表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。
今回は、自律神経を整える効果的な方法として注目されている「温冷交代浴」についてお話しします。副腎疲労をはじめ多くの方が自律神経の乱れに悩まされていますが、なかなか自律神経を整えることが難しいところも悩みのタネです。
温冷交代浴は自宅で簡単に実践でき、科学的にも効果が認められている方法なんです。温冷交代浴とは何か、どのような効果があるのか、そして方法について、みていきましょう。
自律神経が整わなくて困っている、すごく疲れているのにリラックスできない、というような時にとてもいいと思います。
Contents
温冷交代浴とは
温冷交代浴(コントラストバス)は、温かいお湯と冷たい水に交互に入る、または温かいシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びる入浴法です。実は、この方法は古くはギリシャ、ローマ時代から健康法の一つとして知られていました。
現代では、特に自律神経のバランスを整える効果的な方法として注目されています。温冷の刺激が自律神経系に直接働きかけ、そのバランスを調整する効果があるからです。
なお、温冷交代浴以外の自律神経の整え方につきましては、こちらを御覧ください。
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自律神経系への効果
温冷交代浴が自律神経系に与える主な効果としては、以下のようなものがあります。
自律神経のバランス調整
温浴は副交感神経を、冷浴は交感神経を刺激します。これらを交互に行うことで、自律神経の切り替えがスムーズになり、バランスが整います。
ロシアの研究では、高血圧患者においても確認されており、長期的な自律神経の調整効果が得られるとされています(PMID: 7709620)。
血流改善
温冷の刺激により血管が収縮と拡張を繰り返すことで、血流が改善されます。これにより、むくみの改善や疲労回復が期待できるんです。
特に、足の皮膚において、冷水と温水を交互に使用することで、温水のみを使用した場合よりも血流が大幅に改善されましたという研究があります(PMID: 17687732)。
ストレス軽減
自律神経のバランスが整うことで、ストレスが軽減され、リラクゼーション効果が得られます(PMID: 7709620)。
睡眠の質向上
入浴後に体温が上昇し、その後しっかりと下がることで、質の良い睡眠につながります。
免疫機能の向上
自律神経系のバランスが整うことで、免疫機能も向上することが最近の研究で明らかになってきました。
慢性気管支炎患者に対して温冷交代浴が実施されたところ、80.3%の患者に良好な結果をもたらし、炎症活動と免疫系の変化が報告されています (PMID: 7941472)。
温冷交代浴の方法
では、実際にどのように温冷交代浴を行えばいいのでしょうか?自宅で簡単にできる方法をご紹介します。
- 準備: まず、入浴前にコップ1杯の水を飲んで水分を補給します。これは、温冷交代浴中の水分損失を予防するためです。
- 温浴: 40℃前後の湯船に全身で2~3分浸かります。この温度は、副交感神経を適度に刺激し、血管を拡張させるのに適しています。
- 冷浴: 湯船から出て、25〜30℃くらいのシャワーを1分ほど浴びます。この冷水が交感神経を刺激し、血管を収縮させます。
- 繰り返し: 2と3を3~5セット繰り返します。最後を冷たい湯で終わるか、温かい湯で終わるかは論文などにより差がありますが、温かいお湯で終わったほうがいいのではと考えます。
- アフターケア: 温冷交代浴後は、ゆっくりと体を温めながら水分補給を行います。
注意点
温冷交代浴は効果的ですが、以下の点に注意が必要です。
- 水温と時間の管理: お湯や水の温度、入浴時間は必ず守りましょう。極端な温度差や長時間の入浴は、逆効果になる可能性があります。
- 水分補給: 入浴前後はもちろん、入浴中も水分補給をしっかり行いましょう。温冷交代浴中は予想以上に汗をかくため、脱水症状に注意が必要です。
- タイミング: 就寝直前や食事直後の温冷交代浴は避けましょう。体調がすぐれないときも控えるのが賢明です。
- 持病がある場合: 高血圧や心臓疾患などがある人は、必ず医師に相談してから行うようにしましょう。温冷の刺激が強すぎる場合があるためです。
- 徐々に慣れる: 初めは温度差を小さくし、徐々に体を慣らしていくのがおすすめです。急激な変化は体に負担をかける可能性があります。
- 個人差を考慮: 効果の現れ方には個人差があります。自分の体調や感覚を大切にし、無理のない範囲で続けることが重要です。
これらの注意点を守ることで、より安全に、そして効果的に温冷交代浴を実践することができます。
私が気に入っているわけ
私が体感として自律神経を整えるのに温冷交代浴がいいと思ったのは、東京原宿クリニックから徒歩1分ぐらいのところに銭湯が出来て、通っているうちに温冷交代浴を教えてもらい、ものすごく自律神経が整うことを実感したからです。
体感としては、温冷交代浴を繰り返していると、交感神経緊張することができなくなって強制リラックスするような感じです。クリニックにいらっしゃることがありましたら、お帰りの際にはこちらの銭湯で、温冷交代浴をしていかれたらいかがでしょうか。
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まとめ
温冷交代浴は、自律神経のバランスを整え、血流を改善し、ストレスを軽減する効果的な方法です。
自律神経系の調整だけでなく、運動パフォーマンスの向上、炎症反応の抑制、睡眠改善、血流改善などとの関連があります。
自律神経が整わないで悩んでいらっしゃる方は、個人差や安全性を考慮しながら無理のない範囲で試してみてはいかがでしょうか。
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。