、睡眠、ストレス、血糖などと合わせて、どこから整えるかを決めるための地図です。

食べ物を怖がるためではなく、もう一度食べられる範囲を広げるために使う。

これが、当院で考えるFIT検査の機能性医学的な位置づけです。

長年の慢性疲労、ブレインフォグ、お腹の張り、皮膚症状、食後の不調でお困りの方は、自己判断で食事を大きく削る前に、一度ご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

FIT検査は食物アレルギーを診断できますか?

FIT検査は、即時型食物アレルギーを診断する検査ではありません。食後すぐの蕁麻疹、呼吸苦、喉の違和感、アナフィラキシーなどが疑われる場合は、特異的IgE検査、皮膚プリックテスト、食物経口負荷試験などを含めて、アレルギー診療として評価する必要があります。

FIT176とFIT132のどちらを選べばよいですか?

広く詳しく見たい場合はFIT176、標準的に主要食品と腸管バリアを見たい場合はFIT132が候補になります。ただし、症状、食事歴、除去食の状況、費用によって適した検査は変わります。

FIT検査と普通のIgG検査の違いは何ですか?

一般的なIgG検査は、食品に対するIgG抗体を中心に見ます。FIT検査では、IgGに加えて補体C3dを同時に見る点が特徴です。FIT176やFIT132では、さらに腸管バリアパネルも合わせて見るため、単なる摂取歴だけでなく、補体活性化や腸管バリアの文脈も考えやすくなります。

C3dが陽性なら、その食品は完全にやめるべきですか?

必ずしもそうではありません。C3d陽性は、補体活性化を伴う反応の可能性を示す情報ですが、その食品が症状の原因と確定するものではありません。当院では、反応の強さ、食事歴、症状ログ、腸管バリアの状態を合わせて、短期間だけ少数の食品を調整し、その後に再導入を確認する方針を重視します。

検査前に食べていない食品は結果に出ますか?

長期間食べていない食品では、該当項目が低値または無反応になる可能性があります。ただし、過去にアナフィラキシーや強い拒絶反応があった食品を、検査のために自己判断で食べ直すことは避けてください。検査前の食事は、既往歴と現在の体調を踏まえて医師と相談して決めます。

FIT検査は保険適用ですか?

FIT検査は、健康保険が使えない自由診療の検査です。検査費用に加えて、診察料、結果説明、検査レポート、栄養療法の費用が別途かかる場合があります。費用や検査項目は改定されることがあるため、実際に受ける場合は予約時に最新情報をご確認ください。

IgG検査は意味ないと言われるのに、FIT検査を使う理由は何ですか?

IgG検査を食物アレルギーの確定診断や、永久的な禁止食品リストとして使うことは適切ではありません。一方で、FIT検査はIgGだけでなくC3d、パネルによっては腸管バリアパネルを合わせて見るため、機能性医学では「腸と免疫の状態を整理し、食事介入の優先順位を決める補助情報」として活用する余地があります。

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参考文献・確認資料

免責事項

本記事は医療・健康に関する情報提供を目的としたものです。特定の疾患の診断、治療、検査の適応を個別に判断するものではありません。食物アレルギーが疑われる場合、特にアナフィラキシーや呼吸器症状がある場合は、必ず医療機関で相談してください。検査や食事制限、サプリメントの使用は、医師または専門家と相談しながら行ってください。

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