表参道・原宿の東京原宿クリニック 院長の篠原です。
消化不良だと、せっかく食事をとっても自分の身にならないですね。
特にタンパク質は体を構成する栄養素として、とても重要です。
タンパク質が足りないから、タンパク質を摂取しても消化や吸収がうまくいっていないと、体に吸収されません。
消化には、主に、胃酸、消化酵素、腸の炎症などが関連します。
当院では、血液検査やバイオロジカル検査(GIMAPなど)を含めて、どこに問題があるかを判断していますが、今回は、症状からある程度、検討をつけるセルフチェックテストを作成してみました。
確定診断には検査が必要ですが、目安としてご利用されてみてください。
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Contents
タンパク質消化、吸収に必要なもの
タンパク質の消化、吸収には、①胃酸の分泌、②消化酵素の分泌、③腸の炎症などが関係します。
①胃酸分泌低下の症状
消化不良、胃の不快感、貧血、爪の異常、脂肪の消化不良、お腹の不調、便秘などが現れます。
消化不良:
胃酸は食べ物を分解する役割を担うため、胃酸が低下すると、特に肉や卵などのタンパク質の消化が不十分になり、胃もたれや膨満感を引き起こす可能性があります。
胃の不快感:
食後に胃が重く感じたり、吐き気を催したりすることがあります。未消化物の出現: 消化不良によって、未消化の食べ物が便に混ざっていることがあります。
貧血:
胃酸は鉄分の吸収を助けるため、胃酸の低下は 鉄欠乏性貧血 を引き起こす可能性があります。
爪の異常:
鉄分の不足により、爪がもろく割れやすくなったり、スプーン状に変形したりすることがあります。
脂肪の消化不良:
胃酸は脂肪を分解する消化酵素の働きを助け、胃腸の動きに関係するため、胃酸が低下すると間接的に脂肪の消化も不十分になり、脂肪便や下痢の原因となる可能性があります。
お腹の不調:
消化不良に伴い、お腹がゴロゴロ鳴ったり、ガスが溜まりやすくなったりすることがあります。
便秘:
胃酸は腸の運動を刺激する役割もあるため、胃酸が低下すると便秘になる可能性があります。
②消化酵素分泌低下の症状
消化酵素分泌が低下すると、消化不良、脂肪の消化不良、お腹の不調、便秘、下痢などと関連します。
消化不良:
消化酵素も働きにくくなり、特に肉や卵などのタンパク質の消化が不十分になる可能性があります。その結果、胃もたれや膨満感が起こることがあります。
脂肪の消化不良:
消化酵素が低下すると脂肪の消化も不十分になり、脂肪便や下痢の原因となる可能性があります。
お腹の不調:
消化不良に伴い、お腹がゴロゴロ鳴ったり、ガスが溜まりやすくなったりすることがあります。
便秘:
消化酵素が低下すると腸内環境が悪化し、便秘になる可能性があります。
便が緩く、下痢気味になる:
消化酵素が不足すると、食べ物が十分に消化されずに腸に送られ、下痢を引き起こす可能性があります。未消化物の出現: 消化不良によって、未消化の食べ物が便に混ざっていることがあります。
③腸の炎症の症状
腸に炎症があると、栄養吸収の障害、リーキーガット、エネルギー消費の増加、食欲不振、タンパク質の異化亢進などをひきおこします。
栄養吸収の障害
腸粘膜の損傷、絨毛の萎縮によって、栄養素の吸収が低下する。
腸透過性の亢進(リーキーガット)
腸の炎症により、腸のバリア機能が低下し、腸透過性が亢進(いわゆるリーキーガット)。これにより、有害物質や未消化の食物粒子が血流に侵入し、全身性の炎症反応が引き起こされ、さらなる栄養不良が進行する。リーキーガット症候群については、こちらもご覧ください。
エネルギー消費の増加
慢性炎症によるエネルギー消費が亢進します。
食欲不振と摂食障害
腸の炎症は痛みや不快感を引き起こし、食欲を減退させます。
タンパク質の異化亢進
炎症が続くと、体は筋肉などの組織内のタンパク質を異化(分解)してエネルギー源として利用することがあり、これがタンパク質不足を引き起こす一因となります。
胃酸低下・消化酵素低下・腸の炎症のセルフチェックテスト
以下の質問に全部答えると、胃酸低下、消化酵素低下、腸の炎症の可能性の結果が見れます。(これは可能性であり、自己判断はしないように注意してください。)
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食事でのアプローチ
主に、食事面からのアプローチを考えてみましょう。
1. 胃酸が低下した場合の対処法
胃酸は食物の消化と殺菌に重要な役割を果たしています。胃酸が不足すると、消化不良や栄養吸収の低下を引き起こす可能性があります。
食事での対処法:
- 消化しやすい食材を選ぶ:
- 鶏ひき肉や白身魚など、消化しやすいタンパク質を選びましょう。
- 肉や魚は小さく切って調理することで、消化を助けます。
- 調理法を工夫する:
- 蒸す、茹でるなど、胃腸に優しい調理法を選びましょう。
- 揚げ物や炒め物など脂っこい料理は控えめにしましょう。
- よく噛んで食べる:
- しっかり噛むことで唾液の分泌が促され、消化を助けます。
- 食事中の水分摂取を控える:
- 大量の水分摂取は胃酸を薄めてしまうため、食事中は控えめにしましょう。
- 食事前に酢やレモン汁を摂取:
- 少量の酢やレモン汁を食前に摂ることで、胃酸の分泌を促進できます。
医師の指導のもと、ベタインHClのサプリメント摂取も検討してみましょう。
2. 消化酵素が低下した場合の対処法
消化酵素は食物の分解と栄養吸収に不可欠です。消化酵素が不足すると、栄養吸収が阻害される可能性があります。
食事での対処法:
- 消化しやすい食材と調理法を選ぶ:
- 胃酸低下時と同様、消化しやすい食材を選び、胃腸に優しい調理法を心がけましょう。
- よく噛んで食べる:
- 十分に噛むことで、唾液に含まれる消化酵素の働きを促進します。
- 発酵食品を積極的に摂取:
- ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品には自然の消化酵素が含まれています。ただし、SIBOのような腹部膨満には注意です。
- 十分なタンパク質摂取:
- 消化酵素不足はタンパク質の消化にも影響するため、適切なタンパク質摂取を心がけましょう。
医師の指導のもと、消化酵素サプリメントの使用も検討しましょう。
3. 腸に炎症がある場合の対処法
腸の炎症は消化や吸収を妨げ、腸内環境の悪化を引き起こす可能性があります。
食事での対処法:
- グルテンとカゼインを避ける:
- 小麦製品(グルテン)と乳製品(カゼイン)は腸の炎症を悪化させる可能性があるため、控えめにしましょう。
- 砂糖を控える:
- 砂糖は悪玉菌のエサとなり、腸内環境を悪化させる可能性があります。
- 発酵食品を摂取:
- ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えましょう。ただし、SIBOのような腹部膨満には注意です。
- オメガ3脂肪酸を摂取:
- 魚、アマニ油、えごま油などを積極的に摂り、腸の炎症を抑える効果を期待できます。
- 低FODMAP食を検討:
- 発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオールを含む食品を制限することで、腸の炎症を抑える可能性があります。低FODMAPにつきましては、こちらを御覧ください。
- 抗炎症食品を取り入れる:
- ターメリックなどの抗炎症作用のある食品を積極的に摂取しましょう。
医師の指導のもと、グルタミンのサプリメント摂取も検討できます。グルタミンは腸の粘膜修復を助ける可能性があります。
まとめ
胃酸、消化酵素、腸の炎症は、栄養を吸収するためにとても重要です。
現在、栄養不足に陥っている場合は、それらがちゃんと機能しているかどうかを把握する必要があります。
そのためのきっかけとして、セルフチェックテストを使ってみてください。
最後に(免責)
本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。
病態の改善に必要な食事・サプリメントはひとりひとり異なります。
基本的に、主治医と相談しながら治療を進めていただければと思います。
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1975年横浜生まれ、2021年9月に東京原宿クリニックを開設。内科医、呼吸器内科専門医、アレルギー専門医として豊富な経験を持つ。現在は、一般内科診療をはじめ、栄養療法・点滴療法、カウンセリングを組み合わせた総合的な健康サポートを行いながら、患者さん一人ひとりの生活の質向上をサポート。自身の体調不良経験から、従来の西洋医学に加え、栄養療法の重要性を実感。最新の医学知識の習得に励み、患者さんにとってより良い医療の提供に取り組んでいる。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医。