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分子栄養学

腸内環境 改善には何が必要?医師が教える腸活5つのステップ

こんにちは、表参道・原宿の東京原宿クリニック院長の篠原です。
近年、「なんとなくお腹の調子が悪い」「腸内環境が乱れている気がする」と感じる方が増えています。腸内環境(腸内フローラ)のバランスは消化だけでなく免疫やホルモンにも影響し、全身の健康に直結します。しかし、日々の生活習慣やストレスなどで腸内環境が悪化すると、いわゆる リーキーガット症候群(腸の漏れ)や慢性的な不調の原因にもなりかねません。では、腸内環境が悪化してしまう原因とは何でしょうか?そして、腸内環境を改善するには具体的にどんな方法が有効なのでしょうか?本記事では、腸内環境が悪化する主な原因と、その改善によって得られるメリットを解説します。さらに当院の医師が推奨する「腸活5つのステップ」をご紹介します。日々の生活に取り入れやすい形でまとめていますので、ぜひ今日から実践してみてください。

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腸内健康への道

※ただし、腸活は必ずしも万人に適した方法とは限りません。
過剰な発酵食品や食物繊維の摂取がかえって不調を招く場合もあります。特に小腸内細菌増殖症(SIBO:Small Intestinal Bacterial Overgrowth)などが疑われる場合は、一般的に言われる腸活が症状を悪化させるリスクがあるため、自己判断より先に専門医に相談することを推奨します。

腸内環境が悪化する原因とは?

腸内環境の乱れには様々な要因が絡んでいます。主な原因を確認してみましょう。

  • 食生活の乱れ(不適切な食事): 高脂肪・高糖質で食物繊維の少ない西洋型の食生活は、腸内細菌のバランスを崩しやすく、腸に炎症や腸壁の透過性亢進(リーキーガット)を引き起こします (論文)。実際、糖分の過剰摂取はカンジダなど酵母菌の増殖を招き、善玉菌の働きを弱めてしまいます。また、食品添加物や過度の動物性脂肪も腸粘膜を傷つける原因となります。
  • 慢性的なストレス: 精神的・肉体的ストレスが長期間続くと、ストレスホルモン(コルチゾール等)の作用で腸のバリア機能が低下し、腸内フローラのバランスが乱れます (参考:リーキーガット)。その結果、悪玉菌が増殖し慢性的な炎症反応が起こりやすくなります。実際、心理的ストレスは腸内環境の構成変化(ディスバイオシス)を引き起こし、腸の運動や消化機能にも悪影響を及ぼすことが知られています。
  • 腸内フローラの乱れ(ディスバイオーシス): 抗生物質の乱用や感染症の後遺症などで、腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスが崩れると腸内環境は悪化します。抗生物質の使用後に善玉菌が減少すると、通常は抑えられているカンジダ菌などが過剰増殖し、腸内に定着してしまうことがあります。その結果、腸粘膜が傷つき透過性が高まり(リーキーガット)、未消化物や毒素の侵入による炎症が生じる恐れがあります。
  • 生活リズムの乱れ(睡眠不足など): 睡眠不足や就寝・起床時間が不規則な生活は、腸内細菌叢の多様性に変化をもたらし腸内環境に悪影響を及ぼします。実際、平日と週末で睡眠パターンが異なる「社会的ジェットラグ」を抱える人では、腸内の細菌構成に違いが生じるとの報告があります。睡眠リズムの乱れは消化管の運動やホルモン分泌のリズムも狂わせ、結果的に腸内環境の悪化につながります。
  • 必要栄養素の不足: タンパク質やビタミンA・D、亜鉛など腸粘膜の維持に必要な栄養素が不足すると、腸のバリア機能が弱まり腸内環境が乱れやすくなります。例えば亜鉛不足は、腸の上皮細胞間の結合を壊し腸壁の透過性を高めてしまうことが報告されています (論文)。また、ビタミンD不足も腸粘膜の免疫機能低下に関与します。これらの栄養欠乏状態では腸の修復力が落ち、慢性的な炎症や腸フローラ異常を招きかねません。
  • 有害物質(重金属や毒素): 環境中の有害金属(鉛や水銀、カドミウムなど)への長期曝露や、過度の飲酒・喫煙は腸内細菌の構成や多様性を乱し、腸粘膜にダメージを与えます。重金属は腸内細菌の代謝活動を阻害し、腸に炎症反応や細胞障害を引き起こすことが分かっています。また防腐剤・農薬などの化学物質も腸内環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
腸の健康に影響を与える要因

こうした原因が積み重なると腸内環境のバランスが崩れ、便通異常や消化不良だけでなく、肌荒れや慢性疲労、アレルギー症状など全身の不調につながる場合があります。腸内環境悪化の背景には生活習慣が深く関与しているため、まずはこれらの原因を見直すことが重要です。

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腸内環境を改善するメリット

腸内環境を改善することは、多くの健康メリットにつながります。腸活によって期待できる主な効果を見てみましょう。

  • 消化・排泄の改善: 腸内フローラが整うと消化吸収効率が高まり、慢性的な下痢や便秘、ガス溜まり、腹部膨満感などの改善が期待できます。善玉菌が優勢な腸では有害菌による過剰発酵が抑えられ、スムーズな消化と規則的な排便リズムが取り戻せます。その結果、腹部の不快感が減り、栄養の吸収率も上がります。
  • 免疫力の強化: 腸には全免疫細胞の約70%が集まっていると言われるほど、腸と免疫は密接な関係にあります。腸内環境を改善し善玉菌を増やすことで、病原菌やウイルスに対する抵抗力が高まり、感染症にかかりにくくなります。また、腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸などの代謝物は免疫応答を調節し、過剰な炎症反応(アレルギーや自己免疫反応)を抑える効果も期待できます。
  • 全身の炎症軽減と疾患予防: 腸内環境の乱れは慢性的な炎症の温床となり、肥満・糖尿病・動脈硬化など生活習慣病のリスク因子になります。逆に腸内環境を改善することで全身の慢性炎症が和らぎ、将来的な疾患リスクの低減につながります。例えば、発酵食品中心の食生活に変えた研究では、血中の炎症性タンパク質(IL-6など)が減少し、これは関節リウマチや2型糖尿病など炎症性疾患リスクの低下に寄与すると報告されています (ニュース)。
  • 肌質・美容の向上: 腸は「第二の脳」と呼ばれるだけでなく、「内臓の鏡」として皮膚とも関連しています。腸内環境の乱れは肌荒れやアレルギー性皮膚炎、ニキビなどの悪化要因になり得ます。一方、腸内環境が整うと有害物質の排泄や栄養吸収がスムーズになり、肌の新陳代謝も正常化します。その結果、肌の調子が整い、吹き出物やくすみの改善、美肌効果が期待できます。近年の研究でも、腸内細菌のバランス改善が乾癬やアトピーなど皮膚疾患の改善に寄与しうることが示されています (論文)。
  • メンタルヘルス・脳機能の改善: 腸と脳は迷走神経やホルモンを介して情報交換する「腸脳軸」で結ばれており、腸内環境は精神状態にも影響します。腸内環境を整えることでセロトニンなど神経伝達物質の産生が促され、ストレス耐性や気分の安定につながります。実際、腸内に炎症を起こす細菌が多い人ほど不安や抑うつ傾向が高いとの報告もあり、腸活により腸内フローラが健全化すると、イライラの軽減や精神的な安定、集中力の向上などが得られるケースがあります。
腸内環境改善のメリット

このように、腸内環境の改善(腸活)は全身の健康と直結しており、免疫力アップから美容効果、メンタルケアまで幅広いメリットがあります。裏を返せば、慢性的な不調がある場合「腸」をケアすることが根本的な改善につながる可能性があります。では具体的に、どのように腸内環境を整えれば良いのでしょうか?次に、当院の医師が教える「腸活5つのステップ」を詳しく見ていきましょう。

医師が教える腸活5つのステップ

腸内環境を改善するために、今日から実践できる5つのステップを紹介します。食事やサプリメント、デトックスから生活習慣まで、総合的にアプローチすることで効果的に腸内環境を整えることができます。

腸内環境改善のステップ

ステップ1: 食事 – 発酵食品・食物繊維を増やし、腸に優しい食べ方を

腸活の基本は何と言っても毎日の食事改善です。腸内環境を整える食事として、次のポイントを意識しましょう。

  • 発酵食品を積極的に摂る: 味噌、納豆、キムチ、ぬか漬け、甘酒、ケフィアなどの発酵食品には、有益な乳酸菌や酵母が豊富に含まれています。これらプロバイオティクス食品を日常的に摂取することで、腸内に有用菌を補給し腸内フローラの多様性が高まります。スタンフォード大学の研究でも、10週間にわたり発酵食品を多く摂取した群では腸内微生物の全体的な多様性が増し、炎症マーカーが減少したことが報告されています (研究)。まずは毎日の食事に発酵食品を一品でも取り入れる習慣をつけましょう。 ※SIBOの場合: 発酵食品は善玉菌補給に有効ですが、すでに小腸内に細菌が過剰増殖している方は、発酵食品を摂りすぎるとガスや膨満感を悪化させる恐れがあります。 一度に大量に摂らず、体調を見ながら少量ずつ取り入れることをおすすめします。症状が明らかに悪化する場合は、一旦控えたうえで専門医に相談しましょう。
  • 食物繊維を十分に摂取する: 野菜、果物、海藻、きのこ、全粒穀物、豆類などに含まれる食物繊維やオリゴ糖はプレバイオティクス(善玉菌のエサ)として働きます。人には消化できないこれらの繊維質を善玉菌が発酵分解し、酪酸・酢酸などの短鎖脂肪酸(SCFA)を産生します (論文)。短鎖脂肪酸は腸内を弱酸性に保ち有害菌の増殖を抑えるほか、腸粘膜のエネルギー源となりバリア機能を強化してくれます。理想的には1日20~30g以上の食物繊維を目標に、毎食に野菜や海藻をたっぷり摂りましょう。 ※SIBOの場合: 食物繊維を大量に摂ると、小腸で異常増殖している細菌がさらに発酵を起こしてガスを増やし、腹部膨満感や痛みを悪化させるケースがあります。食物繊維を増やして症状が強まると感じたら、一度摂取量を控えめにしてみるのが賢明です。SIBOが疑われる方は、低FODMAP食の導入などを検討しつつ、体に合った種類・量を試しながら調整してください。
  • 腸に優しい食べ方を心がける: 「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」も腸には重要です。まず、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう。しっかり噛むことで食べ物が十分に細かく砕かれ、消化酵素と混ざり合うため腸での消化吸収がスムーズになります。反対に、あまり噛まずに飲み込んでしまうと大きな食物粒が腸まで届き、大腸で異常発酵して有害菌のエサとなり、腐敗産物を生じさせてしまいます。これがガスや膨満感の原因になることもあります。また、「ながら食い」や仕事中の早食いは消化に悪影響です。ストレス状態では自律神経の交感神経が優位になり、消化管への血流が減って消化力が落ちます。リラックスした状態で食事をとること、そして満腹になるまで詰め込まず腹八分目で抑えることが腸に負担をかけないコツです。食後に温かいハーブティーなどを飲んで腸を温めるのも良い習慣と言えるでしょう。
腸の健康改善サイクル

ステップ2: サプリメント – プロバイオティクス・プレバイオティクスと必要な栄養素の補給

食事からのアプローチに加え、不足しがちな成分はサプリメントで補うと腸内環境の改善がさらにスムーズになります。以下のようなサプリメントの活用を検討してください。

  • プロバイオティクス(善玉菌製剤): 発酵食品以外にも、市販のプロバイオティクスサプリ(乳酸菌・ビフィズス菌製剤など)を活用することで、より高濃度の有用菌を腸に届けることができます。プロバイオティクスは腸内で善玉菌を補充し、悪玉菌の繁殖を抑制して腸内フローラのバランスを整えてくれます (論文)。特に抗生物質の服用後や、食事だけでは善玉菌が不足しがちな場合に有効です。複数種類の菌株(例: L.アシドフィルスB.ロンガムなど)がブレンドされた製品を選ぶと、多角的な効果が期待できます。 ※SIBOの場合: プロバイオティクスが小腸内の過剰発酵を助長し、かえってガスや膨満感を引き起こす場合があります。SIBO治療中は医師の判断で発酵食品・プロバイオティクスを控えるケースも多いため、自己判断で大量に摂らず、必ず専門医と相談の上で少量ずつ導入するのがおすすめです。
  • プレバイオティクス(食物繊維系サプリ): 食事で食物繊維が十分に摂れない場合は、サプリメントでの補充も一つの手です。難消化性デキストリン、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)などのプレバイオティクスは粉末やカプセルで市販されています。プレバイオティクスは消化されずに腸に届いて善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を助けます。結果的に腸内の悪玉菌を減少させ、有益な代謝産物(ビタミンや短鎖脂肪酸)の産生を促進します。便秘がちな方にはオオバコ由来のサイリウムハスクなど、水分を含んで膨らむ食物繊維サプリが有効な場合もあります。 ※SIBOの場合: プレバイオティクスが小腸内で過剰な発酵を起こし、ガスを増やすリスクがあります。便秘が強いときには活用する余地がありますが、摂取開始後に腹部膨満感や腹痛が顕著に増す場合は中止・減量を検討し、医師のアドバイスを受けることが望ましいです。
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  • 必須栄養素の補給: 腸粘膜や免疫調整に必要な微量栄養素(亜鉛・ビタミンD・ビタミンA・L-グルタミンなど)が不足している方は、サプリメントを検討しましょう。特に亜鉛はリーキーガット改善に必須とされ、ビタミンDやビタミンAは腸管免疫を支えます。L-グルタミンは腸粘膜の主要なエネルギー源で、腸の修復・再生をサポートします。
    これらの栄養素は食品から摂るのが望ましいものの、不足が疑われる場合はサプリメントでの補充を検討してください。腸の状態によって必要な栄養素は異なるため、本格的に改善したい場合は栄養療法の専門医に相談し、自分に足りない成分を評価してもらうことをおすすめします。
ステップ2 プロバイオ、プレバイオ、栄養素の補給

ステップ3: デトックス – 有害物質の排出(重金属除去・腸カンジダ対策・腸の大掃除)

腸内環境を改善する上で、腸に蓄積した「不要なもの」を取り除くデトックスも重要なステップです。現代人の腸内には、有害金属や過剰な真菌(カンジダ)、老廃物が溜まりやすく、それらが腸内環境悪化の一因となっていることがあります。以下のアプローチで腸内のデトックスを図りましょう。

  • 重金属のデトックス: 鉛・水銀などの重金属は腸内細菌を乱し慢性不調の原因になりえます。心当たりがある場合(古い水道管、水銀歯の詰め物、大気汚染の多い地域など)は医療機関での重金属検査を検討しましょう。重金属の排出には、キレーション療法(キレート剤で重金属を捕捉・排泄)や、解毒を助けるサプリメント(スルフォラファン、セレンなど)があります。食品では香菜(コリアンダー)やスピルリナ、クロレラなどが重金属排出を助けるとされます。水分を十分にとることや、乳酸菌を継続摂取することもデトックス促進に役立ちます。
  • 腸カンジダの対策: 腸内カンジダ菌の過剰増殖は、腸粘膜を傷つけリーキーガットの大きな原因となります。糖質を好むカンジダが増えると、アセトアルデヒドなど有害物質が腸から吸収され、倦怠感や頭痛、肌荒れなど多岐にわたる不調を引き起こす場合があります。抗真菌薬(ナイスタチン等)やカンジダ抑制サプリ(オレガノオイル、カプリル酸など)の活用を医師と相談すると良いでしょう。並行して、砂糖やアルコール、発酵性の高い食品を控える「抗カンジダ食事療法」を実行するのが一般的です。ただし、自己流で極端な制限をすると栄養不足になることがあるため、専門家の指導の下で進めるのがおすすめです。腸カンジダについてはこちらもご参照ください。
  • 「腸の大掃除」で腸管内をリセット: 腸内環境の改善には、老廃物や宿便をこまめに排出して腸管内をクリーンに保つことも重要です。便秘がちな方は、水分・食物繊維・適度な運動を組み合わせて自然なお通じの回復を促しましょう。可能であれば週末にプチ断食やファスティングを行い、腸を休めて一時的にリセットする方法もあります。いずれにせよ、「毎日きちんと排便する」「悪玉菌や有害物質を溜め込まない」という習慣が腸活の大前提です。
腸の健康のためのデトックスと解毒

ステップ4: 適度な運動とライフスタイル – 腸に効く運動・ストレス管理・睡眠改善

腸内環境の改善にはライフスタイル全般の見直しも欠かせません。適度な運動習慣、上手なストレス対策、十分な睡眠の3つが腸に良いライフスタイルの柱です。

  • 適度な運動を習慣に: 運動不足は腸の蠕動運動(内容物を送り出す動き)を低下させ、便秘や腸内ガス滞留の原因となります。反対に、適度な有酸素運動やヨガ・ストレッチなどは腸の動きを活発にし排便を促す効果があります。近年は運動が腸内細菌叢にもたらすプラスの影響も注目され、定期的な運動を行う人は善玉菌が増えやすいとの研究もあります (論文)。週3回30分程度のウォーキングやジョギングから始めてみましょう。
  • ストレスを上手にコントロール: ストレスフリーな生活は難しくても、ストレスを溜めすぎない工夫が腸には大切です。副交感神経が優位なリラックス時には消化管の働きが高まり、腸内細菌のバランス維持に寄与します。深呼吸や瞑想、ヨガ、入浴、音楽、アロマテラピーなど、自分に合った方法でストレスを軽減しましょう。不安や悩みを抱え込まずにカウンセリングを利用するのも一手です。ストレス管理がうまくいくと、過敏性腸症候群(IBS)やSIBOの症状がやや緩和するケースもあります。
  • 睡眠の質と量を確保: 良質な睡眠は腸内環境の維持に不可欠です。睡眠中、腸粘膜の修復や腸内細菌叢の調整が進みますが、睡眠不足や夜更かしが続くと腸内フローラに悪影響を及ぼします。まずは7時間程度の睡眠を確保し、できるだけ一定の就寝・起床リズムを守りましょう。夜遅い食事や深夜の飲酒も腸に負担をかけます。就寝前はスマホやPCの使用を控え、リラックスして眠れる環境づくりを意識してください。十分な睡眠がとれるようになると、便通リズムや消化機能が安定しやすくなります。
腸内環境改善のためのライフスタイル改善

ステップ5: 腸内フローラを整える生活習慣 – 腸に良い習慣を継続する

最後に、腸内環境の改善を定着させるための日々の生活習慣についてまとめます。ステップ1~4で得た効果を持続し腸内フローラの健全なバランスを維持するには、以下のような習慣を継続することが有効です。

  • 腸に優しい食習慣の継続: ステップ1で述べた食事法(発酵食品・食物繊維の摂取、よく噛んでゆっくり食べる等)を日々の習慣として続けましょう。とくに発酵食品と食物繊維は腸内フローラの維持に欠かせない要素です。一度腸内環境が改善しても、これらの摂取をやめてしまうと数日~数週間で元の状態に戻ってしまう可能性があります。毎日の食事で善玉菌とそのエサを欠かさず供給し、腸内細菌叢にとって快適な環境を維持しましょう。 ※SIBOの場合: 治療が一段落して症状が落ち着いたら、発酵食品や食物繊維の再導入を少しずつ試してみるのも一つの方法です。焦らず様子を見ながら調整し、再び症状が悪化したら専門医に相談してください。
  • 十分な水分補給: 水は腸内の老廃物排出と細菌叢の環境維持に重要です。毎日約1.5~2リットルの水をこまめに飲む習慣をつけてください。適度な水分があることで便が柔らかく保たれ、スムーズな排便が促されます。さらに腸内細菌にとっても適度な水分環境が保たれ、発酵産物の拡散や腸粘膜へのアクセスが円滑になります。
  • アルコール・カフェインの摂取は適度に: 過度の飲酒やカフェイン摂取は腸粘膜を刺激し炎症を起こしやすくします。アルコールはアセトアルデヒドなどの毒性代謝物を生み出し、腸のバリアを傷つけリーキーガット(腸漏れ)の原因となる可能性があります。またカフェインも大腸の蠕動を乱し、胃酸分泌を過剰に促すことがあります。腸内環境のためにはお酒は適量に留め、カフェイン飲料も控えましょう。どうしてもコーヒーが好きな方は、カフェインレスコーヒーやハーブティーに置き換えるのも一つの手です。
  • 抗生物質や薬の使い方に注意: 不要不急な抗生物質の使用は腸内の善玉菌まで死滅させ、ディスバイオーシスを招きます。風邪を早く治したいからといって安易に抗生剤を求めないようにし、自己判断で服用することは避けましょう。どうしても抗生物質が必要な場合は、服用中・服用後にプロバイオティクスを摂取するなどして腸内フローラのリカバリーを図るのがおすすめです。また鎮痛剤(NSAIDs)や下剤の乱用も腸粘膜を傷つけたり腸の働きを弱めたりするため要注意。薬剤は必要最低限に抑え、腸への影響を意識して対策を取りましょう。
  • 規則正しい生活リズム: 腸内細菌は体内時計(サーカディアンリズム)と連動して日内変動しています。不規則な生活は腸内フローラのリズムを乱すため、できるだけ規則正しい生活を心がけることが腸のためになります。毎日決まった時間に起床し、朝食をしっかり摂って腸を目覚めさせましょう。朝食後に排便の時間を設けると、腸のリズムが整いやすくなります。夜更かしを避けて十分な睡眠をとり、食事時間も大幅にずらさないようにします。このように睡眠・食事・活動のリズムが整うと、腸内細菌もそれに合わせて規則正しく働き、腸内環境の安定化につながります (参考:概日リズム)。
  • 腸内フローラに良い習慣を続ける: 腸活は一度やって終わりではなく、良い習慣を日々コツコツ積み重ねることが大切です。たとえば「毎朝起きたらコップ一杯の水を飲む」「毎食発酵食品を欠かさない」「週3日は30分運動する」といった具体的な目標を立ててみましょう。達成できたら自分を褒め、徐々に習慣を強化していきます。腸内細菌は生活習慣の変化に敏感に反応しますが、その変化を定着させるにはある程度の時間が必要です。継続することで腸内細菌叢が安定し、多少悪い物を食べても崩れにくい“腸内環境の底力”が培われます。
腸の健康を維持するための習慣

以上のステップ1~5を組み合わせることで、食事・サプリ・デトックス・運動・生活習慣と多方面から腸内環境改善に取り組むことができます。一度に完璧に実践しようとせず、できることから少しずつ始めてみてください。小さな改善の積み重ねが、やがて大きな変化となって表れるはずです。

まとめ

腸内環境を整えることは、現在感じている不調の改善はもちろん、未来の健康への何よりの投資です。腸活を実践することで、頑固な便通トラブルや肌荒れ、疲労感、メンタルの不調などが徐々に和らぎ、免疫力が向上して風邪をひきにくくなるなど、嬉しい変化が現れるでしょう。腸は「健康の要」と言われるように、腸が元気になると全身のコンディションが底上げされ、毎日を生き生きと過ごせるようになります。

逆に、一般的に良いとされる腸活(発酵食品や食物繊維の多量摂取)が必ずしもプラスには働きません。かえって腹部膨満感や下痢・便秘、胃もたれなどを悪化させる恐れがあります。症状が長引く、あるいは腸活を頑張っても良くならない場合は、一度専門医に相談してSIBOや他の消化器疾患の有無を確認することをおすすめします。

東京原宿クリニックの栄養外来では、腸内環境の精密な検査とそれに基づく専門的な治療を行っています。当院では、最新の腸内フローラ検査「GI-MAP」による腸内細菌バランスの分析や、遅延型フードアレルギー検査、血液によるビタミン・ミネラル評価(必要に応じて有害金属の蓄積検査)などを駆使し、現在の腸内環境の状態を的確に把握します。その上で、結果に基づいたオーダーメイドの治療プランを提案します。食事指導やサプリメント療法を柱に、腸内で増えすぎている悪玉菌やカンジダへの対策、必要栄養素の補給、ストレス管理や生活習慣の調整など、多角的なアプローチで腸の健康回復と全身の症状改善を目指しますリーキーガット症候群腸カンジダ症でお悩みの方には、専門的な治療(腸粘膜修復剤やプロバイオティクスの投与、必要に応じた医薬品の処方など)も行っています。

当院の栄養外来では腸内環境改善の検査・治療を行っております(詳しくは【栄養療法】のページもご参照ください)。

最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。

基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。

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