表参道・原宿の東京原宿クリニック院長の篠原です。

「夜中に何度も目が覚めてしまい、ぐっすり眠れない」「一度起きるとなかなか寝付けない」… このような「中途覚醒」のお悩みはありませんか?
中途覚醒は、一度寝付いたにもかかわらず、睡眠の途中で意図せず目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けなくなる状態を指します 。寝付きが悪い「入眠困難」や、予定より早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」とは区別されます。
夜中に目が覚めること自体は誰にでも起こりうることですが、それが頻繁に起こり、日中の活動に支障をきたすようになると問題です。睡眠が断片的になることで、十分な睡眠時間を確保していても、「深く眠った気がしない」という熟眠障害(熟眠感欠如)につながりやすくなります。その結果、日中に強い眠気や倦怠感を感じたり、集中力や意欲が低下したり、イライラしやすくなったりと、心身の様々な不調を引き起こす可能性があります。
一般的な不眠対策を試しても改善しない場合、単なる「寝相が悪い」「ストレスが溜まっている」といった問題だけでなく、身体の内部で何らかの生理的なバランスの乱れが起きているサインかもしれません。
当院では栄養療法や機能性医学の観点から、中途覚醒の根本原因を探るアプローチを重視しています。この記事では、中途覚醒を引き起こす可能性のある、見過ごされがちな原因(副腎疲労、低血糖、腸内環境、ホルモンバランス、生活習慣など)を解説し、当院で行っている機能性検査(唾液コルチゾール・メラトニン検査など)や、栄養療法・点滴療法による改善アプローチについてご紹介します。
もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

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Contents
中途覚醒のセルフチェックテスト
ご自身の中途覚醒の状況や関連する可能性のある症状について、以下の項目をチェックしてみましょう。当てはまるものが多いほど、専門的なアプローチが必要となる可能性があります。特に8点以上の場合は、受診を検討しましょう。
(ご注意) このチェックリストは医学的な診断に代わるものではありません。あくまでご自身の状態を知るための目安としてご活用ください。症状が続く場合は、医療機関への相談をお勧めします。
チェックリストの中に、「甘いものや塩辛いものが欲しくなる」「寝汗をかく」といった、一見睡眠とは直接関係なさそうな項目が含まれていることに気づかれたかもしれません。これらは、後述する副腎疲労や血糖値の乱れといった、中途覚醒の根本原因と関連している可能性がある症状なのです。
動画
動画で概要をつかみたい方はこちらからご参照ください。
中途覚醒を招く 5 つの主な原因
一般的な睡眠衛生(寝室環境や就寝前の習慣)を整えても中途覚醒が改善しない場合、身体の内部に原因が隠れている可能性があります。当院では、特に以下の5つの要因に着目して、根本原因を探っていきます。
- 副腎疲労(HPA軸の機能低下):ストレス対応ホルモンのリズムの乱れ
- 低血糖(血糖値の不安定):夜間の血糖値低下による覚醒反応
- 腸内環境の乱れ:腸脳相関を通じた睡眠への悪影響
- ホルモンバランスの変動:特に女性ホルモンや成長ホルモンの影響
- 生活習慣の問題:上記要因を悪化させる、または直接睡眠を妨げる習慣
これらの原因は、それぞれが独立して存在するだけでなく、互いに複雑に関連し合っていることが少なくありません。例えば、慢性的なストレスは副腎疲労を引き起こし、その結果として血糖値のコントロールが不安定になったり、腸内環境が悪化したりすることがあります。そのため、一つの原因だけに注目するのではなく、身体全体を包括的に評価し、個々人に合わせたアプローチを行うことが重要になります。
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副腎疲労と夜間覚醒の関係
「副腎疲労」とは、長期間にわたる精神的・身体的ストレスによって、腎臓の上にある副腎という臓器が疲弊し、ストレス対応ホルモンである「コルチゾール」などを適切に分泌できなくなる状態を指します。これは正式な病名ではありませんが、機能性医学の分野では、様々な不調の背景にある機能的な問題として認識されています。副腎疲労については、こちらもご参照ください。
コルチゾールは、血糖値の維持、炎症の抑制、免疫機能の調整など、生命維持に不可欠な役割を担っています。健康な状態では、コルチゾールの分泌は「日内変動」と呼ばれるリズムを持っています。朝、覚醒に向けて分泌量がピークに達し、日中の活動をサポートした後、夜にかけて徐々に低下し、身体を休息・睡眠モードへと導きます。このリズムは、脳の視床下部(Hypothalamus)、下垂体(Pituitary)、副腎(Adrenal)が連携して制御しており、この経路を「HPA軸」と呼びます。
しかし、慢性的なストレスにさらされ続けると、HPA軸の調節機能が乱れ、コルチゾールの分泌リズムが崩れてしまいます。副腎疲労の初期段階では、ストレスに対抗しようとしてコルチゾールが過剰に分泌されることがありますが、疲労が進行すると、必要な時に十分なコルチゾールを分泌できなくなります。
このコルチゾールリズムの乱れが、中途覚醒に直結します。
- 夜間のコルチゾール高値: 本来、夜間は低下するはずのコルチゾール値が高いままだと、脳が覚醒状態になり、「疲れているのに眠れない」「眠りが浅い」「夜中に目が覚めてしまう」といった状態を引き起こします。交感神経が優位になり、リラックスして深い睡眠に入ることが難しくなるのです。
- 朝のコルチゾール低値: 逆に、朝のコルチゾール分泌が不十分だと、すっきりと目覚めることができず、強い疲労感や倦怠感を感じます。
副腎疲労が進行すると、朝起きるのが辛い、日中の倦怠感、集中力低下、甘いものや塩辛いものへの渇望、ストレスへの耐性低下、免疫力の低下(風邪をひきやすい、治りにくい)、気分の落ち込み、性欲減退といった、セルフチェックリストにもあったような多様な症状が現れることがあります。
さらに重要な点として、コルチゾールは血糖値の維持にも関与しています。コルチゾールの分泌が乱れると、特に空腹時(睡眠中など)に血糖値を安定させる能力が低下し、後述する「夜間低血糖」を引き起こしやすくなる可能性があります。このように、副腎疲労は単独の問題ではなく、血糖調節の問題とも密接に関連しているのです。下の図は正常なコルチゾール分泌リズム(薄い青)と、当院でよく見る、副腎疲労の場合(直線)のコルチゾールリズムの例です。

副腎疲労と唾液コルチゾール検査につきましては、こちらの記事もご参照ください。
低血糖と夜間交感神経亢進
夜中に目が覚める原因として、意外に見過ごされがちなのが「夜間低血糖」です。睡眠中に血糖値が必要以上に低下してしまう状態を指します。
私たちの身体にとって、血糖値が下がりすぎることは生命の危機に直結する非常事態です。そのため、血糖値が一定以下に下がると、身体は血糖値を上昇させるために緊急反応を起こします。具体的には、アドレナリンやノルアドレナリン、そしてコルチゾールといった「血糖上昇ホルモン」が分泌されます 。
これらのホルモン、特にアドレナリンとノルアドレナリンは、交感神経系を強く刺激します 。交感神経は「闘争・逃走モード」の神経であり、心拍数を上げ、血圧を上昇させ、身体を活動的な状態にします。この交感神経の急激な活性化が、深い睡眠状態から強制的に覚醒させてしまうのです。
夜間低血糖による覚醒は、動悸、冷や汗、不安感、悪夢などを伴うこともあります 。また、目が覚めた時に強い空腹感を感じたり、トイレに行きたくなったりすることもありますが 、これは低血糖に対する身体の反応の結果として現れる症状であり、トイレに行きたいから目が覚めたのではなく、低血糖によって目が覚めた結果、尿意を感じている可能性があるのです。
夜間低血糖を引き起こす原因としては、以下のようなものが考えられます。
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- 反応性低血糖: 夕食で糖質の多い食事や甘いものを摂りすぎると、食後に血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが過剰に分泌されることがあります。その結果、数時間後に血糖値が急降下し、低血糖状態に陥ることがあります。
- 食事内容やタイミング: 夕食を抜いたり、量が少なすぎたり、就寝直前に食事を摂ったりすることも、夜間の血糖値の不安定につながる可能性があります。
- 血糖調節機能の問題: インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなっている状態)や、前述した副腎疲労によるコルチゾール分泌の乱れがあると、血糖値を安定させる能力が低下し、夜間低血糖を起こしやすくなります。
- 成長ホルモン分泌不足: 夜間、特に深い睡眠時には成長ホルモンが分泌され、肝臓での糖新生を促したり、脂肪分解を進めたりすることで血糖値を維持する働きがあります 。しかし、深い睡眠が不足したり、加齢などにより成長ホルモンの分泌が低下すると、この血糖維持システムがうまく働かず、夜間低血糖を招きやすくなります 。特に、明け方前の午前3時頃に血糖値が最も低くなる傾向がありますが、成長ホルモン不足はこの時間帯の血糖低下を助長し、アドレナリンなどの分泌を介して中途覚醒を引き起こす可能性があります。
安定した血糖値を維持することは、質の高い睡眠を保つために非常に重要です。食事内容の見直し(夕食での糖質の種類や量の調整、就寝前の軽食の検討など)が基本的な対策となりますが、背景に副腎疲労やインスリン抵抗性、成長ホルモン分泌の問題が隠れている場合は、それらに対するアプローチも必要となります。そのため、単に血糖値の変動だけでなく、コルチゾールのリズムやインスリンの反応性、成長ホルモンの状態などを総合的に評価することが、根本的な解決につながります。
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腸内環境の乱れと睡眠
近年、「腸脳相関」という言葉が注目されています。これは、腸と脳が自律神経系、免疫系、ホルモンなどを介して互いに密接に情報をやり取りし、影響を及ぼし合っていることを示す概念です。ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなる のは脳から腸への影響ですが、逆に腸内環境の状態が脳機能や精神状態、そして睡眠にも影響を与えることがわかってきました 。腸脳相関につきましては、こちらもご参照ください。
腸内環境が睡眠に影響を与えるメカニズムは、主に以下の点が考えられます。
- 神経伝達物質の産生: 睡眠に関わる重要な神経伝達物質の中には、腸内で産生されたり、腸内細菌の影響を受けたりするものがあります。
- セロトニン: 精神安定作用があり、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、その約9割が腸で作られています。そして、セロトニンは夜になると睡眠ホルモンである「メラトニン」の材料になります 。腸内環境が悪化し、セロトニンの産生が低下すると、メラトニンの生成も不十分になり、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。
- GABA(γ-アミノ酪酸): 脳の興奮を抑え、リラックス効果をもたらす主要な抑制性の神経伝達物質です。一部の腸内細菌はGABAを産生することが知られており、腸内細菌叢のバランスがGABAレベルに影響を与える可能性が示唆されています。
- 栄養素の吸収: 腸は私たちが食べたものから栄養素を吸収する場所です。腸内環境が悪化すると、トリプトファン(セロトニン・メラトニンの材料) や、マグネシウム、ビタミンB群といった睡眠に必要な栄養素の吸収が妨げられる可能性があります。
- 炎症: 腸内細菌のバランスが崩れる(ディスバイオシス)や、腸の粘膜バリア機能が低下して未消化物や毒素が血中に漏れ出す「リーキーガット(腸管壁浸漏症候群)」 が起こると、腸管および全身で慢性的な炎症が引き起こされます。この炎症性サイトカイン(炎症を引き起こす物質)は血流に乗って脳に到達し、脳機能を妨げたり、HPA軸(ストレス応答システム)を乱したりして、睡眠障害を引き起こす可能性があります。リーキーガットにつきましては、こちらもご参照ください。
便秘、下痢、腹部膨満感、過敏性腸症候群(IBS)などの消化器症状がある方はもちろん、原因不明の疲労感、肌荒れ、アレルギー、気分の落ち込みなどがある場合も、背景に腸内環境の問題が隠れており、それが睡眠の質にも影響している可能性があります。慢性的な腸の炎症は、それ自体が身体にとって大きなストレスとなり、副腎疲労を助長する要因にもなりえます。
ホルモンバランスの乱れと睡眠
コルチゾールやメラトニン以外にも、睡眠に影響を与えるホルモンは存在します。特に女性の場合、ライフステージを通じて変動する女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)が睡眠の質に大きく関わっています。
- 月経周期: 排卵後から月経前にかけて(黄体期)は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、基礎体温が上昇します。この時期に眠気を感じやすくなる人がいる一方で、ホルモンバランスの変化や体温リズムの変動により、寝つきが悪くなったり、中途覚醒が増えたり、睡眠が浅くなったりする人もいます。月経前症候群(PMS)の症状の一つとして不眠が現れることもあります。
- 更年期(閉経周辺期)・閉経後: 40代後半から50代にかけて、卵巣機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減少し、大きくゆらぎながら低下していきます。エストロゲンには、神経伝達物質の調節や体温調節、そして睡眠を促進する作用があるため、その急激な減少は自律神経のバランスを乱し、睡眠の質を著しく低下させる主な原因となります。
- ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり): 更年期症状の代表であるホットフラッシュは、特に夜間に起こりやすく、急な体温上昇と発汗によって睡眠が妨げられ、中途覚醒の大きな原因となります。
- 精神的な影響: エストロゲンの減少は、不安感や抑うつ気分を引き起こしやすくし、それ自体が不眠の原因ともなります。
40代、50代の女性で中途覚醒に悩む方が多い背景には、こうしたホルモンバランスの大きな変化が関与しているケースが少なくありません。
また、女性ホルモンだけでなく、甲状腺ホルモンの異常なども睡眠に影響を与える可能性があります。さらに、ストレスはHPA軸を介して性ホルモンの産生にも影響を与え(ストレス対応のためにコルチゾール産生が優先され、性ホルモンの材料が不足する「プレグネノロン・スティール」と呼ばれる現象が起こりうる)、腸内環境もホルモンの代謝や排泄に関与しています。このように、ホルモンバランスの問題も、他の要因と切り離して考えることはできません。ホルモンバランスの異常については、ホルモン補充療法外来をご検討ください。
成長ホルモンの分泌低下と中途覚醒
「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠は成長ホルモン(GH)の分泌と深く関わっています。成長ホルモンは、子供の成長だけでなく、成人においても細胞の修復、筋肉の維持、脂肪の代謝、免疫機能の維持など、身体の恒常性を保つために重要な役割を担っています。
この成長ホルモンは、一日中一定に分泌されているわけではなく、 入眠後の最初の深いノンレム睡眠(徐波睡眠、SWS)の間に最も多く分泌される という特徴があります。通常、健康な成人では、1日の成長ホルモン分泌量の約60〜70%が、この睡眠開始後の最初の深い眠りの間に集中して分泌されます。
しかし、 中途覚醒が頻繁に起こると、この最も重要な成長ホルモン分泌の時間帯である深いノンレム睡眠が妨げられてしまいます。睡眠が断片的になり、深い睡眠に至る前に目が覚めてしまうことが繰り返されると、成長ホルモンの分泌量が低下する可能性があります。
成長ホルモンの分泌が低下すると、以下のような影響が考えられます。
- 疲労回復の遅延: 細胞の修復が十分に行われず、日中の疲労感が抜けにくくなる。
- 代謝への影響: 筋肉量の維持や脂肪燃焼が滞りやすくなる。また、前述のように夜間低血糖を引き起こしやすくなる 。
- 免疫機能の低下: 免疫細胞の働きにも影響し、感染症にかかりやすくなる可能性がある。
特に、加齢とともに睡眠に関連した成長ホルモンの分泌は自然に減少していく傾向があります。男性では30代から、女性では閉経後から減少が見られるとされており、中高年以降の中途覚醒は、この加齢による自然な変化と相まって、成長ホルモン分泌の低下をさらに助長してしまう可能性があります。
成長ホルモンの分泌を促すための対策
成長ホルモンの分泌を最適化するためには、 質の高い深い睡眠を、特に夜の前半にしっかりと確保することが鍵となります。
- 深い睡眠の確保
中途覚醒の原因となる副腎疲労、低血糖、腸内環境の問題などを特定し、改善に取り組むことが根本的な対策となります。
規則正しい就寝・起床時間、寝室環境の整備、就寝前のリラックスなど、基本的な睡眠衛生を徹底することも重要です。 - 栄養
バランスの取れた食事を心がけ、特にタンパク質(アミノ酸)を十分に摂取することが、成長ホルモンの材料供給につながります。
特定のアミノ酸、例えば アルギニン や グリシン (深い睡眠をサポートする)などが、成長ホルモンの分泌を促す可能性が研究されています。 - 運動
日中の適度な運動、特に高強度の運動は成長ホルモンの分泌を刺激するとされています。ただし、就寝直前の激しい運動は睡眠を妨げるため避けましょう。
中途覚醒によって成長ホルモンの恩恵を受けられていないと感じる場合は、睡眠の質を高めるための包括的なアプローチが必要です。
生活習慣と睡眠
これまで述べてきた身体内部の要因に加えて、日々の生活習慣も睡眠の質、特に中途覚醒に大きく影響します。基本的な睡眠衛生を見直すことは、あらゆる不眠対策の土台となります 。
- ストレス管理: 過度のストレスはコルチゾール分泌を乱し、交感神経を優位にして睡眠を妨げます 。寝る前に悩み事を考えたり、仕事のメールをチェックしたりするのは避け、リラックスできる時間(ぬるめの入浴、軽い読書、音楽、瞑想など)を設けましょう 。
- 食事: 寝る直前の食事、特に消化に負担のかかるものや糖質の多いものは、血糖値の乱高下や胃もたれを引き起こし、中途覚醒の原因になります。カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど)は覚醒作用があるため、就寝前4時間以内は避けましょう。アルコールは寝つきを良くするように感じられるかもしれませんが、睡眠の後半部分を浅くし、中途覚醒を増やします。
- 光のコントロール: 朝起きたら太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜のメラトニン分泌が促されます。逆に、夜、特に就寝前1〜2時間は、スマートフォンやパソコン、テレビなどの強いブルーライトを浴びるのを避けましょう 。ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、寝つきを悪くしたり、睡眠を浅くしたりします。寝室はできるだけ暗くするのが理想です 。
- 運動: 日中の適度な運動(特に有酸素運動)は、寝つきを良くし、深い睡眠を促します 。ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を刺激し、逆効果になることがあります 。
- 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣は、体内時計を整える上で非常に重要です 。休日でも、平日との起床時間の差は1〜2時間以内にとどめるのが望ましいです 。
- 寝室環境: 寝室は、静かで、暗く、快適な温度(一般的に18〜22 ℃ 程度)と湿度(50〜60%程度)に保ちましょう 。自分に合った寝具(マットレス、枕)を選ぶことも大切です 。
これらの生活習慣を整えることは、睡眠改善の基本です。しかし、「色々試しているけれど、それでも夜中に目が覚めてしまう」という方は、前述した副腎疲労、低血糖、腸内環境、ホルモンバランスといった、より深いレベルでの生理的な問題が関与している可能性が高いと考えられます。そのような場合には、専門的な検査を通じて根本原因を特定し、的確な対策を講じることが重要になります。
もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

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当院で行う機能性検査
東京原宿クリニックでは、中途覚醒をはじめとする様々な不調に対し、症状を一時的に抑える対症療法だけでなく、その根本原因を探り、身体全体のバランスを整えることを目指す機能性医学・栄養療法のアプローチを取り入れています 。
なぜ夜中に目が覚めてしまうのか?その「なぜ」を明らかにするために、当院では一般的な血液検査に加えて、以下のような専門的な機能性検査(自由診療)を、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせて選択・実施しています。
- 唾液コルチゾール検査
目的:副腎のストレス応答(HPA軸の機能)と睡眠ホルモンの状態を評価します。
方法:1日のうち複数回(例:朝、起床後30分後、60分後、昼、夕方、就寝前)、ご自宅などで唾液を採取していただきます。痛みはありません。唾液コルチゾール検査につきましては、こちらの記事もご参照ください。 - GI-MAP(包括的便検査)
目的:腸内環境の状態を詳細に評価します。
方法:ご自宅で便を採取していただきます。GIMAP検査につきましては、こちらもご参照ください。 - 有機酸検査(OAT)
目的:尿中の有機酸を測定することで、細胞レベルでのエネルギー代謝、神経伝達物質の代謝、ビタミン・ミネラルの過不足、腸内細菌(特に悪玉菌やカンジダ菌)の活動、解毒機能などを評価します。 - 持続血糖測定(CGM)
目的:血糖値の調節能力を評価し、隠れた血糖値スパイクや反応性低血糖、インスリン抵抗性などを検出します。
方法:センサーを身体に装着し、数日間〜2週間の血糖値の変動を持続的に記録します。 - 遺伝子検査
目的:睡眠に関連する遺伝子を特定し、その遺伝子のクセに合わせた食事、栄養を考えます。
睡眠に関連する遺伝子としては、CLOCK遺伝子は概日リズムに関わり、COMT遺伝子はドーパミンの代謝、MAOAはドーパミン、セロトニンの代謝、DAO/HNMTはヒスタミンの代謝、MTHFRはメチレーションに関連し、それぞれ睡眠に関わります。
これらの検査を組み合わせることで、なぜあなたの睡眠が妨げられているのか、その根本原因を多角的に解明し、より的確で個別化された治療計画を立てることが可能になります。どの検査が必要かは、初診時で詳しくお話を伺った上でご相談の上決定します。
当院の検査や治療は栄養外来のご案内にて行っています。

栄養療法・機能性医学での改善アプローチ
機能性検査によって中途覚醒の根本原因が特定できたら、次はその原因に合わせた治療を行います。当院では、薬だけに頼るのではなく、身体が本来持つ機能を回復させることを目指し、個別の検査結果に基づいた「栄養療法(食事指導・サプリメント)」と機能性医学を治療の柱としています。
食事で整える体内時計
質の高い睡眠を取り戻すためには、日々の食事が非常に重要です。食事は、体内時計の調節、血糖値の安定、睡眠に必要なホルモンや神経伝達物質の材料供給など、様々な側面から睡眠に関与しています。
- 食事のタイミング: 規則正しい時間に食事を摂ることは、体内時計を整える基本です。特に朝食は、体内時計をリセットし、日中の活動モードへの切り替えを助けます。
- 血糖値の安定: 夕食では、血糖値を急上昇させる精製された炭水化物(白米、白いパン、麺類、菓子類)や砂糖を控えめにし、食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこ類、良質なたんぱく質(魚、鶏肉、大豆製品など)、健康的な脂質(アボカド、ナッツ、オリーブオイルなど)をバランス良く摂ることを心がけましょう。玄米や全粒粉パンなどの低GI(グリセミック・インデックス)の炭水化物を選ぶのも良い方法です。これにより、食後の血糖値の乱高下を防ぎ、夜間低血糖のリスクを減らすことができます。
- 睡眠をサポートする栄養
トリプトファン: 必須アミノ酸の一つで、脳内でセロトニン(精神安定)を経てメラトニン(睡眠ホルモン)に変換されます。トリプトファンを多く含む食品には、鶏むね肉、赤身の魚(カツオ、マグロ)、大豆製品(豆腐、納豆、味噌)、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)、バナナなどがあります 。トリプトファンは、炭水化物と一緒に摂ることで脳に取り込まれやすくなるため 、バランスの取れた食事が重要です。特に朝食でしっかり摂ることが、夜のメラトニン分泌につながります。

- オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA): 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)や亜麻仁油、えごま油、チアシード、くるみなどに多く含まれる脂肪酸です。抗炎症作用があり、脳機能の維持に重要です。DHA濃度が低いとメラトニン濃度も低い傾向があるという関連性が指摘されており、オメガ3脂肪酸の摂取が睡眠の質や時間に良い影響を与える可能性が研究されています。
- マグネシウム、ビタミンB群、亜鉛: これらは神経系の機能維持やエネルギー代謝、ホルモン合成に不可欠な栄養素であり、多くの食品に含まれています(詳細は次項)。特に亜鉛は成長ホルモンの分泌や作用にも関わります 。
食事内容を見直すことは、副腎のサポート、血糖値の安定化、腸内環境の改善、成長ホルモン分泌のサポートにもつながり、中途覚醒の根本的な解決に貢献します。
サプリメントの選び方と注意点
食事は基本ですが、現代の食生活では必要な栄養素を十分に摂取することが難しかったり、特定の栄養素の需要が高まっていたり、あるいは消化吸収能力が低下していたりする場合、食事だけでは改善が難しいことがあります。そのような場合に、機能性検査の結果に基づいて不足している栄養素を特定し、高品質なサプリメントで補うことは、効果的なアプローチとなり得ます。
当院の栄養療法では、以下のような栄養素(サプリメント)を、個々の状態に合わせて活用することがあります。
- マグネシウム: 神経系の興奮を鎮め、筋肉をリラックスさせる働きがあります。GABA受容体への作用や、ストレスホルモンであるコルチゾールの調整にも関与すると考えられています。研究では、マグネシウム摂取が睡眠の質や寝つきの改善に役立つ可能性が示唆されており、特に不足している人や高齢者で効果が見られやすいと報告されています。マグネシウムには様々な形態があり(クエン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、L-トレオン酸マグネシウム など)、吸収率や特性が異なるため、目的に合った選択が重要です。マグネシウムにつきましては、こちらでも解説していますのでご参考にされてください。
- GABA(ギャバ): 脳内の主要な抑制性神経伝達物質で、リラックス効果や抗不安作用があります。GABAサプリメントの摂取により、寝つきが良くなったり、睡眠効率が改善したり、感情的な反応が穏やかになったりする可能性を示唆する研究報告があります。GABAが血液脳関門(BBB)を通過するかどうかについては議論がありますが、腸脳相関を介した間接的な作用や、末梢神経系への作用などが考えられ、臨床的には効果を実感される方も多いです。
- グリシン: アミノ酸の一種で、抑制性の神経伝達物質として働くほか、身体の中心部の体温(深部体温)を下げる作用があると考えられています。深部体温の低下は、自然な眠気を誘う重要な要素です。グリシンの摂取により、寝つきが良くなり、深い睡眠(徐波睡眠)が増え、日中の眠気や疲労感が軽減されるという研究結果があります。また、成長ホルモンの分泌を促す可能性も示唆されています。
- ビタミンD: カルシウム代謝や免疫機能だけでなく、睡眠調節にも関与していると考えられています。脳内にはビタミンD受容体が存在し、セロトニン経路への影響も示唆されています。ビタミンD不足は睡眠障害のリスクを高めるという報告があり、日本人では不足している人が多い栄養素の一つです。ただし、過剰摂取のリスクもあるため、サプリメントを使用する際は、事前に血中濃度を測定することが推奨されます。当院ではビタミンD注射も提供しています。
- アルギニン: アミノ酸の一種で、成長ホルモンの分泌を促す可能性が研究されています。運動との組み合わせで効果が高まるという報告もありますが、個人差も大きいため、医師との相談の上で検討します。
- 亜鉛: 成長ホルモンの分泌促進や作用発現に不可欠なミネラルです。不足すると成長ホルモンの働きが低下する可能性があります。食事からの摂取が基本ですが、不足が顕著な場合はサプリメントも考慮します。
- その他
ビタミンB群(特にB5, B6, B12など): 神経伝達物質の合成やエネルギー代謝の補酵素として重要です。
ビタミンC: 副腎機能のサポートに大量に必要とされます。抗酸化作用も持ちます。
サプリメント選択の重要ポイント
- 品質: サプリメントは製品によって品質に大きな差があります。当院では、有効成分の含有量や吸収性、不要な添加物が含まれていないかなどを考慮しています。
- 個別性: 必要な栄養素や量は、個人の体質、食生活、検査結果によって大きく異なります。「睡眠に良い」とされるサプリメントをやみくもに摂取するのではなく、専門家による評価に基づき、本当に必要なものを適切な量で摂取することが重要です。自己判断での摂取は、効果がないばかりか、かえって体調を崩す可能性もあります。
- 摂取タイミング: 効果を高めるためには、摂取タイミングも重要です。例えば、マグネシウムやGABA、グリシンなどは、就寝前に摂取することが一般的です。
【睡眠をサポートする主な栄養素 早見表】
栄養素 | 睡眠における役割・メカニズム | 不足時の主な兆候例 | 主な食品源 | サプリメント利用のポイント(当院の視点) |
マグネシウム | 神経の興奮抑制 (GABA受容体関連), 筋肉弛緩, コルチゾール調整 | 不眠, こむら返り, 不安感, 疲労感, 便秘 | 緑葉野菜, ナッツ, 種子, 大豆製品, 海藻類, 玄米 | 不足しがちなミネラル。形態により吸収率・特性が異なるため、検査結果や目的に応じて選択。点滴療法も有効。 |
GABA | 主要な抑制性神経伝達物質。リラックス・鎮静作用 | 不安感, イライラ, 不眠, 集中力低下 | 発酵食品(漬物, 味噌など), 発芽玄米 (食品からの摂取量は限定的) | 直接的なGABAサプリの効果やBBB透過性は議論あり 。体感や検査結果に基づき、他のアプローチと合わせて検討。成長ホルモン分泌促進の可能性も。 |
グリシン | 抑制性神経伝達物質。深部体温低下作用による入眠促進。成長ホルモン分泌促進の可能性。 | 寝つきが悪い, 睡眠の質低下, 日中の眠気 | ゼラチン, 肉類, 魚介類, 大豆製品 | 就寝前の摂取で入眠や睡眠の質改善が期待される研究あり。体感を見ながら用量を調整。 |
ビタミンD | 睡眠調節関連 (セロトニン経路, 免疫)。不足は睡眠障害リスク増 | 不眠, 疲労感, 骨の痛み, 感染症への罹患しやすさ | 魚類 (サケ, イワシ), きのこ類 (特に天日干し), 卵黄 (日光浴も重要) | 日本人に不足が多い。血中濃度測定が推奨される。経口サプリのほか、吸収不良例などには注射も有効。 |
トリプトファン | セロトニン・メラトニンの前駆体 | 不眠, 気分の落ち込み, 食欲異常 | 肉類, 魚類, 大豆製品, 乳製品, ナッツ類, バナナ | 食事からの摂取が基本。サプリメントでの単独大量摂取は推奨されない場合が多い。炭水化物との摂取バランスが重要。 |
オメガ3 | 抗炎症作用, 脳機能サポート, メラトニン関連性示唆 | 乾燥肌, 炎症傾向, 集中力低下, 気分のむら | 青魚 (サバ, イワシ, サンマ), 亜麻仁油, えごま油, チアシード, くるみ | 現代食で不足しがちな脂質。EPA・DHA含有量や品質(酸化度)が重要。炎症マーカーなどを参考に必要性を判断。 |
アルギニン | 成長ホルモン分泌促進の可能性 | (特異的な兆候は少ない) | 肉類、大豆製品、ナッツ類、玄米など | 運動との組み合わせ効果は研究により異なる。胃腸への影響に注意し、医師相談の上で検討。 |
亜鉛 | 成長ホルモン分泌促進・作用発現 | 味覚異常, 免疫低下, 皮膚炎, 成長障害 | 牡蠣, 赤身肉, レバー, ナッツ類, 豆類 | 不足しがちなミネラル。成長ホルモン関連だけでなく多機能。必要に応じサプリ検討。 |
(注: 本表は一般的な情報であり、個別の推奨については医師にご相談ください)
点滴療法によるアプローチ
栄養素の吸収は、腸内環境の状態に大きく左右されます。腸内環境が悪化している場合や、特定の栄養素が極端に不足している場合、あるいはより迅速な効果が求められる場合には、「点滴療法」が有効な選択肢となります 。
点滴療法では、ビタミンやミネラルなどの有効成分を直接血管内に投与するため、消化管からの吸収プロセスを経ずに、高濃度の栄養素を効率よく全身の細胞に届けることができます。
当院では、患者様の状態や検査結果に応じて、以下のような点滴療法を提供しています(自由診療)。
- マイヤーズ・カクテル: ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、カルシウムなどをバランス良く配合した、機能性医学領域では基本的な点滴です。全身の倦怠感・疲労回復、免疫力向上、ストレス軽減、アレルギー症状の緩和、片頭痛、こむら返りなど、幅広い目的に用いられます。エネルギー産生や神経機能のサポートに役立ちます。マイヤーズカクテルについてはこちらから。
- 高濃度ビタミンC点滴: 大量のビタミンC(例:25g以上)を点滴で投与します。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポート、コラーゲン生成促進(美肌効果)、そして副腎機能のサポートに不可欠な栄養素です。ストレスが多い方や、慢性的な疲労、感染症にかかりやすい方などに有効です。安全に行うために、事前にG6PDという酵素の活性を調べる検査が必要です。点滴中や点滴後に、一時的な喉の渇き、血管痛、稀に低血糖様症状などが起こることがあります。高濃度ビタミンC点滴についてはこちら
点滴療法は、食事療法やサプリメント療法を補完し、治療効果を高めるための強力なツールとなり得ます。ただし、点滴療法も単独で行うのではなく、個々の根本原因に基づいた包括的な治療計画の一部として、医師の管理のもとで適切に行うことが重要です。
もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

よくある質問 FAQ
Q: メラトニンは日本で購入できますか?
A: メラトニンは日本では医薬品として扱われており、市販のサプリメントとしては通常販売されていません。医師の処方箋があれば、小児の特定の神経発達症に伴う入眠困難に対して「メラトベル」という薬剤が保険適用で使用できますが、成人の一般的な不眠症に対する保険適用はありません。海外から個人輸入でサプリメントを入手することは可能ですが、品質や含有量、安全性には注意が必要です。メラトニン産生をサポートする他の栄養素(トリプトファン、ビタミンB群など)の補充や生活習慣の改善、あるいは必要に応じてメラトニンの使用を検討するなど、個別の状況に合わせた最適なアプローチをご提案します。
Q: 夜間低血糖を防ぐ夕食メニューは?
A: 夜間の血糖値を安定させ、低血糖を防ぐためには、血糖値を急上昇させにくい「低GI」の炭水化物(例:玄米、雑穀米など)を適量摂り、良質なたんぱく質(例:魚、鶏肉、卵、大豆製品など)と、食物繊維が豊富な野菜、きのこ類、海藻類を組み合わせるのが理想的です 。たんぱく質や脂質、食物繊維は、糖質の吸収を穏やかにする働きがあります。夕食での極端な糖質制限や食事抜きは、かえって夜間低血糖のリスクを高める場合があるので注意が必要です。また、睡眠ホルモン・メラトニンの材料となるトリプトファンを含む食材(上記たんぱく質源など)を意識的に取り入れることもおすすめです。
Q: 点滴療法は何回受けると効果が出る?
A: 効果の現れ方や必要な回数は、点滴の種類、目的、そして個人の状態によって大きく異なります。一般的には、体内の栄養状態を改善し効果を実感し始めるまでには、週に1回程度の頻度で、まずは4週間(計4回)ほど継続していただくことを目安としてお勧めすることが多いです。その後は、症状の改善度合いを見ながら、月1〜2回程度の頻度でメンテナンスとして継続される方もいらっしゃいます。あくまで一般的な目安であり、最適な頻度や回数については、診察時に医師にご相談ください。
Q: 副腎疲労の検査や治療は保険適用されますか?
A: 「副腎疲労(Adrenal Fatigue)」という概念は、現在の日本の保険診療制度においては、確立された医学的な診断名としては認められていません。そのため、副腎疲労の状態を評価するために行われる機能性検査(唾液コルチゾール検査など)や、それに対する栄養療法(食事指導、サプリメント処方)、点滴療法などは、基本的に健康保険の適用外となり、自由診療(全額自己負担)となります 。当院の栄養外来での診療も、主に自由診療として提供させていただいております 。
Q: GABAサプリは本当に脳に届きますか?
A: 経口摂取したGABAが、脳を保護している血液脳関門(Blood-Brain Barrier, BBB)を通過して直接脳に作用するかどうかについては、科学的な議論が続いています。一部の研究では通過しない、あるいはごく少量しか通過しないとされています。しかしながら、GABAサプリメントを摂取した後に、リラックス効果を感じたり、寝つきが改善したりといった体感を報告される方や、そのような効果を示唆する臨床研究も存在します。これには、腸脳相関を介した間接的な影響(腸内環境への作用など)や、末梢神経系への作用、あるいはプラセボ効果なども関与している可能性が考えられます。当院では、GABAサプリメントの利用を検討する際には、検査結果や個々の体質を考慮し、GABA単独に頼るのではなく、他の栄養アプローチや生活習慣改善なども含めた、総合的な観点から最適な方法をご提案します。
当院の治療フローと費用
東京原宿クリニックで中途覚醒のお悩みに対して栄養療法・機能性医学的アプローチをご希望される場合の、一般的な治療の流れと費用についてご説明します。
- 初診・カウンセリング
- まずは詳細な問診を行います。現在の症状、これまでの経過、食生活、生活習慣、ストレス状況などについて詳しくお伺いします。オンラインでも可能です。
- 中途覚醒の背景にある可能性のある原因についてご説明し、必要と考えられる機能性検査についてご提案します。
- 当院は完全予約制です。お電話でのご予約は承っておりません。必ずWebサイトからご予約ください。
- 機能性検査の実施
- カウンセリングに基づき、選択された検査(唾液、便、尿、血液など)を実施します。唾液、便、尿検査の多くは、ご自宅で検体を採取していただく形式です。血液検査は院内または提携検査機関で行います。
- 検査結果の説明と治療計画の立案
- 検査結果が出ましたら、再度ご来院いただき(オンラインでも可能です)、結果を詳しくご説明します。
- 特定された根本原因に基づき、食事指導、必要な栄養素を補うためのサプリメントの提案、ライフスタイルのアドバイス、必要に応じた点滴療法などを組み合わせた、オーダーメイドの治療計画を一緒に作成します。
- 治療の開始とフォローアップ
- 治療計画に沿って、栄養療法や点滴療法などを開始します。
- 治療効果を確認し、必要に応じて計画を調整するために、定期的なフォローアップを行います。副腎疲労などの改善には、数ヶ月から1年以上かかる場合もありますので、焦らず継続することが大切です。
まとめ — 早期対策で深い睡眠を取り戻そう
夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」。単なる睡眠の問題と片付けず、身体からのサインとして耳を傾けることが大切です。その背景には、副腎疲労によるホルモンリズムの乱れ、夜間低血糖、腸内環境の悪化、女性ホルモンや成長ホルモンのバランス変動など、様々な生理的な原因が隠れている可能性があります。
当院では、詳細なカウンセリングと先進的な機能性検査を通じて、中途覚醒を引き起こしている根本原因を特定し、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療プランをご提案します。食事や生活習慣の改善を基本としながら、科学的根拠に基づいた栄養療法や点滴療法を組み合わせることで、身体の内側からバランスを整え、持続的な睡眠の質の改善を目指します。
長年、原因不明の中途覚醒や不眠に悩まされている方、様々な対策を試しても改善が見られない方は、ぜひ一度、機能性医学的なアプローチをご検討ください。根本原因を理解し、適切な対策を早期に始めることが、深く快適な睡眠を取り戻すための第一歩です。
もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

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最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
オンライン診療対象地域
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
北海道と沖縄県はバイオロジカル検査の送付ができません。バイオロジカル検査の送付が必要なければオンラインでの診察はできます。
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