表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。

「食後に下腹がポッコリ出て、スカートがきつくなる」
「いつもガスが溜まっていて、お腹がゴロゴロ鳴るのが気になる」
「病院で検査しても『異常なし』と言われたけど、不快感はずっと続いている」
このようなお腹の張りに悩まされていませんか?仕事や家事、育児に追われる中で、いつの間にか慢性的な不調となり、「もう体質だから」「年のせいだから」と諦めてしまっている方も少なくないかもしれません。
これまで多くの患者様を診察する中で、原因不明とされてきたお腹の張りの背景に、現代の医療では見過ごされがちな「機能的な問題」が隠れているケースを数多く見てきました。従来の医学では、内視鏡などでがんやポリープといった「器質的な疾患」が見つからない場合、そこで診断がストップしてしまうことがよくあります。
しかし、症状があるのには必ず理由があります。私たち機能性医学では、「なぜその症状が起きているのか?」という根本原因(Root Cause)を、患者様一人ひとりの身体のシステム全体から探っていきます。
その不快な膨満感は、あなたの身体が発している重要なサインかもしれません。この記事では、機能性医学と栄養療法の視点から、長年あなたを悩ませてきたお腹の張りの真の原因を解き明かし、根本的な解決への道筋を示します。ぜひ、ご自身の身体と向き合うきっかけにしてください。
もし、長年の体調不良に悩まれていて、検査や治療をされたいという方は当院栄養外来をご検討ください。

また、公式LINEでは腸内環境の改善や体調管理に関する情報を随時お届けしています。お得なクーポンも配布していますので、ぜひご登録ください。
Contents
動画で概要を掴む
動画でお腹の張りの概要を掴みたい方はこちらをご参照ください。
お腹の張る原因は多岐にわたる
お腹が張るといったときに、その原因が例えばSIBOだけかというと、そういうわけでもありません。このページでは、よくあるお腹が張る原因を列挙いたします。個々につきましては、またリンク先で詳しくご覧いただければと思います。
1.消化力の低下:お腹の張りの最初のつまずき
お腹の張りは、多くの場合、腸そのものではなく、食べ物が口に入ってからの一連の消化プロセス、いわゆる「消化カスケード」の上流でのつまずきから始まります。消化の力が落ちていると、未消化の食べ物が腸に流れ込み、異常発酵の温床となってしまうのです。
胃酸不足(低胃酸)
「胃酸」と聞くと、胸やけの原因というイメージが強いかもしれませんが、実は健康な消化に不可欠なヒーローです。胃酸は、タンパク質を分解しやすくするだけでなく、食べ物と一緒に侵入してきた細菌を殺菌する強力なバリアの役割を担っています。
しかし、加齢やストレス、ピロリ菌感染、そして胃薬(特にプロトンポンプ阻害薬)の長期服用などによって胃酸の分泌が減る「低胃酸」状態になると、このバリアが破綻します。胃酸が低下すると、
- タンパク質の消化不良: 適切に分解されなかったタンパク質が大腸に届き、腐敗してガスを発生させます。
- 細菌の侵入: 殺菌されなかった細菌が小腸へと流れ込み、後述するSIBO(小腸内細菌異常増殖症)の引き金となります。
意外なことに、胸やけやゲップも低胃酸のサインであることがあります。これは胃の中で食べ物が消化されずに発酵し、発生したガスが胃の内容物を食道へ押し上げることで起こります 「食後に胃がもたれる」「お肉を食べるとお腹が張る」といった症状は、胃酸不足を疑うサインかもしれません。特に、ピロリ菌は、胃カメラで問題ないとされていても、隠れていることが多いため、注意が必要です。ピロリ菌につきましては、以下をご参照ください。
消化酵素の不足
胃を通過した食べ物は、膵臓から分泌される「膵酵素」や小腸の壁にある消化酵素によって、さらに細かく分解されます。 炭水化物、脂質、タンパク質を体が吸収できる最小単位まで分解する、非常に重要なプロセスです。
しかし、加齢や慢性的なストレスなどにより、これらの消化酵素の分泌が不足すると、未消化の食べ物が腸内細菌のエサとなり、過剰なガス産生を引き起こします。
- 乳糖不耐症: 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするのは、乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が不足している代表例です。
- 脂肪便: 脂肪を分解する酵素「リパーゼ」が不足すると、便が油っぽく、水に浮くことがあります。これは膨満感や下痢の原因にもなります。
消化力が低下した状態で、体に良いとされる食物繊維や発酵食品をたくさん摂っても、かえってガスの発生を助長し、お腹の張りを悪化させてしまうことがあるのです。
2.腸の動きと構造の問題:停滞がガスを溜め込む
消化された食べ物を先へ先へと送り出す「蠕動(ぜんどう)運動」も、お腹の健康に欠かせない要素です。この動きが鈍くなると、内容物が腸内に長く留まり、ガスが溜まりやすい環境を作ってしまいます。
- 便秘: 最も分かりやすい原因の一つです。便が腸内に滞留することで、それ自体が物理的な張り感を生むだけでなく、腐敗発酵が進みガスが大量に発生します。
- 移送運動複合体(MMC)の機能不全: 私たちの小腸には、空腹時に働く「お掃除機能」であるMMCがあります。これは、食べ物の残りカスや細菌を大腸へと洗い流す強力な収縮運動です。ストレスや睡眠不足などでこのMMCの働きが弱まると、小腸に細菌が住み着きやすくなり、SIBOの最大の原因となります。
- ストレスと自律神経の乱れ: 強いストレスは交感神経を優位にし、消化管の動きを直接的に抑制します。「緊張するとお腹が痛くなる」「忙しい時期は便秘がちになる」というのは、まさに脳と腸が連携している「脳腸相関」の影響です。腸脳相関につきましては、こちらもご参照ください。
公式LINEでは、体調不良などの症状の改善のヒントとなる情報を配信しています。また、随時お得なクーポンなども配布しております。是非公式LINEにご登録ください。
3.腸内環境の破綻:お腹の張りの本当の震源地
ここからが、機能性医学が特に重要視する領域です。慢性的なお腹の張りの根本には、多くの場合、腸内生態系の深刻な乱れが存在します。
ディスバイオシスとリーキーガット
私たちの腸には100兆個以上もの腸内細菌が住み着き、「腸内フローラ(腸内細菌叢)」を形成しています。しかし、抗生物質の使用、不健康な食事、ストレスなどによって善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れた状態を「ディスバイオシス」と呼びます。ディスバイオシスになると、悪玉菌が優勢になり、ガスを産生したり、腸の粘膜に炎症を起こしたりします。
この腸の慢性的な炎症が続くと、腸の壁を形成する細胞同士の固い結合(タイトジャンクション)が緩んでしまいます。その結果、本来なら体内に侵入するはずのない未消化の食物や細菌の毒素(エンドトキシン)が血液中に漏れ出してしまう状態、これが「リーキーガット(腸管透過性亢進)」です。
リーキーガットが起きると、免疫システムがこれらの“侵入者”を異物とみなし、攻撃を始めます。この過剰な免疫反応が、お腹の張りだけでなく、疲労感、頭痛、肌荒れ、アレルギー、自己免疫疾患といった、全身の様々な不調の引き金となるのです。リーキーガットにつきましては、こちらをご参照ください。
SIBO(小腸内細菌異常増殖症):お腹の張りの最重要原因(納豆でお腹が張る原因)
お腹の張りに悩む方の多くに認められるのが「SIBO(シーボ:Small Intestinal Bacterial Overgrowth)」です。
これは、本来は細菌が少ないはずの「小腸」で、大腸にいるような細菌が異常に増殖してしまった状態を指します。通常、食べ物は小腸で消化・吸収された後、大腸で本格的な発酵を受けます。しかしSIBOでは、まだ消化吸収が終わっていない食べ物(特に糖質)に、小腸にいる細菌が群がってしまいます。
その結果、小腸内で爆発的な発酵が起こり、大量のガス(水素ガスやメタンガス)が発生します。これが、
- 食後すぐ(1〜2時間後)にパンパンに張る
- お腹がカエルのようにポッコリと膨らむ(腹部膨満)
- ゲップやおならが頻繁に出る
といった、SIBOに典型的な症状の直接的な原因です。
SIBOの根本原因は、これまでお話ししてきた「低胃酸」(殺菌バリアの低下)や「MMCの機能不全」(お掃除機能の低下)にあります。また、SIBOは栄養素の吸収を阻害し(ビタミンB12や鉄の欠乏など)、腸の粘膜を傷つけてリーキーガットをさらに悪化させるという、負のスパイラルを生み出します。SIBOについては、以下もご参照ください。
4.見過ごされがちな全身の不均衡
お腹の張りは、腸だけの問題ではありません。全身のアンバランスが、消化器症状として現れることも非常に多いのです。
ヒスタミン不耐症:原因不明のアレルギー様症状の正体
アレルギー反応に関わる物質として知られる「ヒスタミン」。私たちの体内では、食事から摂取されたヒスタミンは、主に小腸の粘膜で作られる「DAO(ジアミンオキシダーゼ)」という酵素によって分解されます。
しかし、遺伝的な要因や、リーキーガット・SIBOによる腸粘膜のダメージによってDAO酵素の働きが低下すると、体内のヒスタミンを処理しきれなくなります。このヒスタミンが溢れ出した状態が「ヒスタミン不耐症」です。
症状は多岐にわたり、腹部膨満、下痢、腹痛といった消化器症状に加え、
- 頭痛、めまい
- じんましん、皮膚のかゆみ
- 鼻水、鼻づまり
- 動悸、生理痛の悪化
などを引き起こします。熟成チーズ、赤ワイン、マグロやサバなどの青魚、トマト、ほうれん草といった食品を食べた後にこれらの症状が出る場合、ヒスタミン不耐症が隠れている可能性があります。ヒスタミン不耐症につきましては、以下もご参照ください。
グルテン・FODMAP感受性:パンや果物が不調の原因に?
「パンやパスタを食べるとお腹が張る」と感じる方は、「非セリアック・グルテン感受性(NCGS)」の可能性があります。これは、セリアック病や小麦アレルギーとは異なり、グルテンを摂取することで腹部膨満や倦怠感、頭痛などの不調が生じる状態です。
しかし、近年の研究では、この不調の原因はグルテンそのものではなく、小麦に豊富に含まれる「フルクタン」という糖質である可能性が指摘されています。
このフルクタンは、「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれる、小腸で吸収されにくく発酵しやすい糖質の一種です。 FODMAPは、SIBOを持つ人のお腹の中で、細菌のエサとなり大量のガスを発生させるため、症状を悪化させる最大の要因の一つです。
FODMAPは小麦だけでなく、玉ねぎ、にんにく、豆類、リンゴ、牛乳、ヨーグルト、人工甘味料など、多くの食品に含まれています。「体に良いと思って食べていたものが、実はお腹の張りの原因だった」ということは非常によくあります。
公式LINEでは、体調不良などの症状の改善のヒントとなる情報を配信しています。また、随時お得なクーポンなども配布しております。是非公式LINEにご登録ください。
ミトコンドリア機能低下:細胞レベルのエネルギー不足
「なんだかいつも疲れやすい」「気力がわかない」といった悩みも共通するものです。この全身のエネルギー不足が、実はお腹の張りと深く関わっていることがあります。
私たちの細胞内には、エネルギー(ATP)を作り出す工場である「ミトコンドリア」が存在します。腸が内容物を運ぶための蠕動運動は、膨大なエネルギーを必要とするため、腸の筋肉細胞にはミトコンドリアが密集しています。
しかし、慢性的なストレス、栄養不足、加齢などによってミトコンドリアの機能が低下すると、細胞レベルでエネルギー危機に陥ります。その結果、
- 腸の筋肉がエネルギー不足で力なくなり、蠕動運動が著しく低下する
- 深刻な便秘や内容物の停滞を引き起こす
- 結果としてSIBOを発症・悪化させる
という悪循環に陥ります。原因不明の頑固な便秘や膨満感の背景には、この「腸のエネルギー切れ」が隠れている可能性があるのです。ミトコンドリアにつきましては、こちらもご参照ください。
5.お腹の張りを根本から解決する機能性医学アプローチ
では、これらの複雑に絡み合った原因をどのように解決していけばよいのでしょうか。機能性医学では、「5Rプログラム」というフレームワークに沿って、消化管の健康を体系的に取り戻していきます。
- Remove(除去): 症状の原因となっている悪玉菌、カンジダ、炎症を引き起こす食物(グルテン、FODMAPなど)を食事から一時的に除去します。
- Replace(補充): 不足している胃酸や消化酵素をサプリメントで補い、消化力をサポートします。
- Reinoculate(再接種): 腸内環境が整った後、プロバイオティクス(善玉菌)やプレバイオティクス(善玉菌のエサ)を摂取し、健康な腸内フローラを育てます。
- Repair(修復): L-グルタミンや亜鉛などの栄養素を使い、リーキーガットによって傷ついた腸の粘膜を修復します。
- Rebalance(再調整): 食事、睡眠、運動、ストレス管理といったライフスタイル全体を見直し、心と身体のバランスを整えます。
このアプローチに基づいた、ご自身で始められる具体的な方法をご紹介します。
食事療法:原因に合わせた戦略的なアプローチ
低FODMAP食
SIBOやお腹の張りが強い場合に、最も効果的な食事療法の一つが「低FODMAP食」です。これは、腸内で発酵しやすい糖質(FODMAP)を一時的に制限することで、細菌のエサを断ち、ガスの発生を劇的に減らす方法です。
これは生涯続ける食事法ではなく、原因を探るための「診断的食事療法」です。
- 除去期(2〜6週間): まずは下の表を参考に、高FODMAP食品を徹底的に避けます。
- 再導入期(チャレンジ期): 症状が改善したら、食品グループごとに少量ずつ試し、どの食品が自分に合わないか(トリガー)を特定します。
- 個別化期: 特定されたトリガー食品のみを避け、耐えられる食品は食事に戻し、栄養の多様性を保ちながら症状をコントロールします。
食品カテゴリー | 高FODMAP食品(避けるべき) | 低FODMAP食品(摂取して良い) |
穀物 | 小麦・大麦・ライ麦(パン、パスタ、ラーメン、うどん)、コーンフレーク(高果糖コーンシロップ入り) | 米、玄米、十割そば、米粉パン、オートミール、キヌア、タピオカ |
野菜 | 玉ねぎ、にんにく、ネギ(白い部分)、アスパラガス、ごぼう、カリフラワー、きのこ類(マッシュルーム等) | にんじん、大根、なす、トマト、きゅうり、ピーマン、ほうれん草、かぼちゃ、じゃがいも、もやし、ネギ(緑の部分) |
果物 | りんご、梨、桃、スイカ、マンゴー、さくらんぼ、柿、アボカド、ドライフルーツ | バナナ(未熟なもの)、いちご、ぶどう、オレンジ、キウイ、パイナップル、ブルーベリー(少量) |
乳製品 | 牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、ソフトチーズ、コンデンスミルク | ラクトースフリー牛乳、アーモンドミルク、バター、ハードチーズ(チェダー、パルメザン等) |
タンパク質源 | 豆類(大豆、ひよこ豆、レンズ豆)、納豆、絹ごし豆腐、カシューナッツ、ピスタチオ | 肉類、魚介類、卵、木綿豆腐、くるみ、マカダミアナッツ、ピーナッツ |
調味料・甘味料 | はちみつ、オリゴ糖、高果糖コーンシロップ、玉ねぎ・にんにくパウダー | 砂糖、メープルシロップ、醤油、味噌、酢、マヨネーズ、オリーブオイル、ハーブ類 |
低ヒスタミン食
頭痛やじんましんなど、アレルギー様の症状を伴う場合は、「低ヒスタミン食」を試す価値があります。以下の食品を2〜4週間避けてみて、症状が改善するかどうかを確認します。
摂取を控える食品 | |
高ヒスタミン食品 | 発酵・熟成食品(チーズ、ヨーグルト、味噌、酢)、加工肉(ハム、サラミ)、魚の缶詰(サバ、マグロ)、赤ワイン |
ヒスタミン遊離を促す食品 | 柑橘類、イチゴ、トマト、ナス、ほうれん草、チョコレート、ナッツ類 |
DAO酵素を阻害する食品 | アルコール飲料全般、お茶(緑茶、紅茶)、エナジードリンク |
戦略的なサプリメント活用
食事療法と並行して、不足している栄養素をサプリメントで補うことは、治癒を加速させる上で非常に重要です。ただし、自己判断での使用は症状を悪化させる可能性もあるため、必ず専門家の指導のもとで行ってください。
根本原因 | 関連サプリメント | 主な作用 |
低胃酸 | ベタイン塩酸(HCl) | 胃酸を補充し、タンパク質消化と殺菌を助ける。 |
消化酵素不足 | 総合消化酵素 | 炭水化物、脂質、タンパク質の分解を助け、未消化物を減らす。 |
リーキーガット | L-グルタミン、亜鉛、コラーゲン | 腸管粘膜細胞のエネルギー源となり、バリアの修復を促進する。 |
SIBO | ベルベリン、オレガノオイル(ハーブ系抗菌剤) | 天然の抗菌作用で小腸内の異常増殖した細菌を除菌する。 |
ヒスタミン不耐症 | DAO酵素、ビタミンC、ビタミンB6 | 食事性ヒスタミンを分解し、体内のDAO酵素の働きをサポートする。 |
ミトコンドリア機能低下 | CoQ10、L-カルニチン、B群ビタミン、マグネシウム | ATP(細胞エネルギー)産生を促進し、消化管の筋力を回復させる。 |
まとめ:あなたの身体の声に耳を傾け、本当の健康を取り戻すために
長年あなたを苦しめてきた慢性的なお腹の張りは、決して「体質」や「年のせい」で片付けてよいものではありません。それは、消化力の低下、腸内環境の破綻、そして全身のエネルギー不足やホルモンバランスの乱れといった、あなたの身体が発している意味のあるサインです。
この記事でご紹介したように、その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。だからこそ、症状を一時的に抑える対症療法ではなく、根本原因に目を向け、身体全体のシステムを整える包括的なアプローチが必要なのです。
何から手をつければ良いかわからない、自分の原因がどれに当てはまるのか知りたい、そう思われたかもしれません。その一歩を踏み出すために、私たち専門家がいます。
当院では、SIBO呼気検査、有機酸検査(ミトコンドリア機能評価)、GIMAP腸内環境検査、遅延型フードアレルギー検査といった機能性医学的な検査を用いて、お腹の張りの根本原因を客観的に評価します。そして、その結果と詳細な問診に基づき、あなたのためだけに個別化された食事療法や栄養療法プログラムをご提案します。
食事を改善してもなかなか体調が改善されないという方は、ぜひ一度、東京原宿クリニックの栄養外来をご検討ください。

Q&A
Q1. 40代になってからお腹の張りがひどいです。考えられる原因は何ですか?
A. 40代からのお腹の張りは、単なる「年のせい」ではなく、複数の原因が隠れていることが多いです 。機能性医学では、主に以下の原因を考えます。
- 消化力の低下: 加齢やストレスにより、タンパク質の消化や殺菌を担う「胃酸」や、食べ物を分解する「消化酵素」が不足することがあります 。
- 腸の動きの低下: ストレスによる自律神経の乱れや運動不足で腸の蠕動運動が鈍くなると、便やガスが溜まりやすくなります 。
- 腸内環境の乱れ: 腸内細菌のバランスが崩れる「ディスバイオシス」や、腸の粘膜に隙間ができてしまう「リーキーガット」が、慢性的な炎症とガスを引き起こします 。
- SIBO(小腸内細菌異常増殖症): 本来は菌が少ない小腸で細菌が異常繁殖し、ガスを大量発生させる状態で、膨満感の非常に多い原因です 。
- 全身の不均衡: その他、ヒスタミン不耐症、FODMAPなどの食物感受性、細胞のエネルギー不足(ミトコンドリア機能低下)なども、お腹の張りとして現れることがあります 。
Q2. 記事で見た「SIBO(シーボ)」とは何ですか?なぜお腹が張るのですか?
A. SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth)とは、日本語で「小腸内細菌異常増殖症」と言い、本来は細菌が少ないはずの小腸で、大腸にいるような細菌が異常に増殖してしまう状態です 。
小腸に増えた細菌が、消化される前の食べ物、特に糖質(FODMAPなど)をエサにして早期に発酵させてしまいます 。その結果、小腸内で水素やメタンといったガスが爆発的に発生し、食後数時間以内の激しいお腹の張り、痛み、カエルのようにお腹が膨らむ「腹部膨隆」といった典型的な症状を引き起こすのです 。
Q3. パンやパスタ(小麦製品)を食べると、特にお腹が張ってしまいます。これはなぜですか?
A. それは「非セリアック・グルテン感受性(NCGS)」の可能性もありますが、近年の研究では、原因はグルテンというタンパク質そのものではなく、小麦に豊富に含まれる「フルクタン」という糖質の可能性が指摘されています 。
この「フルクタン」は、「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれる、小腸で吸収されにくく発酵しやすい糖質の代表格です 。FODMAPは、腸内細菌のエサとなり大量のガスを発生させるため、特にSIBO(小腸内細菌異常増殖症)をお持ちの方では、小麦製品を食べると顕著な膨満感を引き起こす原因となります 。
Q4. 疲れやストレスが溜まると、お腹の張りも悪化するように感じます。関係はありますか?
A. はい、非常に深い関係があります。
- ストレスと脳腸相関: 慢性的なストレスは、脳と腸が連携する「脳腸相関」を乱します 。ストレスを感じると自律神経のうち交感神経が優位になり、消化液の分泌や腸の動きが抑制され、消化不良やガスの停滞を招きます 。
- 疲労とミトコンドリア: 「なんだかいつも疲れやすい」という慢性疲労は、細胞のエネルギー産生工場である「ミトコンドリア」の機能低下が原因かもしれません 。腸が内容物を運ぶ蠕動運動は膨大なエネルギーを必要とするため、ミトコンドリアの機能が低下してエネルギー不足になると、腸の動きが著しく鈍くなり、便秘や膨満感につながるのです。
Q5. お腹の張りを改善するために、食事で自分でできることはありますか?
A. はい、原因に合わせた食事療法は非常に有効です。
まず基本となるのは、加工食品や砂糖を避け、野菜や良質なタンパク質を中心としたホールフード(未加工の自然な食品)を、よく噛んでゆっくり食べることです 。
その上で、SIBOやガス症状が強い場合は、専門家の指導のもとで「低FODMAP食」を一時的に試すことが推奨されます。これは、発酵しやすい糖質(玉ねぎ、小麦、リンゴ、乳製品など)を一定期間除去し、ガスの発生を抑える食事法です 。
また、頭痛やじんましんなども伴う場合は、熟成食品や加工肉、アルコールなどを避ける「低ヒスタミン食」が有効なことがあります 。
Q6. クリニックでは、どのような専門的な検査や治療が受けられますか?
A. 当院のような機能性医学を専門とするクリニックでは、症状の根本原因を特定するための詳細な検査を行います。
- GIMAP腸内環境検査: 便中の細菌を調べて、腸内フローラの乱れを検出します。
- 有機酸検査(OAT): 尿検査により、腸内環境の乱れ、ミトコンドリアの機能、ビタミン・ミネラルの過不足などを評価します 。
- 遅延型フードアレルギー検査: リーキーガットに関連する食物への過敏反応を調べます 。
これらの客観的な検査結果に基づき、原因となっている細菌を除菌するためのハーブ系抗菌剤の処方、不足している消化酵素や胃酸の補充、腸粘膜を修復するL-グルタミンなどの栄養素の処方、そしてあなたに最適化された食事指導など、個別化された治療プランを立て、根本的な改善を目指します 。
はい、承知いたしました。「納豆やキムチでお腹が張るのはなぜですか?」というQ&Aを作成します。ブログ記事の文脈に沿って、専門的かつ分かりやすく解説します。
Q7. 納豆やキムチは「腸活に良い」と聞きますが、食べると逆にお腹が張って苦しくなります。なぜでしょうか?
A. 素晴らしいご質問ありがとうございます。納豆やキムチが「腸に良い発酵食品」であることは間違いありません。しかし、すでにお腹に不調を抱えている方、特にSIBO(小腸内細菌異常増殖症)やディスバイオシス(腸内細菌の乱れ)がある方にとっては、逆に症状を悪化させる原因となることがあり、注意が必要です。
その主な理由は2つあります。
1. FODMAP(フォドマップ)を多く含むため
- 納豆(原料の大豆)は、「ガラクトオリゴ糖」という種類のFODMAPを非常に多く含みます 。FODMAPは小腸で吸収されにくい糖質で、SIBOの方のお腹の中では、小腸にいる細菌の格好のエサとなります。その結果、ガスが大量に発生し、お腹の張りを引き起こします。
- キムチに使われる白菜や玉ねぎ、にんにくなどもFODMAPを多く含む野菜です 。
「体に良いから」と食べていたものが、実は腸内細菌のエサとなり、ガスを産生していた、というケースは非常に多いのです。
2. ヒスタミンを多く含むため
- 納豆やキムチ、味噌、ザワークラウトといった発酵食品は、製造過程でアミノ酸が分解され、「ヒスタミン」という物質が豊富に作られます 。
- 本来、食事から摂取したヒスタミンは小腸で「DAO」という酵素によって分解されます。しかし、腸内環境の悪化(リーキーガットなど)でこの酵素の働きが弱っている「ヒスタミン不耐症」の方がこれらの食品を食べると、ヒスタミンが体内に溢れ、アレルギーのような反応を引き起こします。その症状の一つとして、腹部膨満や腹痛が現れるのです。
結論として: 納豆やキムチは、健康な腸を持つ方にとっては有益なプロバイオティクス源となります。しかし、すでに腸に問題(SIBOやヒスタミン不耐症など)を抱えている場合は、FODMAPやヒスタミンがトリガーとなり、お腹の張りを引き起こす「火に油を注ぐ」結果になりかねません。
ご自身の体質を見極め、症状が出る場合は一時的にこれらの食品を避けることも、お腹の張りを改善するための重要な戦略となります。
オンライン診療対象地域
北海道と沖縄県はバイオロジカル検査の送付ができません。バイオロジカル検査の送付が必要なければオンラインでの診察はできます。
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
無料レポート新リリースしましたのでお受け取りください!

