表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。
長らく続く全身の不調や便通異常には、腸内にカビ(カンジダ)が増殖していることが関係しているかもしれません。全身倦怠感や頭が働かない(ブレインフォグ)、下痢や便秘、低血糖症状などが続いている場合、腸カンジダを疑った方が良いことがあります。今回は、腸カンジダについて詳しくお話ししたいと思います。
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Contents
腸カンジダ症とは
腸カンジダ症とは、消化管にカンジダ菌が増殖した状態です。カンジダ菌は健康な人の腸内にも少量存在する常在菌であり、通常は健康に悪影響を及ぼしません。しかし、腸内フローラのバランスが崩れると、カンジダ菌はエサと増殖の場所を得て、過剰に増殖し始めます。この状態が腸カンジダ症です。
腸内フローラのバランスが崩れる原因には、高糖質の食生活、抗生物質の使用、ストレスなど、さまざまな要因が考えられます。また、カンジダ菌は日和見感染菌の一種であり、免疫力の低下や腸内環境の悪化によって腸カンジダ症を引き起こします。
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カンジダ菌の種類
カンジダ菌には、カンジダ・アルビカンスをはじめ、さまざまな種類が存在します。カンジダ・アルビカンスは腸カンジダ症の原因となる最も一般的なカンジダ菌です。カンジダ菌は単細胞の酵母型と多細胞の菌糸型という2つの形態をとることができます。菌糸型は悪性度が高く、カンジダ増殖の原因になりやすいです。菌糸型への変容は体温に近い温度と中性から弱アルカリ性の環境下で起こりやすく、カンジダ菌は腸内の酸性環境を中和するためにアルカリ性のガスであるアンモニアを放出します。
腸カンジダ症と他のカンジダ症との違い
カンジダ症は、口腔、膣、皮膚など、体のさまざまな部位に発症する可能性があります。
- 口腔カンジダ症: 口腔内にカンジダ菌が増殖し、舌苔や口角炎などの症状が現れます。特に高齢者に多い傾向があります。
- 膣カンジダ症: 膣内にカンジダ菌が増殖し、かゆみ、おりものの増加、外陰部の発赤などの症状が現れます。
- 皮膚カンジダ症: 皮膚にカンジダ菌が増殖し、発疹、かゆみ、水ぶくれなどの症状が現れます。
これらのカンジダ症は腸カンジダ症と関連している場合があります。例えば、腸カンジダ症によって免疫力が低下すると、口腔カンジダ症や膣カンジダ症を発症しやすくなります。
腸カンジダ症の特徴は消化器症状が中心であり、疲労感、消化不良、腹部膨満感、便秘や下痢などの症状が見られます。腸カンジダ症が進行すると、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)を引き起こし、慢性アレルギーなどの症状につながることもあります。また、腸カンジダ症は他の疾患と症状が似ていることが多いです。例えば、食物アレルギー、うつ病、慢性疲労、線維筋痛症などは腸カンジダ症と症状が類似しているため、注意が必要です。
腸カンジダのセルフチェックリスト
下記の設問にすべてお答え頂いた後に、「結果を見る」ボタンを押して下さい。どの程度の腸カンジダの可能性があるかが表示されます。
ご心配な症状がある場合は、お問い合わせよりお願いいたします。
腸カンジダの一般的な症状
腸カンジダの症状は個人差がありますが、以下のように消化器症状、全身症状、精神症状に分けられます。
消化器症状
- 下痢: カンジダ菌の増殖により腸内環境が乱れることで、下痢が起こることがあります。
- 便秘: カンジダ菌が腸内で増殖すると、便が硬くなり便秘になることがあります。
- 腹部膨満感: カンジダ菌がガスを発生させることで、腹部膨満感が生じます。
- 吐き気: カンジダ菌が出す毒素によって吐き気が起こることがあります。
- 血便: カンジダ菌が腸壁を傷つけることで、血便が出る場合があります。
(参考文献:The Influence of Candida spp. in Intestinal Microbiota; Diet Therapy, the Emerging Conditions Related to Candida in Athletes and Elderly People)
全身症状
- 疲労感・倦怠感: カンジダ菌が栄養を吸収してしまうことや、毒素を排出することで疲労感や倦怠感が生じます。副腎疲労との関連がとても強いです。副腎疲労につきましては、こちらをご参照ください。
- 皮膚のかゆみ・発疹: カンジダ菌が腸壁を傷つけ、未消化の食品などが血中に漏れ出すことでアレルギー反応を起こし、皮膚のかゆみ・発疹が出ることがあります。アトピー性皮膚炎との関連も強いです。
- アレルギー症状: カンジダ菌によって腸内環境が乱れると、アレルギー症状が悪化することがあります。
- 頭痛: カンジダ菌が出す毒素が頭痛を引き起こすことがあります。
- めまい: 腸カンジダによる栄養不足や自律神経の乱れによってめまいが起こることがあります。めまいにつきましてはこちらもご参照下さい。
精神症状
- 不安: 腸内環境の悪化は神経伝達物質のバランスを崩し、不安を引き起こす可能性があります。
- イライラ感: 腸カンジダによる不快な症状や栄養不足がイライラ感を増大させます。
- 集中力低下: 腸カンジダによって脳への栄養供給が不足し、集中力低下が起こることがあります。
- 不眠: 腸カンジダによる不快な症状や自律神経の乱れが不眠を引き起こすことがあります。
他の疾患との関連
腸カンジダは、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)との関連が指摘されています。
- リーキーガット症候群: カンジダ菌が菌糸型に変容し、その菌糸が腸壁に穴を開けることで、未消化の食品や毒素が血中に漏れ出す状態です。
- 関連性: カンジダ菌の増殖はリーキーガット症候群の最も一般的な原因の一つとされています。
- 症状の類似性: リーキーガット症候群も、腸カンジダと同様に、疲労感、消化不良、腹部膨満感、便秘や下痢、皮膚の問題、アレルギー症状、頭痛、めまい、不安、イライラ感、集中力低下、不眠などの症状が現れることがあります。
リーキーガット症候群については、こちらもご参照ください。
腸カンジダの原因
腸カンジダは、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。主な原因を以下に詳細に説明します。
- 免疫力の低下
- ストレス: ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌され、免疫細胞の働きを抑制する効果があります。慢性的なストレスは免疫力低下につながります。
- 睡眠不足: 睡眠不足は、免疫細胞の産生を減少させ、免疫機能を低下させます。
- 栄養不足: タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素は免疫細胞の材料となるため、栄養不足は免疫力低下に直結します。
- 慢性疾患: 糖尿病などの慢性疾患は免疫システムに負担をかけ、免疫力を低下させます。
- 加齢: 加齢に伴い、免疫細胞の機能が低下し、免疫力が低下していきます。
- 抗生物質の使用
- 抗生物質は細菌感染症の治療に有効ですが、腸内の善玉菌も減少させてしまいます。そのため、カンジダ菌が増殖しやすい環境を作り出します。特に広域抗生物質は腸内細菌叢への影響が大きく、カンジダ菌の増殖を促進する可能性があります。(参考文献:How Gut Bacterial Dysbiosis Can Promote Candida albicans Overgrowth during Colonic Inflammation)
- 食生活の乱れ
- 糖質の過剰摂取: カンジダ菌のエサとなるため、糖質の過剰摂取は増殖を促進します。精製された砂糖だけでなく、果物などに含まれる自然の糖もエサとなります。
- 加工食品: 加工食品には糖分、食品添加物、トランス脂肪酸などが多く含まれており、腸内環境を悪化させる可能性があります。
- アルコール: アルコールは腸内細菌叢のバランスを崩し、カンジダ菌の増殖を促進します。
- ホルモンバランスの乱れ
- 妊娠: 妊娠中はエストロゲンの分泌が増加し、膣内のグリコーゲンの産生が増加します。これがカンジダ菌のエサとなり、膣カンジダ症のリスクが高まります。
- 経口避妊薬: エストロゲンを含む経口避妊薬の使用もカンジダ症のリスクを高めます。
- 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、カンジダ菌が増殖しやすくなります。
- ストレスと副腎疲労
- ストレス: ストレスはコルチゾールの分泌を増加させ、血糖値を上昇させます。これによりカンジダ菌にエサが供給され、増殖を促進します。また、コルチゾールは免疫機能を抑制し、カンジダ菌に対する抵抗力を低下させます。
- 副腎疲労: 慢性的なストレスは副腎疲労を引き起こし、副腎がコルチゾールを十分に産生できなくなるため、免疫力低下、疲労感、意欲の低下などが現れます。副腎疲労については、こちらをご参照ください。
- 環境要因
- 高温多湿な環境: 高温多湿な環境はカンジダ菌の増殖に適しています。
- 衛生状態の悪さ: 不適切な衛生管理はカンジダ菌の感染リスクを高めます。
- 重金属への暴露: 水銀などの重金属への暴露は免疫力を低下させ、カンジダ菌の増殖を促進する可能性があります。
- 薬物使用
- ステロイド薬: 免疫機能を抑制するため、カンジダ菌の増殖を助けます。
- 制酸薬: 胃酸の分泌を抑制する制酸薬は、カンジダ菌の増殖を抑制する効果が減少するため、長期使用はカンジダ菌の増殖を促進する可能性があります。
腸カンジダは、上記のようなさまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。腸カンジダを予防・改善するためには、これらの要因に複合的に対処していくことが重要です。
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腸カンジダの検査
腸カンジダを検査するには、一般的な便検査ではなく以下の検査が有効です。
①尿中有機酸検査
腸内の代謝物を尿で検査し、カンジダ菌の存在を確認します。3-オキソグルタル酸、酒石酸、アラビノースの上昇が見られる場合は腸カンジダが疑われます。
また、この検査では、ミトコンドリアのクレブス回路の動きを見ることもできます。
クレブス回路のどこで止まっているかをみることで、ミトコンドリアが動いているのかどうか、何によって阻害されているのかがわかります。
尿中有機酸検査については、以下もご参考にしてください。
②GIMAP腸内環境検査
便をDNA検査で調べることによって、腸管の病原菌を検出する検査です。
GIMAP腸内環境検査については、以下もご参考にしてください。
③食物アレルギー検査
主にリーキーガットを調べる検査ですが、イーストや、カンジダに対する抗体があることで判断できます。
保険診療外の検査が必要な理由
腸カンジダ症の検査は、保険診療内の一般的な検査ではカンジダ菌の増殖や腸内環境の乱れを特定することが難しいため、保険適用外の専門的な検査が必要になることが多いです。
尿中有機酸検査(OAT)では、カンジダ菌の代謝産物を検出することで間接的にカンジダ菌の増殖を評価します。このような特定の代謝産物を検出することで、通常の便検査では確認できない腸内の状態を把握することができます。
GIMAP腸内環境検査では、便中のDNAを解析して腸内の細菌叢を詳細に調べることが可能です。このように、DNAレベルでの分析を行うことで、腸内のカンジダ菌の存在やその他の病原菌の状態を正確に把握できます。
腸カンジダ症は、下痢、便秘、腹部膨満感、疲労感、皮膚の問題、アレルギー症状など、他の消化器疾患や精神疾患と類似した症状を引き起こすため、症状だけで診断を確定することは難しいです。そのため、これらの専門的な保険適用外の検査を行うことで、より正確な診断を下し、効果的な治療計画を立てることが可能になります。
腸カンジダの治療法
腸カンジダを治療するには、抗真菌薬の服用が有効です。当院では抗真菌薬に加えて、抗真菌ハーブやバイオフィルムはがしなども併用しています。しかし、抗真菌薬のみでは再発しやすいため、食事や生活習慣の改善が必要です。
抗真菌薬の使用
- ナイスタチン: カンジダ菌の細胞膜に結合し、細胞膜の透過性を変化させることで菌を死滅させます。腸管からの吸収がほとんどないため、主に腸管内のカンジダ菌に効果を発揮します。当院では主にこの抗真菌薬を用いています。
- フルコナゾールやイトリコナゾール: これらは、全身に作用するため、腸管だけでなく他の部位のカンジダ感染症にも効果があります。ただし、全身に作用するため副作用の懸念から腸カンジダにおいては当院ではあまり用いていません。
自然療法の併用
- カプリル酸: ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸で、カンジダ菌の細胞膜を破壊する効果があります。
- オレガノオイル: カルバクロールという強力な抗菌・抗真菌成分を含み、カンジダ菌の細胞壁を破壊し、バイオフィルムを破壊する効果も期待されます。
- グレープフルーツ種子エキス: 幅広い抗菌・抗真菌作用を持ち、カンジダ菌の増殖を抑制します。
- ボーンブロス: ボーンブロスは動物の骨を長時間煮込んで作られるスープで、コラーゲンやゼラチンが豊富に含まれています。これらの成分は腸粘膜の修復に役立ち、腸内環境を改善する効果があります。また、ボーンブロスは消化器系の回復を助け、腸の健康に寄与することが知られています。
食事療法の併用
糖質や酵母を含む食品を控える
- 砂糖や精製された穀物、パンやビールなどはカンジダの増殖を促進するため、避けるべきです。
食物繊維を積極的に摂る
- 善玉菌を増やし腸内環境を改善します。例えば、オーツ麦、大麦、アボカド、ほうれん草、ブロッコリーなどの食物繊維が豊富な野菜や穀物が有効です。
カンジダ抑制効果のある食品を摂る
- ニンニク、タマネギ: アリシンという抗菌成分が含まれており、カンジダの増殖を抑える効果があります。
- シナモン、クローブ: 抗菌・抗真菌作用が強く、カンジダの増殖を防ぎます。
- ココナッツオイル: 中鎖脂肪酸が豊富で、カンジダ菌の細胞膜を破壊する効果があります。ただし、過剰摂取は逆効果になることもあるので、適量に注意しましょう。
健康的な脂質を摂る
- オリーブオイル、アボカドオイル、ギー(精製バター)などの健康的な脂質を摂ることで、体内の炎症を抑え、腸内環境の改善に寄与します。
腸カンジダの生活習慣改善について
腸カンジダの改善には、食事療法に加えて生活習慣の改善も重要です。腸内環境を整え、カンジダ菌の増殖を抑えるために、以下の点に注意しましょう。
ストレスを減らす
- ストレス軽減の方法: ストレスを軽減するために、十分な睡眠、マッサージ、適度な運動(ヨガや軽い運動)、アロマセラピーなどを取り入れましょう。ストレスはコルチゾールの分泌を促し、カンジダ菌の増殖を助けるため、リラックスすることが大切です。
- 時間の管理: 仕事のストレスが原因の場合、柔軟な働き方を検討したり、休息時間を増やすことでストレスを軽減できます。
抗生物質の乱用を避ける
- 抗生物質は腸内の善玉菌も殺してしまうため、安易に使用せず、医師の指示に従って必要最小限にとどめることが重要です。
水道水の塩素に注意する
- 水道水に含まれる塩素は腸内の善玉菌を減少させる可能性があります。浄水器を使ったり、煮沸してから使用することで塩素の影響を軽減しましょう。
水銀の詰め物を除去する
- 歯に水銀を含む詰め物(アマルガム)がある場合は、水銀中毒を防ぐために適切な歯科医で除去することが推奨されます。水銀は免疫機能を低下させるため、カンジダ菌の増殖を助ける可能性があります。
その他の生活習慣
- 適度な運動: 運動は血行を促進し、免疫力を高めるため、適度な運動を心がけましょう。
- 十分な睡眠: 質の高い睡眠をとることで免疫力を保ちましょう。
- 禁煙: 喫煙は腸内環境を悪化させるため、禁煙が推奨されます。
- 免疫力の向上: バランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠、ストレス管理は免疫力向上に寄与します。
ダイオフ(ヘルクスハイマー反応)について
ダイオフとは、カンジダ菌が死滅する際に体内に毒素を放出し、それが一時的に体調を悪化させる反応です。頭痛、発熱、倦怠感、筋肉痛、関節痛、発疹、かゆみ、吐き気、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感、ガス、不安、抑うつ、集中力低下、記憶力低下などの症状が見られることがあります。ダイオフ反応は、カンジダ治療が効果的に行われているサインと捉えることもできますが、症状が重いと日常生活に支障をきたす場合もあります。
ダイオフを予防や軽減するためには、以下のような対策が有効です。
- 抗真菌薬や食事療法を徐々に始めることで、カンジダ菌の死滅を急激に起こさないようにする。
- 肝臓のケア: 肝臓は解毒作用を担う重要な臓器です。マリアアザミやモリブデンなどのサプリメントを摂取することで、肝臓の機能をサポートし、毒素の排出を促進することができます。マリアアザミは、肝機能を向上させる効果があり、グルタチオンの生産を増加させます。グルタチオンは、強力な抗酸化物質であり、フリーラジカルによるダメージから細胞を守ります。モリブデンは、カンジダ・ダイオフで放出される神経毒であるアセトアルデヒドを、無害な酢酸に変換する酵素の生成を助けます。
- 水分や電解質を十分に摂取することで、毒素の排出を促す。1日2リットル以上の水を飲むことを目標にしましょう。
- ビタミンCなどの抗酸化物質を含むサプリメントや食品を摂取することで、免疫系や解毒系をサポートする。
- プロバイオティクスやプレバイオティクスを含むサプリメントや食品を摂取することで、腸内細菌叢のバランスを改善する。
- その他のデトックス法: 乾布摩擦、サウナ、温冷シャワー、リンパマッサージなども、血行を促進し、デトックス効果を高めます。
- ストレスを減らすためにリラックスした生活を送る。
- 睡眠時間を確保する。
- 適度な運動を行う。
ダイオフの症状は通常数日から数週間で自然に消えますが、重度の場合は医師の診察を受ける必要があります。
症例提示
患者データ:30代男性、主訴:蕁麻疹
具体的な症状:慢性的な蕁麻疹を抱えていて、他院でリーキーガット症候群と診断された。食事療法などを指導され行っていたが改善しないため、当院に来院された。
検査データ
解説:遅延型フードアレルギーでは、小麦に対する遅延型アレルギーがあり、小麦を避けるように指導。かつ酵母菌や、カンジダ・アルビカンスに対するIgGアレルギーが認められたため、腸カンジダによるリーキーガット症候群と診断し、カンジダ除菌(抗真菌薬、抗真菌ハーブ)を2ヶ月行ったところ、2ヶ月で蕁麻疹が消失した。
抗真菌薬・サプリメントのリスク、副作用:サプリメントに含有されている各栄養素に対しておきるアレルギー、消化器症状(ムカつき、不快感などを)
料金:
治療後のフォローアップについて
腸カンジダの治療後、再発を防ぎ、健康な状態を維持するためには、フォローアップが重要です。
再発予防
腸カンジダは再発しやすい疾患です。治療後も、食事、生活習慣、免疫力維持に継続的に気を配ることが重要です。
食事
再発予防には、甘いものを控える・抗炎症食を継続することが大切です。砂糖やグルテンを含む食品、高糖質の果物は引き続き控え、健康的なタンパク質、発酵食品などを積極的に摂りましょう。
生活習慣
- ストレス: ストレスは免疫力を低下させ、カンジダ菌の増殖を促進する要因となります。ストレスを軽減するため、十分な睡眠、適度な運動、リフレッシュできる趣味などを取り入れましょう。
- 抗生物質: 抗生物質は腸内細菌のバランスを崩し、カンジダ菌の増殖を招く可能性があります。安易な服用は避け、医師の指示に従いましょう。
- 塩素: 水道水に含まれる塩素は、腸内の善玉菌を殺してしまう可能性があります。浄水器の使用や煮沸など、塩素を除去する対策を検討しましょう。
- 水銀: 水銀は免疫力を低下させる可能性があり、カンジダ菌の増殖を促進する要因となります。水銀を含む歯の詰め物(アマルガム)がある場合は、除去を検討しましょう。
- 免疫力維持: 免疫力を高めることで、カンジダ菌への抵抗力を強めることができます。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの軽減、禁煙などを心がけましょう。
定期的な検査
腸内環境のモニタリングは、治療の効果を確認し、再発の兆候を早期に発見するために重要です。上記にあげた、尿中有機酸検査やGIMAPなどを定期的に行うと、早期発見につながります。
検査の種類や頻度は、症状や治療経過によって異なります。医師と相談して、適切な検査を受けましょう。
腸カンジダは、再発しやすい疾患ですが、治療後の適切なフォローアップによって、再発を予防し、健康な状態を維持することができます。医師の指示に従い、食事療法や生活習慣の改善を継続していくことが大切です。
まとめ
腸カンジダが増えてくると、腸の不調のみならず、全身の不調に繋がります。
腸カンジダを検査するためには、尿や便検査を行う必要があります。
腸カンジダが増えないような生活習慣を心がけましょう。
当院では、腸カンジダの診療は、栄養外来で行っております。
(診察、検査、治療ともに保険適応ではありません)
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。